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有料化2.0

表参道にある青山ブックセンターのツイートによると、7月の売り上げは前年同月比82%とのこと。6月は60%台だったからかなり回復してますね。良かった。新刊書店は営業さえしていれば、もうそこまでひどく数字が落ちることはないように思えます。古書店はどうなのでしょうか。生き残って欲しいですね。何かから逃げるようにふらりと迷い込んで救われたことが何度もありますから。

ただ本はいかんせん薄利多売な商品です。1000円の本が一冊売れても書店の利益は約200円しかありません。しかも上の記事にもあるように万引きが多いから、売り上げが良くても利益に乏しいのが現状なのです(書店の利益率低過ぎる問題に興味のある方には「パルプ・ノンフィクション」というミシマ社の創業者の方が書かれた本をオススメします。ぜひご一読を!)。万引きはもっと厳罰化して欲しいですね。金額の問題じゃないんですよ。安いから少しぐらいいいだろうと思っているのなら大間違い。冗談抜きで書店員の給料が上がらない原因のひとつは万引きなんです。

そういう防犯上の観点まで含めると、レジ袋は無料でいいというのもひとつの考え方ですよね。広告効果もあるし。そもそも袋が有料で紙のカバーが無料っておかしくないですか?(表参道の山陽堂書店みたいにカバーも袋も有料にしているお店もありますが) ポリと紙の違い? でも紙の袋だって有料ですから。もちろん有料のいちばんの理由は環境への配慮ですけど、日本のレジ袋は優れた再利用品でむしろエコバッグの方が石油を大量に使うとも言われています。まあゴミを減らすという意味では、確かになるべくレジ袋を使わない方がエコだからいいのかな。難しいところですね。

ちなみに現時点の自分の考えは「袋有料、カバー無料でひとまずOK」です。理由はこの後すぐ。

先に紹介した青山ブックセンターは全て紙袋にしています。

本体価格は文庫サイズ2円、ロゴ入り紙袋30円、紙袋中40円、紙袋大80円。大型書店に比べるとやや高いですが、ロゴがカッコいいので欲しくなります。カバーも素敵です。それこそお金を出してもいいぐらい。私の中で東京堂書店、新栄堂書店と並ぶ「カバーの素敵な三大書店」です。「お金を取れるデザインで無料」って粋ですよね。その心意気に応えたいから、せめて袋にはお金を出したくなる。本も買いたくなる。この辺にレジ袋有料化問題を一歩先に進めるヒントが潜んでいる気がします。要は「あの袋とカバーが欲しいからあそこで買おう」「カッコいいし、捨てないでしばらく使おう」と思ってもらえるかどうか。

もちろん紙のカバーを有料化するのが悪いわけではありません。配送における送料と同じで、一部の消費者が無料のサービスを当たり前と考えてしまうことの方が問題です。つまり袋もカバーも本来なら有料なわけだから、必要なときは気持ち良くお金を出そう、無料だったらサービスへの感謝を忘れないようにしよう、ということです。

青山ブックセンターは出版事業にも取り組んでいますし、衝動買いを誘う棚の作り方も勉強になります。また定点観測しに足を運ばないと。


作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!