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11.ホットケーキを食べよう
私が初めてホットケーキを作ったのは、おそらく小学生の頃。
母が私と一緒にするために申し込んだベネッセの「ボンメルシィ」というお料理キット?みたいなもので作った。
お菓子づくりなんて初めての私は、上手くできずにすぐに投げ出して、ほとんど母にやってもらっていた。
ふわふわ、綺麗な色のホットケーキを焼くのは難しい。
でも、少しくらい焦げていたって、たっぷりのバターとメープルをかければなんてことない、とっても美味しいのだ。
学生の頃もごくたまに、家でおやつにホットケーキを焼いたりした。少しは上達していた。
大人になってホットケーキを焼いたのは一度か二度。
綺麗な色にこだわりすぎてやわやわになった。
大学生の頃に行った、京都でお気に入りの「雨林舎」のホットケーキ。
少し暗くて落ち着く空間の中で、ふわふわ出来立てのホットケーキを食べた。すごく美味しかった。
社会人になった。
ある日曜日、駅で待ち合わせて朝から神戸に向かう。
何も食べていなかったので、三宮の商店街で喫茶店に入ってホットケーキを食べた。
空腹に甘いものが沁みた。
私はフォークとナイフを使うのが下手なので、綺麗に切れずにいつも通り笑われた。
くそぅ、私も君が食べているあんこのせにすればよかった。カロリーを意識して我慢したのだ。
「パン食べてる時点で変わらんで」
といつも通り指摘されるのがオチだ。
ちょっぴり悔しかったけれど、なんだかんだ美味しくて楽しくて幸せな朝だった。
久々に今度、ホットケーキを焼いてみようか。
やわやわになりすぎないように、焦げないように気をつけて。
フォークとナイフで綺麗に切り分けられるように練習しよう。
少しいいバターとメープル(もしくはハチミツ)
を買ってみよう。
きっと、美味しくて楽しい、幸せな一日になるだろう。
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