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さよなら奇形腫

2022年12月最後の一週間、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私は何をしていたかというと、入院していました。
ということで、思ったことなどを記録しておこうと思います。

※医学の知識はない、個人の感想です。ご了承ください。

奇形腫ってなに

タイトルにも書きましたが、卵巣に奇形腫というものが見つかりました。
(なんか正式な名前言われた気がしたけど忘れました)
簡単に言うと、卵巣の中で細胞分裂が起きて、髪の毛や脂肪などが卵巣の中にたまっている状態です。

奇形腫は細胞分裂したものがどんどんたまっていくので、卵巣が腫瘍のせいで大きくなるそうです。
卵巣は、通常はだいたい2~3センチくらいの大きさだそうです。
しかし、卵巣の奇形腫により、卵巣の大きさが5センチ以上になると、手術で摘出されることを勧められます。
手術を勧められる理由としては、大きくなりすぎると、卵巣が捻転して、そのまま放置すると、卵巣が破裂するから、などと言われているからだそうです。

ちなみに、私は検査してもらった結果、7センチでした。
そら手術勧められるわ……。と思わず白目をむきたくなる気持ちでした。

ちなみに、卵巣の奇形腫って、なぜ発症するのかの原因がわかっていないそうです。
また、発症するのは20~30代の女性に多いらしく、発症する確率も、「まあまあ、あること」らしいです。
(お医者さんが、まあ、このくらいの年代の女性には、あることなんで…って言ってましたが、私は初耳でしたよ。)

医学がこれだけ進化して、「よくあること」でも、原因がわからないことってあるんだなあ、と思いました。
人体って不思議ですね。って、病院から帰りながら思ってたなあ。

なんで見つかったの

卵巣の奇形腫を発見したきっかけは、婦人科を受診したことです。
なんで受診したかというと、生理痛が重いからでした。

生理痛重い方だなと、なんとなく自覚症状はありましたが、なかなか婦人科に行くまでに至らず、29歳まで過ごしておりました。
ちゃんと受診しよう、と思ったのは、専門的な知識のある知人にご相談したのがきっかけでした。

今思えば、生理痛が重い方なんじゃないかな~とはっきり自覚したのは、20代後半からだったような気がします。
でもよく考えると、高校生の時から、半分お守り状態で痛み止め持ってたし、20代前半からは、痛み止めを飲んで仕事するのが普通でしたね。

20代後半になるまで、みんなこのくらいの症状があって、私の状態も普通なんだろうなって思ってました。
よく、生理痛関係のことを調べてると、「みんなもこのくらいだろうし」みたいな、我慢系の話出てきますが、振り返ってみると、私もそうだったなあといま気づきました。
生理痛とか婦人科系って、簡単に比較ができないから、そういう我慢とか、認知のずれみたいなものが生じるんだろうなあ、と思いますね。

かくいう私も、20代後半になると、職場の女性だったり、周りの友人と、いろんな話をする機会も増えて、「私ってもしかして、生理痛が重い方なの?」と自覚しました。
(20代前半に働いていた職場は、男性ばっかりで、そういう話できるわけがなかったもんなあと、ここまで書いていて気づきました)

こうやって振り返ると、こういう、人に話にくいことを相談できる知人ができて、しかも親身にお話してくださって、受診まで行けたのは、感謝しかないです。
あの時、婦人科受診を勧めてもらってなかったら、今もきっと、ほったらかしてたと思うし。

検査について①婦人科

ということで、近所の婦人科に行ってまいりました。
「生理痛が重いんで、漢方薬やピルか処方してもらえれば…」
とお医者さんにお伝えして、診察をしてもらいました。

ここで検査してもらったのは、生理痛が重い、という主訴に合わせて、問診とか、エコー検査(膣の中をエコーで見るやつ)をやってもらいました。
(あと、子宮頸がん検診もついでにやろっか!って感じでやってもらいました。)

そこで、ついに言われます。
「あれ、卵巣腫れてますね……」

ここでお医者さんに言われたのは、
・卵巣が腫れているのは確実。
・ピルの処方をする前に、卵巣の腫れについてきちんと診断して治したい。
・MRI検査でしっかり大きさや状態を確認したい。
・大きさによっては、手術を考える必要もあるかも。
・生理痛については、痛み止めと漢方処方するので、様子を見ましょう。

あれ、私、生理痛だけ治ればと思ったのに、話が大きくなっているぞ???と思っていた婦人科初診。
正直、このあたりから、心中穏やかではなかった気もします。
改善すると思ったことは治せず、しかも自分の予想していなかった症状を指摘され、ダブルパンチを食らったような日でした。

検査について②MRI検査&結果

ここで、人生初めてのMRI検査をします。
私が受診した婦人科では、MRI検査の機能はないとのことで、連携している病院の予約をしてもらって、検査だけしに行ってきました。

