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【メンタル不調の人のための読書室:ゆるっと本のまとめ】「絲的ココロエ」~「気の持ちよう」では治せない~(著:絲山秋子)(その1~主治医との関係)

*双極性障害(双極症)をかかえながらも、大好きな読書から、
メンタル不調の方に参考になりそうな書籍を簡単にまとめていきます。
ちょっとだけ目を通してもらい、何かのヒントになれば幸いです。

 著者をの絲山さんは自ら双極性障害を罹患し、ASD(自閉症スペクトラム)も持っている方です。
 双極性障害を受け入れて、コントロールしている。
 この病気と理想的な付き合い方を実践する著者が書いたこの書籍はこの病に関わる方に読んでいただきたいです。
 今回は、書籍中でも双極性障害の部分に焦点をあててご紹介します。
 この他にも書籍の中では性について、ADSについても触れています。
 

【絲山さんと双極性障害】
1998年夏:メーカーの営業職として独身生活を楽しんでいた
       眠りの浅さ、食欲のなさ…夏バテだろうと思っていた
       そのうち、どうしても営業車から降りられなくなる
       会社に行けなくなる
       この状態が10日くらい続き、精神科を受診する
       ①「うつ病」と診断され、休職することとなる
       (仕事中心に生きていた自分の中身を否定されてしまった
       ような悔しさを感じる)
       その後、復職
復職後:②転勤をし、転院
    ③操転して、理由なく自殺未遂をしてしまう
    ④精神科に入院するために転院
    【入院のよいところ】
    ・生活するのが困難な場合、助かる
    ・通院よりもこまめな薬の管理や変更ができる
    ・絲山さんは5か月間入院した
    ・なかなか合う薬がみつからなかったから
会社を2001年に退職
    

①から④で主治医(病院)が変わる
① 会社員時代 うつ病と診断されたとき
② 転勤した時 医師に自分の訴えが通じなかった
        冷たくされ、絶望し、自殺を図る
③ 自殺未遂のため入院した時の医師 躁状態だった
④ 現在の医師

【精神科医との関係とは】
・医師は母親でもなければ、神様でもない
・そもそも正しいアドバイスなどというものもない
・絶対の正しさを医師に求めるほうがおかしい
・通った病院が合っていなければ、転院することは悪いこともでもなんでもない
・医師には体重計的な役割もある
  継続的に数値をみるため存在し、モチベーションを保つため
  症状が出ていないときにも、定期的に通い続けるのは、
  医師がまさに自分にとってヘルスメーターでもあるからだ
・患者本人もすべて自分病気のことをわかっているわけではないので、患者もお客様ではない
・ネット上の情報は最悪の事態がクローズアップされていることが多いので
、参考程度にしたほうがいい
・医師の書いた本を読んだほうが落ち着いて情報の取捨選択ができる
医者にできることは薬を使って援護射撃すること
 矢面に立つのは患者自身
 
(矢面に立つということは体力が必要:しかし、うつ状態には著しい体力感とセット。躁状態には自覚がないままエネルギーを消費している)

【双極性障害を受け入れるということ】
・「重要な判断はしない」
 双極性障害やうつ病に罹患しているときは、判断に支障をきたすことが一番の問題
 病気の時に決断したことは健康な時とは違う
 その人らしくない選択となりやすい
 そして回復から後悔することが多い

・「自分がいることで迷惑で、相手の申し訳ない」と考えがち
 病気の時の典型的な考え方
 元気になって振り返ると、それはたいてい間違いなので、本人も家族も同僚も、決断を先延ばししていい。
 そう思うことでかなり楽になる。
 最良な結果を求めるなら、病気のときは何も決めないこと。 
 広範囲には発信しないこと。
 
・不要な心配を取り除く
 精神の病気は目に見えないので、心構えだの甘えだの態度だのと言う人は人は必ず存在する
 そんなときは反論せずに自分にこう言い聞かせる
 「人間は自分の医師では虫歯ひとつ治せません」
 不要な心配は、しなくてもいい苦労
 何が不要かということについては、時間があって体調がいいときによく考えてこころの引き出しに準備しておく
 しない手もいい苦労は排除してしまえばいい
 こう思うとラクになる

【私の感想】
・通った病院が合っていなければ、転院することは悪いこともでもなんでもない
 これは本当にそうだと思います。
 双極性障害は、駅前クリニックでは難しい病気であるように扱われても、精神科単科の病院へいくと割と扱いやすいように感じたり、また、先生と会っていなければ大きな病院転院するのも。大きな病院では先生を変えることが比較的容易であり、合う先生を見つけやすかったりすることもあります。
・医者にできることは薬を使って援護射撃すること
 援護射撃…そうですよね、双極性障害と診断されたときは、先生に頼り、早く良くなりたい一心で主治医とぶつかることもありました。
 しかし、発症から半年くらいたつと、薬と精神科医は援護射撃で、矢面に立つのは自分だと分かってきました。
 能動的に病院にかかるだけでは双極性障害は治りづらいことは専門医の先生の書籍にも記載がありました。
 自分なりに生活や薬への正しい知識などを増やしていくことが大切なのかと思います。
・「自分がいることで迷惑で、相手の申し訳ない」と考えがち
 病気の時の典型的な考え方
 この思いについても、うつ病や双極性障害の専門書にも記載がよくあります。私もこう思うことはあります。でも、これは病気のせいなのだと思って、まずは安定することが一番と肝に銘じています。
       


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