見出し画像

ポンコツストーリー14 -ポンコツ流仕事術その2-

前回に引き続き、ポンコツ流の仕事術を書いてみる。
もちろん、何一つためになる情報はないと思われるので、ビジネスで成功したい!上を目指したい!という熱い思いから仕事術を探している方は別の記事を読むことをお勧めする。

内容はややぼかすが、不動産管理会社でクレーマー対応をしていた時の話だ。
これまでの記事を読んでこられた方は何となくお気づきかと思うが、私は自他共に認めるほどのらりくらりと物事をかわすのが得意なタイプのポンコツだ。
あえて空気を読まないことも多いが、意外と空気を読めて相手が何を求めているのか分かったりする。
その能力を買われ、クレーム対応にはしばしば駆り出されていた。
大抵は、数回クレーマーと話し、相手の不満と要求、そしてこちらの契約内容をすり合わせつつ、妥協点を見つけていくという事で解決できる。

この度は、相当なクレーマーがいるマンションで話し合いだけでは中々折り合いがつかなかったとの事で、私が管理人として一時的に常駐して落としどころを見つけるというものだ。
ここ最近では、クレームがエスカレートし、どんなに良い管理人を入れても長くて一週間でクビにさせられるレベルとの事。
クレーマーの末期症状だ。
私は最終兵器として送り込まれ、これでダメなら違約金などを払ってもその物件と契約を打ち切る方向で物事を進めるというのが会社の方針であった。

マンションの管理人の仕事というのは多岐にわたる。
物件の掃除、設備全体の点検、住民からの様々な要望に応えるなどなど。
クレーム情報はすでに潤沢にそろっており、分析してみると、事の発端は掃除への不満のようだ。
とはいえ、相手の要求通り全部をやると後々自分たちの首を絞めることになるため、以前と同じ労力、同じ作業時間で、見栄え良く整える方法を模索する。
しっかりやるところと手を抜くところ、緩急をつけて仕事できる私は比較的優秀なポンコツだと思っている。

最初は、ここを掃除しろ、次はここ、ここが汚れているなどなど、かなり当たりの強いクレーマーであったが、日を追うごとに当たりが柔らかくなってくる。
前の管理人や担当者の愚痴なども聞かされたりするようになる。
かなり盛っているのか、感情的になっているのかそれなりに毒の強い話ではあったが、私は基本的に人の話を真剣に聞かない能力の持ち主でもある。
聞いているフリをしながら「お昼何食べようかな」とか考えているので、毒が強い話でもあまり影響を受けずに聞き流せるのだ。

そんな感じで、しばらくはクレームを一定のレベルで抑えることが出来ていたのだが、やはり掃除のときは私の作業を常にどこかから監視している気配を感じ取っていた。
それが一番のストレスであったが、大体何時くらいに、どこから監視しているか想像がつくようになった。
先ほども書いたが、優秀なポンコツ様なので、しっかりやるところと手を抜くところ、緩急をつけて仕事できるのだ。
見られていると思われる場所では、しっかりとやっている「風」に掃除する。
死角に入る時は、ここぞとばかりに火星人ごっこを始める。

火星人ごっこ!?

そう、火星人ごっこだ。
疑問に思われた方も多いだろう。
いい歳した大人が、取引先であり、職場でもあるマンションで突然火星人になるのだ。
右手にほうき、左手にちりとりを持ち、それらをあたかも触手のブラブラさせ、足も触手の一部のようにグニャグニャさせながら歩き始めるのだ。
もちろん、首もグニャグニャだ。

ただのおかしな人である。

クレーマーでなくてもクレームどころか通報したくなるレベルだが、幸い誰からも通報されなかった。

ストレスがたまると、日常とは違う動きをすることでストレスに対処できるのだ。
火星人が管理人を務めるマンションはその後しばらくは平和になったが、いつまでも私が常駐するわけにもいかず、別の人にとなった時に問題が再燃し、結局会社として契約を切ることになった。

ちなみに、私は自分でストレスに弱い人間だと思っており、「ストレスたまり過ぎてうつ病になる」「ちょっと気分転換しないと」と常日頃から思う人間なのだが、妻曰く「そんなにしょっちゅう、しかも自主的に気分転換できる人はうつ病にはなりません」と毎回諭される。

少し調べてみたところ、うつ病の予防として「適度な運動を続けることで、セロトニンが分泌され、心の安定を図れるためうつ病の改善や予防できる可能性が示唆されています。」という情報を見つけた。

私は、自然にうつ病予防策を講じていたらしい。
中々、優秀なポンコツである。

サポートしていただけたらその資金を元に記事になりそうな場所に行ったり、物を購入したりという事に使用して記事にフィードバックする事を誓うのでお願いします٩(◜ᴗ◝ )۶