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選書の「教育実習」を始めます

「選書をしてほしい」
「おすすめの本を紹介してほしい」

本屋になろうとしている者が、
この言葉に怯えている。


最近になって、この言葉を言われることが増えてきた。ありがたいことではある。

しかし、耳にするたびに、グッと身体に力が入る。
なんでだろう。本に対するセンスや知識を試されているような気がしてしまうのだろうか。


こんなことではいけない!

本屋めぐりをする途中、何度もおすすめの一冊を教えてもらったくせに、この体たらく。

「やったことないんだから、仕方ないでしょう」

という言い訳を、言わないようにしたいところだが、今こうしてnoteに文字にしてしまった。



言い訳をしていても仕方がないので、やったことがないのであれば、やってみようと、妻に仕掛けた。突然の「模擬授業」である。


「あのー、わたくし、見ての通りの運動不足で。なんだか思わず動きたくなちゃうような、そんな本ありませんか?」


すると妻はすぐに一冊の本を持ってきた。


「安達茉莉子さんの『臆病者の自転車生活』はどうですか?電動自転車から始まって、自転車にのめり込んでいく著者が、最後に北海道をツーリングするまでを綴った、面白くて読みやすい自転車エッセイですよ。」


おお、なんか、それっぽいじゃないか。
この人、なかなかやるじゃないか。


今度は妻が質問役。


「あのー、わたしは仕事の理不尽な出来事に悩んでいるんですけどね、なんかこう、心のモヤモヤが晴れるような、そんな本はありませんか?


しばらく悩んだ私は、こう答えた。


「僕のマリさんのエッセイ『常識のない喫茶店』はいかがですか?この喫茶店では、失礼な客は問答無用で「出禁」にしちゃう。羨ましいですよね、こんな働き方。そんなあなたには、心に小さな僕のマリさんをしまっておくことをお勧めします。」



おお。
なんとなく、いけた!

割と、何か、スルっと出た!
そしてちょっと楽しい!



……しかし。順調だったのは初めだけ。

「スカッとする本ありますか?」
「キュンとする本ありますか?」
「元気が出る本、ありますか?」

なんかこう、自身がもてない回答が続いた。

答えられないものもたくさんあった。



うーん、まぁ、そりゃそうではある。

授業だって、教育実習から始まるんだ。

教育実習を経て、初任者研修を経て、5年目研修を経て、10年目研修を…。

そうやってなんとなく形になっていくものなのだ。



じゃあ我々も、教育実習から始めたいと思う。

「選書の教育実習」である。



具体的には以下の通りだ。

『〇〇な本、ありますか?』という選書の依頼をSNSで募ってみる。

Xやnoteのコメントで、「#ブタコヤ選書実習」だなんてハッシュタグをつけて、質問を受け付けるのはどうだろう。

あるいは、AIに架空の質問を作ってもらい、それに答える練習をするのもいいかもしれない。

最初はぎこちなくても、いくつか数をこなすうちにブタコヤなりの「選書の色」が出てくるかもしれない。



お付き合いしていただける方はいらっしゃるだろうか。

いつかこの教育実習で提案した本を、実際にお店に並べる日が来たら、とても嬉しい。

というわけで、もしよければ、一緒にブタコヤを育てる気持ちで、ぜひnoteのコメントやXにてご意見をいただけたら幸いです。

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