#399 澤円『メタ思考』読書アウトプット(第5章)

澤円さんの『メタ思考』のアウトプットの続き、第5章です。

第5章 視野を広げる人間関係術

他者からのネガティブな評価は人の可能性を狭める。あるいは、成長を止めてしまう可能性がある。とくに幼少期に身近な人から受けたネガティブな反応や評価は、その後の人生に大きく影響する可能性があるでしょう。
(中略)
世の中には家庭環境や時代の流れなど、自分の力ではどうすることもできないものもありますが、自分の居場所を変えたり、自分の扱いを変えたりすることはできるということ。これは重要なポイントです。
(中略)
僕は大きな環境の変化に対して、なにか特別な努力をしたというよりも、自分のアンテナに引っかかったものに直感的に反応して行動に移してきました。具体的には、「インターネットが中心になる世界がこれから訪れる」と直感したときに、すぐさまパソコンを買うという行動をしたのです。
今でこそパソコンは普及していますが、当時パソコンを持っている人はほとんどいない時代でした。パソコンができることはまだまだ限られていたし、普通は会社の仕事で使うものであり、たいていの人は、「家に帰ってまでパソコンに触るなんて君も物好きだね」という評価だったのです。
ここで周りのネガティブな評価を真に受けていたら、「僕は間違っているのかな?」と自信がなくなっていたことでしょう。でも、ものごとは解釈次第、受け取り方次第であり、マネージャーに恵まれて幼少期のネガティブな
評価を徐々に乗り越えつつあった僕は、直感に従ってパソコンを使い続けました。
(中略)
僕は急にエンジニアとしてはポンコツでも、素人からしたら「テクノロジーに詳しい人」というポジションになっていることに気づいたのです。僕自身は変わっていないのに、時代が変わることで、僕のポジションが変化したわけです。
(中略)
直感にしたがってパソコンを買うという行動をしたことが、結局は大きな差となり、幼少期のネガティブな思い込みを完全に払しょくすることができたのでした。

P177-178 ネガティブな評価の影響力に気づく

僕がかつてパソコンを自分で触りはじめたのは、純粋な楽しみが理由でした。ただ、会社の「外」の友人の中にもパソコンをやりはじめる人がちらほらといて、そんな「外のものさし」を知ることが、インターネット時代の到来という「メタ思考」にもつながっているのかなと、今になって思います。
ここからいえるのは、複数のコミュニティに接点を持ち、いろいろな人たちと触れ合うことの大切さです。
自分ひとりで考えることの大切さはいうまでもありませんが、それを前提にしたうえで、いろいろな人たちに話を聞いて、「自分ができること/できないこと」「得意なこと/得意ではないこと」「好きなこと/好きではないこと」を把握していく。そんな幅広い視点を確保していると、自分自身のことを「メタ思考」しやすくなります。
(中略)
自分自身とともに、世の中にはいろいろな視点があることをしっかり認識し、いつもの人間関係の外へ出て、多くの人と知り合う姿勢がとても重要です。
僕は、以前は完璧主義者で、すべてを自分でやろうとする人間でしたが、ある時期を境に、「自分の視点だけでは立ち行かないぞ」と思いはじめました。そして、そんな自分をメタ思考できたからこそ、それぞれの専門家に積極的に相談できるようになったのです。
複数のコミュニティを往復しながら、新しい人間関係をつくり、自分の視野を広げていくことが、同時にメタ思考力を高めてくれるのです。

P180 複数のコミュニティを往復する

コミュニティでは、一人ひとりが「ギバー」の精神を発揮しなければなりません。
お互いに助け合って、補い合いながら、それぞれの役割分担が必然的にできあがっていくと、そのコミュニティはうまくいく。当初ボトルネックだった人も、きっと役割を与えてくれた人に感謝し、別のかたちでコミュニティに貢献しようと奮起してくれるでしょう。
他者ができなくて困っていることを見つけて、自分ができることをGIVEし、他者に貢献することで、人間関係はうまくまわっていくというわけです。

P185-186 互いに助け合い、補い合うからうまくいく

みなさんが職場やコミュニティで豊かな人間関係を築くために、具体的にできるシンプルなことがあります。
それは「他者をほめること」。
(中略)
ここですぐにできる、具体的に人をほめるトレーニングを紹介しておきましょう。
それは、ひとこと目で「いいですね!」と返すこと。
相手がなにをいおうと、ひとこと目から「あ、それはいいですね!」「それは素敵ですね!」と、まずポジティブワードですぐ返すというわけです。すると不思議なことに、それに続く「ほめポイント」を、頭が高速で探すように働きはじめます。普通は自分でいったポジティブワードを、ふたこと目で否定できません。そのため、瞬間的に相手のいいところを探しはじめるのです。

P188-190 「他者をほめる」という生存戦略

自分の得意なこと、好きなことを一人で考えていても、趣味くらいしか思いつかず、なかなか広がっていきません。
仕事以外のコミュニティで会話を重ねていくと、自分では気づかなかった得意なことや好きなことが少しずつ見えてくることもあります。
そして、「他者をほめる」は、お互いが気持ち良くなり、ポジティブな空気を生み出します。
結果、この章のタイトル「視野を広げる人間関係術」のとおり、参考になる章でした。


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