MRI検査について、いろいろ調べてたけど、割と怖い情報が多くて、震えていた記憶が……。

検査自体は、横になってひたすら機械の中で、ぐわんぐわん音を聞きながら待ってる感じでした。
より精密に撮れるようにということで、造影剤を使用してたので、注射みたいなものはしてました。
音が大きいからヘッドホンして音楽流れてました。クラシックだったかな。

余談ですが、検査まもなく終わります、とか、検査技師さんのアナウンスが、音楽流れてくるヘッドホンから聞こえてきて、耳栓だけの機能じゃないんだ!便利!って思ってました。

MRI検査が終わり、検査結果を聞きに最初の婦人科へ。
お医者さんからここで、腫瘍が7センチあること、手術をした方がよいことなどを説明されました。

また、ここで言われたのは、ピルの処方をすると、手術ができなくなるので、先に手術をして終わってから、ピルの処方などを検討しましょうとのこと。
ここの因果関係を聞きそびれちゃったけど、まあそういうこともあるか、と納得していたし、そもそも手術する必要があるっていう時点で細かいこと吹っ飛んでたし、なんかもうメンタル震えてましたね。

そんなこんなで、お医者さんから、手術の必要があるので、大学病院の紹介状を書くから、そこで話詳しく聞いてきてね!
手術するしないとかいきなり言われてびっくりしただろうから、先生のお話聞いて、そこで判断してね!と言ってもらいました。

この時点では、手術するっていうのが、自分の中では確定していなかったですね。
メンタル震えてたけど、心のどこかで、手術しなくても、なんとかなる術があるのでは……と思ったりしてました。

別にお医者さんのことを疑ってたわけじゃなくて、自分の身に、そんな大事が降りかかっているという事実が、まだ受け入れられていなかったのに近かった感じですね。

検査について③大学病院

紹介状をいただき、大学病院の予約を取って受診してきました。
ここで細かく説明してもらいました。
最初に書いたので、ここで新たに知って衝撃を受けたことだけ。

生理痛が重いことと、卵巣の腫瘍は関係ないそうです。
……うそやん。
簡単に言うと、生理痛は子宮に原因があるので、卵巣にある腫瘍は関係ないよ。ということらしいです。
これ聞いた時に、私は一体いつになったら楽になるんだ、と思ったことはよく覚えてます。

あと、これは私個人の話ですが、自分で目視ができるくらい、腫れ上がってたり、しなかったりと、子宮とか卵巣に違和感があったんですよ。
(これ思えばずっと昔からだし、本当になんで病院行かなかったんだろうね)
でも、これがずっと右側に起きていて、7センチ腫瘍があると言われたのは左側でした。

これもお医者さんになんでですか?と聞いたら、
腫瘍が大きくなりすぎて、腸などの臓器が、正しい位置にいられなくなって、押し出されていたのかも。とのことでした。
いや、これも怖いわ。
あと、この辺で言われたのは、卵巣が大きくなりすぎて、腫瘍がほかの臓器と癒着したりする危険もあるので、ほったらかしとくと危ないよ。ということでした。

まあ、そんなこんなで、自分の中で、今までの謎が解けたり、自分の今の不調や違和感を解消するためには、手術が必要なんだ。
と、納得ができたので、手術受けることにしました。

手術について

手術は、腹腔鏡手術というやつでした。
お腹に小さい傷を開いて、そこからカメラとか器具を入れて、腫瘍を取り出す、という方法です。
比較的、傷も小さく済む手術方法で、審美的にも採用されることが多いそうです。

手術前日から入院して、準備をして、翌日に手術という流れでした。
前日は、ほぼ通常通り生活をして、翌日朝からご飯抜き、浣腸をして手術に挑みました。
浣腸は本当にしんどかったですね。

手術は全身麻酔をするので、気づいたら終わってた感じでした。
麻酔をかけられて、意識がなくなって、次に意識が戻った時は、名前を呼ばれて「終わりましたよ!」と言われていました。
ちなみに、手術は2時間くらいかかったそうです。

これは本当にびっくりしましたね。
麻酔ってこんなに効果あるんだ、とか、意識が戻ってきた途端に感じる体の違和感とか、今まで味わったことない感覚でした。

これは余談ですが、友人に、全身麻酔のあとって寒気がすごい、と教わったのですが、私は、手術直後は熱あるのかと思うくらい熱かったですね。
これ個人差あるのかしら。

手術後について

ここからが本当に大変でした!
手術当日はひたすら横になり、1時間ごとに体温測定と血圧測定。
定期的に看護師さんが点滴を変えてくれたり、様態の変化とかを確認されました。
当日、ずっと横になっている分には、痛みはほとんどなかったです。
まあ、寝てるか看護師さんの質問に答えるくらいで、消耗することがなかったからかもしれませんが。
(多分痛みとかは個人差あるかと思います)

