京都府警あやかし課の事件簿/身近に感じる神様達に親しみを覚える物語
こんばんは。Book Conseillerの都築です。
今回ご紹介するのは、京都のイメージにぴったりな、神様やあやかしが出てくる作品です。
京都府警あやかし課の新人が入るところから、物語が始まります。
ジャンル: 現代和風ファンタジー コメディ
ライトノベル
著者: 天花寺 さやか
出版社: PHP研究所(PHP文芸文庫)
文庫: 352ページ
『地図を頼りにその「喫茶ちとせ」へと着いた時、古賀大(こが まさる)は、薄緑の軒先テントがレトロだと思い、ここが私の職場になるんやな、と気負って鞄と刀袋を担ぎ直した。』
"京都府警あやかし課の事件簿"第1巻抜粋。
物語の舞台は古の都、京都。
そこに警察でも一部の人しか知らない「京都府警あやかし課」があります。
あやかし課の仕事は、人外のあやかしと呼ばれるものの事件の解決。
特殊な能力を持ったメンバーが、個々の能力を活かしながら様々な事件を解決していきます。
この作品の特長は『敵対』ではないこと。
あやかし課は、神様と協力するのはもちろん、あやかしの困ったことにも、人と分け隔てなく助けます。
ですから、人間とあやかし両方にとっての「お巡りさん」でもあるのです。
もうひとつの特長は『友人のような親しみやすい神様』の存在。
神様は祀(まつ)られていることが多く、畏敬のイメージもあり、他の作品でもそのように書かれていることが多いです。
この作品では「あやかし課」の元の組織が古い時代からあったため、神様も「あやかし課」と長い付き合いです。
だから、私達が友人とする話しぶりや気さくさが表れています。
神様がチャーミングできっと親しみやすく感じるでしょう。
また、京都の名所や詳しい街並みも出てくるので、京都が好きな方や京都に興味のある方も楽しんでもらえると思います。
第1巻は4つの物語が収載されています。全体ページ数のボリュームは中くらいという感じです。
文章も特に癖はないので、読み進めやすいと思います。
京都の風情と不思議な物語がお好きな方に、おすすめの作品です。
☆5点満点中
読みやすさ ☆☆☆
ストーリーの重厚度 ☆☆
京都 ☆☆☆☆☆
神様 ☆☆☆
ドラマ ☆☆☆
◇この作品が好きな方はこちらもおすすめ◇
神様の御用人
神様と人間の交流を描いた作品です。
こちらの神様はちょっと畏(おそ)れ多いですが、人間とのやり取りで心が暖かくなる作品です。
漫画「夏目友人帳」がお好きな方にもおすすめです。
皆様と本との素敵な出会いがありますように。
都築都でした。
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