#398 澤円『メタ思考』読書アウトプット(第4章)

澤円さんの『メタ思考』のアウトプットの続き。第4章です。

第4章 新時代のマネジメント作法

マネージャー層は、経営層とプレイヤー層をつなぐ仕事なのです。
経営層が自社のビジネスを俯瞰して考える一方で、現場のプレイヤー層は自分の担当する製品やサービスの機能向上に集中しているため、どうしても俯瞰的な思考をする余裕を持ちづらくなります。
その経営層とプレイヤー層のつなぎ目となる部分で、双方の視点を持ち、その都度視点を切り替えながら、まるでプロの通訳のようにコミュニケーションして、事業を運用することができるかどうか。これがマネージャーの仕事の本質といえるでしょう。

P134-P137 マネージャーの本当の役割は「通訳」

プレイヤー層の視点からも考えていきましょう。プレイヤー層は、マネージャー層とは見ている視点が異なるため、マネージャーの考えを完全に理解して動いているプレイヤーはなかなかいないのが普通です。
そこでプレイヤーは、まず自分たちが「マネージャーの視点を完全に理解できていない」ということを知っておく、つまり、自分の視点をメタ思考しておくことが大切になります。
これができていると、ふだんからマネージャーに対して、「あなたが考えていることを教えてほしい」という姿勢で仕事をすることにつながります。当然マネージャーはその問いに答える説明責任があります。
もう少し具体的にいうと、プレイヤーは日々顧客と直接コミュニケーションして、顧客のリアルな実像に触れているわけですから、その解像度の高い世界像(顧客像)を、もっと積極的にマネージャーに伝えるといいでしょう。
(中略)
現場にある解像度の高い仕事に集中するだけでなく、マネージャー層が見ている世界について知ろうとする姿勢が、プレイヤーとしての視座を高めてくれるはずです。

P145-147 プレイヤー層の視座を高める問いかけの力

よくあるのが、ある問題で困っていたり、スキル不足で行き詰まったりしているメンバーに対して、「なんでできないの?」と問い詰めてしまうパターン。そもそも、なぜできないのかを説明できるなら困らないわけで・・・自分がそんな状態になった経験がなければ、その問題をメタ思考できないわけです。
(中略)
僕にいわせれば、感情論や精神論を述べるのは単なる情報不足です。本来、現場で何が起きているのか理解していなければ、有効なアドバイスはできないはずなのです。
(中略)
これはプレイヤーにもいえることですが、チームメンバーの誰かがうまくいっていないと感じたときは、「その人が見ている世界」を理解することが大切です。
もちろん、そのまま体験することはできないし、当人も「なにがうまくいっていないのか」をうまく表現できないことは多々あります。
それでも、その人の発言や行動の中に答えはあるので、それをあぶり出すための努力をすることが大事なのです。
(中略)
相手に合わせて膝を折り、視座を合わせるという思考・行動は、マネージャーが絶対に持っておきたいマインドセットだと思います。

P147-149 結果の出ないメンバーの視座を理解する

「わたしにはこう見えているのだけど、あなたにはどう見えている?」
こう問いかけて、お互いのあいだのギャップを理解していくことが、マネージャーがチームメンバーと対話するうえでとても大切です。
そして、相手の思考や行動を「受け入れること」も、マネージャーとして重要なポイントです。「だからおまえはダメなんだ」とダメ出しするのは誰にでもできます。そもそも相手とは視座が違うのだから、上から目線で評価をする前に、自分が相手の視座に立てているかどうかを顧みたほうがいいでしょう。

P150 マネージャーの職務はメンバーとの対話だけ

チームメンバーの失敗をどう扱うかという課題があります。
なんらかの意図があってわざと失敗したり、油断して力を抜いていたりしたのなら、当然ながら指摘しなければいけません。
でも、そうでない場合は、その失敗によって、「どんな学びがあったのか」を聞くことがとても重要です。どんな失敗にも必ず学びがありますから、それに気づかせてあげることが大切。
(中略)
すでに起きてしまったことは仕方ないわけなので、それを二度と起こさないために「なにがあったのか」「なにが必要だったのか」を明確にしていくマインドを持つことが必要なのです。

P153-155 失敗が再現されない環境をデザインする

この章は、マネジメントの話でした。
仕事をする上であるとよい視座の高さは、「マネージャー層が見ている世界について知ろうとする姿勢が、プレイヤーとしての視座を高めてくれるはず」と書かれているように日頃からの姿勢次第です。
相手に合わせて膝を折り、視座を合わせるという思考・行動は、マネージャーが絶対に持っておきたいマインドセット」、これは大事だと思います。自分の視座に合わせてくれるマネージャーがいたときには、すごく仕事がやりやすいと同時に、感謝の気持ちも沸いて、そのマネージャーのためにも頑張ろうというモチベーションが上がりました。
「失敗が再現されない環境をデザインする」というのもマネージャーの大事な役割として参考になりました。


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