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二人の対照的な編集者の話。あなたはどちらのタイプですか?

20年以上ライター稼業をしているので、さまざまな編集者に会う。
編集「者」というと一個人としてとらえられがちだが、その背景には所属組織があるし、ビジネスなので個人的な属性に帰せられない面も多い。
そのうえで、過去に興味深かった二人の対照的な編集者の話をしたい。

どちらも年齢は40代だ。
どちらとも何度か仕事を繰り返した。
つまり、二度と一緒に仕事をしたくないと感じるタイプの編集者ではない。
「こんなひどい編集者がいた」系の話を聞きたい人は、ごめんなさい。

二人が対照的なのはコミュニケーションだ。

Aさんは、どんな原稿を渡しても、まず褒める。
苦手な分野で、力が発揮できなかったとこちらが感じているときですら、褒めてくれる。
その後の修正もほとんどないので、交渉術とも思えない。
あまりにも絶賛するので、気がゆるまないよう7割引きで聞いていた。
それでも気分はよくなるので、快適に仕事ができた。
一度、時間がなかったので80%の完成度で初稿を提出してしまった。
褒めてくれた。
申し訳ない気分になって、ニ稿時に念入りに推敲した。

Bさんは、どんな原稿を渡しても、褒めてくれない。
かなりよくできたと感じた原稿のときも修正点しか言わないので、一度「良かったところも教えてくれませんか?」とお願いしてみた。
無言でスルーされた。
そういう観点で見ていなかったらしい。
そして修正の量が多い。
多いというか自分で勝手に修正する。
Bさんから出てきた最大級の賛辞らしきものは「私のほうで修正したのですが、同じでした」だった。
なぜBさんが私に繰り返し依頼をしてきたのかよくわからない。

私はAさんを目指したいが、気がつくとBさんになってしまう自分をたびたび発見する。
人を褒めるのは難しい。

素直に褒められないのは、結局、自分がプレイヤーになっているからだ。
自分にはプレイはできないと認めてマネジメントに徹すれば、Aさんみたいになれるのだろう。
そういえばBさんは自分で書きたい人だった

あなたは最近他人を褒めていますか?
もし「褒め」が足りないと思った方は、まずこの文の左下にある♥(スキ)ボタンをクリックしてですな…(笑)

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