見出し画像

運営する地域密着型デイと新型コロナウイルス

私は、地域密着型デイサービスを運営しています。他の介護事業所と比較して、少人数制(現在10人以下)であるということ、食事や入浴の提供もなくリハビリに特化した当事業所は、空間も広く「3密」状態となることは稀です。

それは、あくまでも通常規模のデイサービスとの比較であり、高齢者が最も感染源となりやすく、感染しやすいとのデータもはっきりと示されているのは、事実としてあります。

そして、感染すれば重症化し死亡する確率も高齢者が高い為、徹底して高齢者を保護することが必要とされています。

しかし、自宅で活動自粛することで、血糖コントロールの不良など生活習慣病の悪化、筋肉の衰え、免疫力の低下、鬱、認知機能の低下など、別の健康(心身機能)被害も問題視されています。
長期休校中の若い学生たちでさえも、一部心配されているほどです。

高齢者は、外出・施設への通所というきっかけがあることで活動機会を得ておられた方が多い。そんな中、活動を自粛中されれば、自ら生活習慣を見直し、心身機能の衰えを防止し、現状を維持していくことは、決して容易ではないでしょう。

そんな悩ましい選択肢(通所or自粛)から、4月上旬の安倍首相による緊急事態宣言を受けたきっかけで、施設への通所を自粛することを選ばれた方も少なくありません。
勿論ことです。正しい命の選択です。

一方で、新型コロナウイルスの感染を心配しながらも、これまでの活動を維持されることを選ばれ、利用を継続されている方もおられます。
こちらも正しい命の選択でしょう。

「不要不急の外出を控える」の「不要不急」の捉え方は、その方の事情によって違っているのは、当然のことです。

そこで、「必要」と思いご利用を継続されている方々に対し、事業所としてのすべきことは、見えない敵(ウイルス)を正しく理解し、感染させない取り組みと、もしもの感染に備える免疫力強化&健康づくりに力を注ぐこと。

それと同時に、お休みされた方々にとって、「必要」としていただける事業所へと進化することを取り組む素直さが求められます。

以下、良くも悪くも参考になる部分があれば嬉しく思います。
*当事業所所在の徳島県は、2020/5/3現在の新型コロナウイルス患者数、現在1名

画像1

新型コロナウイルスについての事実を冷静に

4月上旬から緊急事態宣言に入り、国民は今、「接触8割減」が政府から要請されています。
目的は、新型コロナウイルスによる「死亡者数」「感染者数」の抑制を重視すると同時に、その他の二次的被害を最小限に抑える。
そして医療崩壊の回避のために、「国民の皆様には、7割から8割の人との接触を減らす」(自粛要請)ということです。
政府クラスター対策班の西浦博教授(北大)の「このまま対策を取らなければ、日本での死者は43万人になる。」との発言がきっかけだったと思います。
政府クラスター対策班は感染経路が追える人数までの終息を目指しているとと聞きます。
それは、もちろん感染拡大を防ぐためのこと。
感染による被害者をできる限り出さないようにすること。

しかし、活動自粛の対策は根本的な見直しが必要なのではないかと素人ながらも感じざるを得ません。

なぜなら、活動を自粛しているときには、一定以上の感染拡大は防げますが、自粛を解除したら再び感染は拡大するでしょう。
つまり、自粛要請の解除は、どんどん先延ばしになるでしょうし、解除してもまた自粛の繰り返しとなるでしょう。
「先が見えない」って発言する人が多いのも、このことがわかっているからですよね。

そして、自粛は経済破綻を引き起こし、終息しても元の生活は、もう取り戻せません。
個人の環境によっては、経済破綻は縁遠いと思われる方もおられるかもしれませんが、健康にも直結することです。
それに、今はお金に困ってないよって人も、ショッピングやお気に入りの飲食店や遊ぶ場所は奪われてしまいます。

感染症対策専門家会議とテレビでよく聞く言葉ですが、こちらは、感染症の専門家で構成されているそうです。
こちらの構成員には、経済の専門家やその他科学者達は、含まれてはいないのでしょうか?
一方向の偏った視点は、大変危険です。

そもそも冷静に考えて、全てのウイルスを撲滅しない限りは、感染拡大は続きますよね。
武漢の1人の感染者から今の事態になっているのだから。
ウイルスの撲滅なんて、「無症状の感染者」がいる事実から、不可能なことはわかります。

これからは、新型コロナウイルスの存在を前提に「接触機会8割減」から「感染機会8割減」へ切り替える。
人との接触機会を維持しつつ、感染しないようにする対策へと切り替える必要が、あるのではないでしょうか。
これらは、京都大学レジリエンス実践ユニットの藤井聡教授が提言されており、とても納得のいく現実的な内容でした。
(参考:「新」経世済民新聞 三橋貴明 公式チャンネル https://youtu.be/mZLHbrpDAuQ

