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ままならない、と言ってしまうか

2023年1月1日、私は体がだるかった。2022年の年末に手術をして退院、お医者さんに安静にしてくださいと言われていた。
ニューイヤー駅伝をうとうとしながら見て、近所の神社へ初詣へ行き、スーパーで食材を買い込んで帰宅。時間にしておそらく40分程度。家に着いたとたんに、去年1日中外出していた時よりも、ひどい疲労感がやってきた。ぐったりして布団に倒れこんだ。
つらい、あまりにも辛すぎる。ままならない2023年が始まった。

2023年の1月、さとゆみライティングゼミの受講が始まった。「書く仕事がしたい」そう思って受講した。文章を書くのは好きだった。だから仕事にしたいと思っていたし、ある程度はできるんじゃないか、そうも思っていた。
でも、そんなちっちゃいプライドはぺしゃんこになった。みんな、あんなにかけてうらやましい、自分にない良さが同期全員にある。私、ただ好きなだけで、全然文章の書き方知らない。私、もしかしたらライター向いていないのかもしれない。
「学ぶって、そういうことだよ」
プライドがぺしゃんこになったとき、先輩に言われた一言で、立ち直れた。そうだ、書くことを学びたいから、私はゼミの受講をしたんだった。
ままならない私が、少し前に向けた。

日々はあっという間に過ぎていく。手術の傷跡は痛むし、微熱が連日出ることもあったし、ままならないことばかり続いた。
自炊にチャレンジしては、作り過ぎたり、美味しくできなかったり。本屋へ入る度に、家に積読の山はどんどん積み重なるし、肩こりはマッサージしても鍼打ってもらっても、月一じゃまた元通り。パーソナルトレーニングも続けているけど、相変わらず駅の階段を駆け上がると息が上がる。
ああ、ままならない。

今年は、「できたことができなくなる」「できると思ったことが、そこまでできなかった」そんなことが続いていた。人間ひとりじゃ生きていけない。そんなよくあるセリフが、じわじわと私の心に棲みついた。そう、私はひとりで生きられない。自分の足で、しっかり立っていると思っていても、足はぼろぼろで、誰かがひっそり支えてくれているのだ。
それに気づいたとき、私は泣いていた。
何気ない一言をかけられて、谷底にいた自分は這い上がってこれる。文章を読んで、感想をくれたら、有頂天になれる。頼ってくれる人がいるから、自分は両足で立つことができる。前を向ける時は、自分ひとりじゃなくて、誰かの存在があった。
ままならないけど、それが生きていることなのかもしれない。

今年最後の日は、咳が止まらない。風邪でも引いたのかもしれない。最後の最後まで、本当にままならない。
ままならない私は、ずっとままならない人生なのか?
けど、そんなことで落ち込んでいる暇はない。私にはまだまだやりたいことがある。書きたい。誰かを文章で救いたい。もっとすごい景色が見たい。
来年の私は、ままならないまま強くなる。
いつか、ままならない自分を笑えるようにする。
そうやって私は、前を向いて生きていく。

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