そして手術翌日、手術後、初めて立ち上がる瞬間。
これが本当にしんどかった。死ぬかと思った。
点滴の棒を杖のようにして、ようやく病室近くのお手洗いまで行き、
吐き気がすごくて、用もたせずに気持ち悪くなって、そのままベットへ戻りました。

ベットに戻って落ち着いてから、再び立ち上がってやっと一人で動けるようになりました。
多分このあたりで尿管外してもらったはず。

手術後2日間くらいは、
起き上がるのがつらい、歩くのがしんどい、傷口が痛い、くしゃみや咳がつらい、みたいな感じでした。
お医者さんに「手術後3日後になると、嘘みたいに楽になりますよ」って言われたけど、絶対嘘だろって思うくらいにはしんどかったです。

そして噂の手術後3日目。本当に楽になりました。
……言われた通り過ぎて、逆に認めたくなかった気持ちもあるくらい。

楽になった、というより、
・起き上がる、歩く、などの動作の時のだるさが軽減された、
・歩くときに点滴の棒がなくても大丈夫になった、
・傷口痛いのも、耐えられるくらいになった。
みたいな感覚でした。

手術後3日目、お医者さんの問診と血液検査があり、
異常が見られなかったので、翌日の退院を認めていただきました。
やったね!

お医者さんの問診で、手術の工程とか、写真も見せてもらいながら説明してもらいました。
腹腔鏡手術は、臓器をお医者さんが目視で確認するので、確認できた腫瘍はすべて取り除いてくれたそうです。
ちなみに、検査の段階では、腫瘍は左側だけでしたが、右側の卵巣にも2~3センチの腫瘍があったので一緒に取りました。とのことでした。
そんなおまけみたいに腫瘍取ることある???って思いましたが、これも手術しなかったら、気づかなかったんだなあ、と思うとぞっとしますね。

腫瘍についても説明してもらいましたが、私の腫瘍は髪の毛や、脂肪がたまっていたそうです。
(人によっては、骨や歯があったりするらしいです)
お医者さん曰く、腫瘍の中にたまっていた髪の毛の量が多く、摘出するときに、傷が広がったとのことでした。
3センチの傷が、4センチくらいに広がったそうです。

また、手術後にお医者さんに言われたこととしては、
・現状では、確認できないレベルの小さな腫瘍がある場合、大きくなるかもしれない。(再発リスク)
・腫瘍が大きいと、周りの臓器に影響があるので、お通じがよくなる場合もある
・腫瘍が子宮に影響を及ぼしていた場合、生理痛が軽くなる場合もある
・ピルの処方は、今後の生理が起きてから、1~2回は様子を見てから判断しましょう

まあ、また色々びっくりしました。
腹痛持ちの私としては、腹痛の原因ここにもあったのでは…?と思わざる得なかったですね。

思ったこと、伝えたいこと

まず、病院行って良かったということ。
検査をしなければ気づかなったこと、知らなかったことがたくさんありました。

婦人科を受診することのハードルは、結構高いと私は思っています。

私も受診するまでに、だいぶ時間ときっかけが必要でしたが、
行ったらもう、こっちのもんです(?)
もし、検査して問題ないと言われればオッケーだし、問題あったら対処をすればよいだけなので、得体の知れない不安を抱えているよりは、精神的な安心面は確保できる気はします。

あとは、婦人科系で一番不安を抱えるポイントとして、妊娠出産できるのか?みたいなところについても言及しておきます。
私が発症した腫瘍については、腫瘍の部分を取り除くだけなので、妊娠ができなくなる、というわけではないそうです。

私は元々、絶対に自分の子供が欲しい!とか思っているわけではないですが、卵巣に腫瘍があると言われた時は、さすがに色々考えました。
子供が欲しいと、今後思った時にどうするんだろうとか、自分のライフプラン的な側面もですが、
なんとなく「女性である」という一つのアイデンティティの中に、女性にしかない身体の部位って関連があるのではないか?とかまで考えました。
(この辺りは、私の性についての認知とかも関わってる気がするので、細かく書きませんが)

これは男女問わずかもしれませんが、こういう話をするときは、相手への配慮が必要だなあと思いました。
わりとセンシティブな内容なので、話をする側もそうですが、話をされた時に、どう受け取って相手に返すか、みたいなところは慎重にした方が良い気がします。

さいごに

これを、全世界に公開される媒体に書くことは、少し悩んだのですが、
自分の身に起こったことを記録として残しておきたいと思ったのと、
このの経験が、誰かの何かの役に立てばいいなと思ったのでnoteへしたためました。

医学的なことは、専門的な知識を持った方に聞くのが一番です。
私はあくまでも自分の体験談として記載させていただきました。


私の2022年は、こんな感じで、心も体も負荷がかかった出来事がありました。
嫌なものは、2022年に置いてこれたので、2023年からまた元気に生きていこうと思います。

さて、年越しそばでも食べますか。


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