テレビの情報は視聴率の取り合いにより偏りがあります

新型コロナウイルスについて、決して楽観的に考えている訳ではありません。
そして、以下の発言は、あくまで個人の感じるままのことであり、関係者の皆様に対し不快感を与えてしまいましたら申し訳ございません。

テレビは、ニュースになることを取り上げます。視聴者が、盛り上がることに力を注ぎます。
スポンサーからの収益で成り立っているから、当たり前のことです。
他局よりも注目を集める工夫を凝らします。
次第に、その競争は悪気なくとも必ず誇張し、気がつかないうちに大きな騒動になりすぎてしまう事もあるでしょう。
そのことによって、社会全体もマインドコントロールされてしまっても、仕方のない事です。

感染者の情報が、ニュースで取り上げられ、不安や恐怖の煽りは、冷静さを奪われ、すれ違う全ての人を感染者ではないかと疑い警戒します。
嘘のデマに踊らされ、トイレットペーパー不足をおこします。
トイレットペーパー不足の報道の仕方は、さらなる混乱を生みます。

その他、感染報道により倒産に追い込まれる業種の方も沢山おられます。

こういったことも予想できたことなのに、伝え方の工夫次第で防げたことではないのでしょうか。
テレビの収益しか考えていないのではないかと疑いたくもなります。

実は、感染していない人の方が圧倒的に多いってことが、事実としてあることを知っておいてください。
国内人口1億2,596万人のうち感染者数は累計で14,571人(2020/5/2現在)で割合でいうと1万人に1人です。
つまり、国内の1億2,594万人以上の方は感染者とされず、割合でいうと1万人中9,998人は無事(無症状の方も含みますが...)だということが言えます。

院内感染や高齢者居住施設での集団感染についての話題も同様です。
日本の病院は9000施設以上、高齢者居住施設は有料老人ホームだけでも12,000施設以上ある中の一部数件の事例です。
これら集団感染は施設だからこそ話題になっていますが、集団生活をおくる場ということで考えると家庭内も同じようなものです。

日々感染者数を報じられている東京都内感染者の7割超が、自宅などで同居する人からの感染であったと発表されています。
このことはあまり報じられていません。
報じられていたとしても、家庭内感染ということには注意(意識)がいきにくいのも、脳のメカニズム(脳幹網様体賦活系)から仕方のないことです。
脳幹網様体賦活系とは、脳幹網様体という部分の働きを示す言葉です。
この部分は、自分にとって必要な情報のみピックアップして取り込み、興味のないことは目や耳に入ってこないようにしています。

安心できる自分の家庭には関係のない話、興味のないことって判断されています。

「人から人」ではなく「物から人」であるという説が濃厚

「全国一斉休校」「緊急事態宣言」により、街から多くの人が減って後、感染者数が爆発的に伸びています。

前項でも触れましたが、マスクや防護服を着用して対応する医療機関でさえも集団感染がおこります。
アメリカの院内感染は、空気感染と捉えていた病院で起こったようです。
感染患者を対応した医者または看護師が病室から出たときに触れた物を、また他者が触れたことによって拡がったと公表されています。
こういった未だ日本では、政府やテレビで取り上げられない事実もありますので、是非正しい事実を自ら検索してみましょう。

「ウイルスをばらまいてやる」と言ってパブに訪れた愛知県の感染した男性の話を覚えていますか。
この時も至近距離で接触し続けられた女性店員ではなく、約10m離れた場所にいた別の女性に感染が確認されましたね。感染した男性が、入店した直後に寝転んだソファーに、男性が離れて数分後にこの女性は座っていたということです。

このことからも「人から人」ではなく「物から人」と考えれば納得ができます。

では飲食店での感染はどうなんだって言われそうですが、飲み会の席では食べ物をみんな共有します。
そもそも対面で会話をすればを飛散した唾液は並べられたお食事やお皿やお箸、もちろん机にもウイルスは付着します。
そしてそのウイルスは口に運ばれます。

飲食前に手洗いと消毒をして、終始無言であれば、居酒屋でも感染の心配はほぼないでしょう。
ただ店員さんに感染者がいればって考えると警戒する点は増えますがね。

飲食店だから危険なのではなく、家庭でも感染リスクは同じです。

海外では既に「物から人」へと対策の切り替えが始まっているそうですよ。

まだ日本の大臣は「人と人」の距離をとって一部博物館等の施設を開くと言っていますが、、、。
マスクの着用と必要以上に物に触れない注意喚起と消毒の徹底が重要なのでは。

「マスクは予防にならない」といった噂について

こちらは諸説あります。
2020/4/6現時点でのWHO(世界保健機構)の発表では、新型コロナウイルス感染者がマスクを着用すれば飛沫感染や接触感染を防ぐことができるとされています。
つまり他人に感染させない(拡げない)為の予防ってことです。

