映画『ちょっと思い出しただけ』をちょっと思い出しただけ
予告編を観て「あ、これ絶対好きだ」と思っていた映画『ちょっと思い出しただけ』が封切りしたので早速観に行った。
感想としては、とにかく作品の世界観が自分好みであった。
(尾崎世界観さんが好きという意味ではなく)
タクシーのフロントガラスに映る煌びやかな東京の夜景
閉館日でいつもとは違う雰囲気を醸し出す水族館
何かあるわけではないが、2人でいれば特別に感じる夏のカンカン照り
どれも好きで劇場を出た後も「よかったわー、いや~本当によかったわ~」と心の中で反芻しながら夢見心地な気分であった。
本作は映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」に着想を得て、クリープハイプが書き上げた楽曲「ナイトオンザプラネット」を松居監督がイメージして作り上げたオリジナルストーリー
内容としては、過去付き合っていた男女の”今と過去”を描いている。
物語がはじまり、主役2人が一緒にいるシーンが中々出てこないので、「不思議な演出だなー」と思ったら、過去に遡っていく逆再生の形式で話は進んでいく。
時間軸が遡る作品は沢山あると思うが、今まで観た自身が観てきた映画にはなかった為、とてもこの演出が斬新であった。
キャスティングとキャラクター設定も面白い
主役の池松壮亮さん、伊藤沙莉さんの組み合わせについて良い意味で渋いと感じた。
恋愛がテーマではあるが、10代をターゲットにした甘々の内容ではないし、難病を抱え余命いくばくと言うお涙頂戴ものでもない。
どうしても恋愛をテーマにすると男女のラブラブシーンが出てきて
「気持ち悪い・・・」
「観ていてムズムズする・・・」
と感じてしまうが、池松壮亮さん×伊藤沙莉さんのカップリングには嫌悪感はなく、寧ろ微笑ましさすら感じた。
また、脇を固める演者さんも素晴らしかった。
軽そうに見えて意外と純粋?な関西弁の兄ちゃんをお笑いコンビニューヨークの屋敷裕政さん
池松さん演じる照生に淡い恋心を抱いている?女子大生を『サマーフィルムにのって』でビートバン役を演じた河合優実さん
酔っ払いのタクシーの乗客に『ドライブ・マイ・カー』で一躍脚光を浴びた濱口竜介監督の『偶然と創造』で寡黙な大学教授を演じた渋川清彦さん
ストライクゾーンが広いゲイの役を國村隼さん
本作ではちょい役ってところがまた良かった成田凌さん
主題歌を担当していることも絡んでキャスティングされているのかな?ロックバンドのボーカル役で尾崎世界観さん
その主題歌であるクリープハイプの「ナイトオンザプラネット」が映画の世界観と、とてもマッチしていて物語を気持ち良く締めくくってくれる。
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