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2023/1/10 日本の安全保障①中国編

2023年、日本の安全保障環境を簡単に個人的にまとめてみました。
まずは中国編です。

① 日本は狙われている

 近年の中国共産党の動向、特に2022年のロシアのウクライナ侵攻を見れば明解であるように、国際法を無視し、自分ルールを勝手に押し付ける共産主義国家に日本は囲まれており、隣国との戦力の拮抗は必須です。

 防衛費の増大に関しては国民の理解を概ね得ていると言えるのでないでしょうか。(防衛増税はもちろん国民の理解を得られていませんが、、、)
 これまで防衛費はGDPの約1%(約5.4兆円)という昔からの合意のもとで行ってきましたが、2027年までにNATO加盟国の標準的水準の2%(約11兆円)まで引き上げる事となりました。

 以前は、北朝鮮だけをマークしているだけで良かったというのが共通認識でしたが、中国、ロシアともに、日本の領土を狙っているのは明白であります。攻め込まれない為の防衛力の強化が必須であります。

主要国の防衛費 防衛省HP

② 自衛隊は命を懸けてくれるのか?

 防衛費の増大が必須なのは、個人的にはまず、自衛隊の待遇面の改善が必要だからであると考えます。生活備品、電気代等はすべて自腹、労働環境はとても酷いと言われております。最前線に出て、命を懸ける対価として釣り合っているのでしょうか?自衛隊について詳しく紹介している小笠原理恵さんのツイッターを紹介しておきます。

https://twitter.com/RieOgaWEB?s=20&t=MT6ZIGPC3CDGO8kCSAWCjA

 また、以前は箸にも棒にも掛からなかった「敵基地攻撃能力の配備」においても「戦争に対する抑止力」として理解をされるようになってきたと思われます。

 そして「集団的自衛権の具体的明記」「自国防衛の為の軍隊の保有」を明確にする、憲法9条の改正が「出来る絶妙なタイミング」ではないでしょうか。憲法改正は故安倍晋三元総理の悲願でした。


③ 中国はなぜ海洋進出をし始めたか?

 19世紀から20世紀にかけて、世界の覇権を握った国はイギリスでした。覇権を握る事の出来た最大の理由は、海洋進出により地政学でいう要衝を制覇したからであります。

 特に船の通りが多い運河や海峡は、海洋国家にとって地政学上「チョークポイント」と呼ばれ、敵国の船の通行を制御し物流を止めることにより、文字通り敵国の「首を絞める」事が出来ます。

 大戦中のイギリスは「スエズ運河」「マラッカ海峡」など重要チョークポイントを抑え、また、地中海の入口、出口として有名な「ジブラルタル海峡」は今でもイギリスが実効支配しております。

 東シナ海、南シナ海は東南アジア諸国にとって重要なシーレーン(通商航路)であり、南沙諸島も中国の実効支配が現実になってしまえば、日本は中国による物流停止制裁に成す術が無くなり、特に日本の原油輸入はほぼ中東からであるため、経済活動が不能に陥る危険もあります。
 また、有事に使用する下記図の「ロンボック、マカッサル海峡」迂回ルートは2,000km程航路が長くなり、相当な経費(1日あたり約400万円)がかさみ、日本のガソリン価格と経済に大きな影響をもたらす事は間違いありません。

 2021年スエズ運河でタンカーの座礁が一週間あり、物流が止まり、世界のサプライチェーンに大きな打撃を与えたのは記憶に新しいと思います。

福島県石油商業組合 日本のシーレーン

④ 台湾、中国の核心的利益

 中国共産党習近平国家主席が進める国家戦略の構想の中には、台湾と尖閣が中国の領土として既に織り込まれています。台湾は地名であり正式には「中華民国」(中国国民党)であり、第二次世界大戦後に中国共産党との中国大陸の内戦に破れ台湾へと逃れてきたのが始まりです。

 1971年までは「中華民国」が国連の国家承認を得ておりましたが、「中華人民共和国」(中国共産党)の社会的影響度が高くなり、中国国家代表として「中華人民共和国」へと国際承認が切り替わりました。

 日本や米国も実は台湾を国家として正式に承認はしておらず、台湾はこれほど繁栄し、政府もあるのに実に曖昧な状態であります。中国の見解は「ひとつの中国」とあるように、台湾は中国の地方自治体であるとしています。

 まず、台湾侵攻の理由として、中国国民党を解散させ、悲願である中国共産党による中華統一の成就があげられます。世界大手の半導体製造会社、台湾積体電路製造(TSMC)の技術を取り込むのも一つの理由でしょう。地政学で見る台湾とはどういった位置づけになるのでしょうか。

 台湾は、玉山(3,952m)を始めとして多くの富士山級の高さの山が聳え立っております。そこに多くのの軍事アンテナを建てる事により米国との情報戦では相当有利になることでしょう。また、東海岸側はすぐに深海となっており、大型戦艦や大型潜水艦の配備が可能となり、米国軍を牽制、太平洋に進出する海軍基地に向いている地理的条件だと言えるでしょう。

 「台湾有事は日本有事」と故安倍晋三元総理が仰っていましたが、台湾が中国に実行支配され軍事基地化されてしまえば、台湾周辺の海上が「チョークポイント」となり経済と安全保障面で日本が危機的な状況になるのは間違いないでしょう。

参照 Google Earth

⑤ 尖閣諸島

 日本の領土問題で重要な指標は、第二次世界大戦後の国際法であるサンフランシスコ講和条約で日本領土から外された領土ではないか?という事でしょう。尖閣はもちろん、竹島も日本の領土から外されておりません。北方四島も国際法上は日本領土です。
 
 尖閣が中国にとっての核心的利益と言えるのは排他的経済水域(EEZ)の拡大と眠っている地下資源であると考えられます。尖閣諸島周辺はカツオの好魚場であり、また、多くの原油が眠っていると言われており、中国はそれを狙っております。

 十数年前にYouTubeで話題になった「尖閣諸島中国漁船衝突事件」で中国政府は釣魚島(尖閣諸島)は中国固有の領土という根拠を元として「日本が悪い」と押し切られた事件が思い出されます。また、中国の安価なレアアースの日本輸出を1年程差し止めされたと言われております。

 当時の民主党政権は中国に配慮し「刺激しない」策を採用したが、あの共産党の志位代表でさえ「日本の領海で、外国漁船の不法な操業を海上保安庁が取り締まるのは当然」と述べています。
 参照 尖閣諸島中国漁船衝突事件 Wikipedia
 
 また、当時の石原慎太郎都知事は「中国のやっていることは理不尽で、やくざがやっていることと同じ」と述べております。また、船長が釈放された日の記者会見では、「パンダをもらって尖閣をやるのか」と政府の対応を非難した。また、「衝突時のビデオを公表するべき」と主張しました。
参照 尖閣諸島中国漁船衝突事件 Wikipedia

 当時、石原慎太郎都知事が「尖閣を東京都で買う」と言っていらっしゃいましたが、今考えれば、ぜひ実行して欲しかったと思います。また、これくらい気概のある政治家はもう出てこないだろうと思います。


⑥ まとめ

● 日本はあらゆる方法で中国に狙われている、自国は自国戦力で守らねばならない。防衛費は他国より少なく、増大は必須。
● 「尖閣は日本の領土」「台湾有事は日本有事」、石原慎太郎氏、安倍晋三氏、偉大な故人の教訓を生かさねばならない。
● 中国依存の経済活動からの早期脱却を政府主導で進める。有事には中国現地企業従業員が人質となる可能性がある。

次回はロシア、北朝鮮の予定です。




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