では感染者じゃない人にとって感染しない為の予防となるのかどうか。

新型コロナウイルスの感染は「人から人」の飛沫感染よりも「物から人」の接触感染によるものが90%とも言われています。
インフルエンザなら「人から人」への飛沫感染でありマスクが感染しない為の予防になります。
ではSARS型ウイルス(新型コロナウイルス)のような「物から人」の感染は効果が低い。
そう思われがちですが、実は接触感染を防ぐという目的とすると有効な予防策です。

皆さん無意識のうちに幾度となく顔の一部に手(指)を持っていっちゃっています。
顔の表層はすごく神経が敏感なので僅かな空気(風)の流れやホコリ、乾燥などに過敏に反応し、痒みやくすぐったい、アレルギーや発赤などの無意識的に反応しています。
顔に意識を向けただけでも痒くなってくることもあります。

つまり手に付着したウイルスが顔に運ばれて口元に付着することをマスクによって防ぐことができます。
そうなるとマスクの性能についての結論はどうあれ着用していた方が良いってことになります。
新型コロナウイルスに関しては、マスクを着用しているから感染を防げると過信せず、顔に手を直接触れず、しっかり手洗いと消毒をすることによって防ぐことができると理解しておくことが重要です。

余談ですが、アベノマスク(ガーゼマスク)は織り目のサイズが大きのでフィルター性能が劣っている傾向にあり、現時点では感染者の飛沫を防ぐ一定の効果と考えられています。医療用マスクや不織布マスクなどの使い捨てはフィルター性能に優れていますが、洗うなど水につけることによって見た目は変わらずとも性能は落ちてしまうようです。

当事業所での新型コロナウイルス感染予防の具体策

下記は当事業所としての対策と利用者様にお願いしている内容です。
* 送迎をご利用の方は、乗車前に検温および体調確認をお願いいたします
* 送迎時の車内は常時換気させていただきます
* 事業所内を常時換気させていただきます(玄関ホールドア、事務所の窓、相談室の窓、トイレの小窓の開放)
* 来所時は全員、必ず消毒をお願いいたします
* 施術対応時には、施術前に手の消毒をさせていただきます
* 施術対応時には、施術前にベッドを消毒させていただきます
* 事業所内にいる方は全員マスクの着用をお願いいたします
* 他の患者さんとの接触を防ぐため、テーブルや治療機器の座席間隔を拡く設定しております
* サービス提供時間中定期的に事業所内を消毒にて清掃させていただきます
* トイレの使用は男性の方も着座にてお願いいたします
* トイレ使用後の排水は便座カバーを閉めてからお願いいたします
* トイレ使用後は30秒以上の時間をかけて手洗いをお願いいたします
* 飲食前には、手の消毒をお願いいたします
* マスクを外している時の私語は控えていただきます
* 目口鼻を手洗いまたは消毒前の手で直接触れないようにお願いいたします
* 事業所内の集団感染を防ぐため10名以上の利用はお断りさせていただきます
* 事業所内で行う体操は免疫力向上に効果的とされているものを主にいたします

*上記ほか、事業所職員は感染させない為の取り組み
* 出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が認められる場合には出勤を行わない
* 職場外でも換気が悪く、人が密に集まって過ごす空間で集まらない
* ご利用者様と接する際にはマスクを着用する
* 感染症についての最新情報を常時更新&共有し対応する

言い訳っぽく聴こえますが事実です

高齢者を抱える皆様のご自宅でも外部から家庭内への感染経路の遮断は徹底できていますでしょうか?
事業所同様にご自宅におかれましても感染対策は重要です。
ここまでの項でも触れましたが、緊急事態宣言のちの感染拡大は「家庭内感染」によるものが多いとの報告もあります。
たとえ対策をしても100%安全が保証されるものではありません。
本当に利用者様やその他高齢者を守るために重要であるからお伝えしています。
これらは決して、事業所でまさかの感染者が出た時の為の言い訳ではありません。

例えば、買物してきた食材を入れた袋、そして包んだナイロンにウイルスは付着していませんか?
食事は家族間の距離を取り、会話を交わさず行われていますか?
手洗い後に使用するタオルは分けられていますか?
自宅内でもマスクは着用されていますか?
車のドアやハンドル、そして玄関、手すり、携帯電話、机、椅子、そして衣類などなど、、、
言い出したらきりがありません。

ウイルスはどこであろうと人の触れるところであれば付着している可能性はあるのです。
これはテレビのような必要以上の脅しではありません。

では簡単にまとめます。
新型コロナウイルスを防ぐのは、
「絶対にウイルスを目口鼻に運ばない!」
これだけはしっかりと守りましょう。

たとえご自身の手が新型コロナウイルスに溢れていても、その手を目口鼻に持っていかなければ感染リスクは極少ないということです。

自宅は油断が生まれる場所です。
自分は大丈夫ってことは絶対にありません。

そしてもう一つ大切なことです。
活動自粛により別の健康被害にも十分な注意が必要です。
新型コロナウイルスが流行ったからといって、他の病気にならないってことはありません。
それらへの対策もしっかりとっていてください。

終息の見えない新型コロナウイルスに怯え足元が疎かにならないことを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?