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わたしは猫語がわかる

2014年の夏、我が家に1匹のニャンコがやってきました。

名前を、なる、といいます。
長崎の五島列島での日常をつづった漫画、「ばらかもん」が好きで、その登場人物の名前から取りました。本人、ならぬ本ニャンは、漫画のなるちゃんと違って男の子ですが、なるちゃんに負けず劣らず元気いっぱいに大きくなりました。今年で漫画のなるちゃんと同い年、6歳になります。

元々は、知り合いが住んでいるマンションの入り口付近で、兄弟と思しき猫と2匹、ダンボールに入れて捨てられていたそうです。まだ手乗りサイズの、ほんの子猫だった頃です。
そのマンションはペット禁止だそうですが、あまりに可哀想だというのでこっそり保護され、そのころにわかにペットを飼いたい欲が高まっていたうちの母にお声がかかり、ほどなくしてなるがうちにやってきたというわけです。ちなみに、一緒に捨てられていたもう1匹は今も秘密裏に知り合いのお宅で飼われています。

ところで、なるがうちにきて今年で6年になりますが、わたしはなるの言葉が分かります。他の家のニャンコのことは分からないですが、少なくともうちのニャンコに関しては、今どんな気持ちか鳴き声からなんとなく想像がつきます。

例えば、ご飯の時はここぞとばかりに甘え声を出して「ニャァーン」とすり寄ってきます。頭をごしごし撫ですぎたり、からかったりすると「ニャッ!」とちょっと低めの声で短めに鳴き、ぽふっと猫パンチ付きで反抗されます。「ウニャ〜ン」といいながら家の中を猛スピードで走り回っているのは、そろそろトイレに行きたいサインです。
あと、部屋に入っていたずらされては困るので自室のドアは閉めるようにしていますが、部屋でくつろいでいると、時たま「ゥニャオーン、ゥニャオーン」と喉で響かせるような、不思議な声が外から聞こえます。これは、ドアを開けて、の意です。お望みどおりドアをちょこっと開けてあげると、隙間から顔を覗かせて「ニャ〜ン(ありがと)」とひと鳴きしてから部屋に入ってきます。放っておくと、ひとしきり部屋のものの匂いを嗅ぎ、また自分の匂いをつけてから(マーキング)、私の足の上でフーフーと寝息を立てて寝ます。

ちなみに、猫語翻訳アプリなるものを使ってなると会話しようと試みたこともありますが、あえなく失敗に終わりました。アプリを介して「おはよう」とか「人間の言葉が分かりますか」とか話しかけても目をパチパチさせるばかりで、なんのレスポンスもありませんでした。(そのわりに、「ごはん」とか「めし」とか言うと、どこにいても、何をしていても、一目散で足元にすり寄ってきます。)

わたしはなるの言葉が分かると同期に話したら、それはないだろうと一蹴されたことがあります。でも、分かるものは分かるのです。全国のニャンコの飼い主が「うちの子が1番かわいい」と揺らぎない自信を持っているのと同じで、わたしもなるの言葉が分かると信じています。本ニャン的にどう思っているのかは、分かりませんが。

そんな折に、「猫語の教科書」なる衝撃のタイトルの本を見つけました。(https://www.amazon.co.jp/猫語の教科書-ちくま文庫-ポール-ギャリコ/dp/4480034404
あらすじを読むと、本書は人間が猫の言葉を解すための教科書ではなく、快適な生活を確保するために猫が人間をしつけるための、猫による、猫のための本なんだとか。まだ読んだことがないのですが、今週はまだあと1日お休みもあることですし、本屋で探してみようかなと思います。

今日は天気が良いので窓辺で日光に当たりながらこの記事を書いていたのですが、はじめは足元で一緒にひなたぼっこしてたのに、もうどこかに行ってしまいました。きっと今頃お気に入りのベッドでゲフゲフ寝息を立てて寝ているのでしょう。やっぱり猫は気まぐれですね。

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