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【本082】『しあわせの香り 純喫茶トルンカ』

著者:八木沢里志 出版社:徳間文庫

『純喫茶トルンカ』の続編。今回も「再会」をテーマに心温まる3つの物語でした。3つのストーリーの主人公は、みな、不器用ながらもまっすぐに生きている人たち。そして、みな、各々に「会いたい人」がいて、現実に、あるいは、夢の中で再会しながら成長をしていきます。

「生きるっていうのは、人との出会いの連続だ。それこそあの、バレリーナのアーチのように、ずっと先まで繋がっている。」

何年たっても「会いたい人」がいるというのは、切ない気持ちが募る一方でとても幸せなこと。もちろん、そこには、千夜ばあちゃんのように後悔があったり、浩太のように高い壁にぶつかった時など、会いたい理由はさまざまだけど。でも、どちらにしても、自分の人生に深く跡(マーク)をつけた、あるいは、つけられた人がいるというのは素敵なことだし、それこそが一生懸命「生きている証」なのかもしれないなーと、本を読んでて思いました。

私が会いたい人、誰かなと考えた。沢山いるし、他界している人もいるけれど... 私は、アメリカでお世話になったあの人、幼い頃通っていた絵画教室の先生にお会いしたいかな。人生さまよっている時に出会った方たちで、お会いした期間は短いけれど、でも、しっかりと心に刻まれています。

これからも新しい出会いは続き、つながりはさらに続いていく。
だから、人生は不思議で素敵なんだと思います。

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