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【HSS型HSP】かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方

今回は「かくれ繊細さんのやりたいことの見つけ方」という本を読んだ感想を紹介していきます。

手に取ったきっかけ

まず始めに私がこの本を読もうと思ったわけをお話しします。

私は長い間やりたいこと、好きなことがないことをコンプレックスに感じていました。
将来の夢の作文を書くとき、自己紹介で趣味を言わなければいけないとき、受験や就活のとき、思い返せば好きなことがないということで困った経験がたくさんあります。

そこで、やりたいことや好きなことを探したいと思い、書店に自己分析の本を探しに行ったところこの本に出会いました。

この本は、「かくれ繊細さん」=HSS型HSPについて書かれた本です。

私はHSPという言葉は知っており、職場での居心地の悪さからもしかして当てはまるかも、、と思い少し調べたことはありました。
しかし当てはまる記述もありましたが、完全にしっくり来る感じはありませんでした。

そんな中この本をペラペラめくっていると、少し目を通しただけで自分のことを言われているのでは?と思うような文が目に入ってきました。
そこで、私の生きづらさの正体はこれになのかもしれないと強く思い、この本の購入を決意しました。

HSS型HSPとは

HSS型HSPとは、HSPが持つ共感能力が高く繊細で傷つきやすい側面と、HSS特有の外向性、積極性、好奇心旺盛さといった一見相反している性質を兼ね備えている人のことです。

具体的には以下のような特性があるようです。

・誰かに喜んでもらえるなら、自分の気持ちは抑え込む
・割と何でもできるが、すぐに飽きて継続することができない
・人に指示されるのが嫌
・中途半端な自分に自信が持てない
・なにをやりたいのか分からない
・本心を話すことに抵抗があり、話すと涙が出てくる

、、私のことだと思いました。
書いてあることが驚くほど当てはまるのです。

本を読んでみて感じたこと

①やりたいことは「やりたいこと」でいい

私はこれまでずっとやりたいことがないと思っていました。

でも、それは正確に言うと、お金が稼げて、周りからも認められて、自分が得意で、誰かの役に立って、現実的に仕事になるような「やりたいこと」という意味だったのかもしれません。

・やりたいことはすごくなくていい
・やりたいことは仕事にならなくてもいい
・やりたいことは目的がなくてもいい
・やりたいことはどんどん変わってもいい

このような記述を読んで、一見当たり前に思えるこれらのことが自分の認識の中から抜け落ちていたような気がしたのです。

私は確かに今の段階では直接お金になるようなスキルや、生涯かけて関わっていきたいと思うようなことは見つけられていません。

でもそれで自分は何もやりたいことがないんだ、、と悲観的にならなくてもいい気がしてきました。
よく考えてみると、このnoteを書くことも、成城石井のお気に入りのチーズケーキを食べることも、今度初めてスノボをすることも全部私のやりたいことなのです。

そう考えると自分はやりたいことが見つけられない人間なんだという苦しみから少し解放されたような気がしました。

このような一種の認知のゆがみのようなものは、HSS型HSPの特性の一つのようです。

特に共感したことは、
やりたいことができるのは一部の才能のある人だけだと思う
トップに立てないのならやっても無駄だと思う
などといった特性です。

これには思い当たる節がいくつもあります。

例えば、私が中学生だった時の話です。
私は規模の小さな学校に通っていたこともあり、学校の成績は常にトップだったので自分の頭の良さには自信がありました。
しかし、高校受験に失敗したことをきっかけに、自分が井の中の蛙であったことを知るのです。

このような話はよくあることだと思うのですが、私はそこで一番になれないなら勉強しても意味がないと思い、中学生までやる気があった勉強を一切しなくなってしまいました。

高校受験に失敗しただけでこれから巻き返すチャンスはあったのに、勉強することからも自分の人生をしっかり考えることからも逃げてしまっていました。

しかし、一番になれなくても、すごい人になれなくてもやりたいことをやることはできる。
だって、やりたいことはただのやりたいことなのだから。

このような思考の選択肢ができたことは、私にとってとても肩の力がスッと抜けたような気持ちになりました。

②自分の気持ちを口に出す事への抵抗感

次に感じたことは、私は自分の気持ちを口に出すことが苦手だということです。

私は昔から、自分の気持ちを話すときに必要以上に相手にどう思われているかを考えてしまう特性があると思っています。

私が今思いついた気持ちが言えなかった経験をいくつか羅列してみます。

・親や友達と出かけていて、どこでご飯を食べるか決めるとき
・好きな歌や映画、芸能人を聞かれたとき
・三者面談で行きたい学校を聞かれたとき
・親に服を買ってもらうとき
・仕事で意見を求められたとき

などなど、他にもたくさんあります。

特に辛かったのは、部活で使う3000円ほどの道具を一年以上親に買ってほしいと言えず、なんでいつまで経っても用意しないの?と先輩に怒られ続けたことや、受験の際に行きたい高校は自分の中で決まっていたのにいつまでも言えずに期限のギリギリまで話し合いをしていたことなどです。

それでも頑張って自分の意見を言おうとすると、なぜか泣きたくないのに涙が出てきてしまい、親と進路の話をまともにすることはできなかったり、三者面談で怒られてもいないのに突然泣き出してしまい不思議な目で見られたりしたこともありました。

私はこれまで自分の気持ちというより、より否定されない方を選んで生きてきたような気がします。

自分の意見があっても、それはないことにして相手の表情を見ながらより反応がいい方を選んできたら、いつの間にか自分の本当の意思がどこにあるのかわからなくなってきてしまいました。

大学生になって1人立ちをし、自分で決断する機会が増えることで、以前よりは自分の意思を伝えようと意識しようとしていますが、またまだ苦手なままです。

この本を読んで、新しくやりたいことに出会うことももちろん大事ですが、まずは自分が抑圧してきたやりたいことを引き出していくような作業も必要であると思いました。

③才能なんて探せばいくらでもある

この本の中では、HSS型HSPの得意なことがいくつか紹介されていました。
いくつか抜粋すると、

・必要なスキルを短期で身に着ける才能
・アイデアを思いつく才能
・相手に合わせられる才能
・的確に検索、調査する才能

これらの特徴は、ほとんどが一度は友人などから言われたことがあることでした。

私は特にこれが得意だと言い切れることがないので、自分には才能なんてないと卑下していましたが。

でも、才能って世界で自分だけが出来ることである必要はなくて、こんな些細なことでもいいなら私にも、もちろん誰にでもたくさんあるんだなと思いました。

そして、必要以上に卑下するのではなく、自分の才能をしっかり認め、それを伸ばし、才能を組み合わせていくことで、自分ならではの才能が出来上がっていくのだと思います。

これから

私は、今の仕事が特別待遇が悪いわけじゃないけど、なんか違う気がするという理由で軽く仕事探しを行っています。
そんな中で、転職するにしても方向性が全く定まらず、自分にはやりたいことも得意なこともなにもないんだと思い落ち込むことが多くありました。

もちろんこの本を読んだだけで、適職が見つかるわけではありませんが、やりたいこと得意なことをこれまでよりも気軽に考えられるようになった気がします。

そうすることによって少しずつ自分への理解が深まるとともに、過度に自信を無くして落ち込むことが少なくなっていくように思います。

私は、お金持ちになりたいし、自分が好きなことをやって生きていきたいし、誰かの役に立ちたいです。

そのためには、自分の特性を認め、労りながら自分の得意を追求していこうと思います。

そんな前向きな気持ちにさせてくれるよい一冊でした。




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