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「経済成長=環境破壊」は止められない。「経済成長=科学進歩」が破壊を緩和できる?(ベターアイデア? v3-42)

約50歳、約60歳、約70歳の方と経済成長の話になった。ドーハ・ワールドカップサッカーの話から。というのも、ボクがカタールに関する仕事をしたことがあり、カタールの経済成長には驚愕です、と話をしたから。

カタールの経済成長はすごいんです。ドーハは極端に言うと、砂漠/土漠しかない、高い建物もほとんどない、ホテルも2つか3つしかないところから、ワールドカップサッカーを主催できる、世界の高級ホテルが多数進出し、高層ビルが乱立する、びっくりするような経済成長を成し遂げている。

名目GDPで:2000年の180億USドルから、2020年1440億USドル、2022年のIMFの予測は、2210億USドル。

1人当たりの購買力平価GDPは:2021年で世界第4位の104,740USドル。日本は37位で44,671USドル。2倍以上のお金持ちだ。

人口は:2000年に65万人が、2021年には269万人で4倍に。日本はその間に110万人減少。ま、カタールは8~9割は出稼ぎと言われていて、インドやアフリカから。でも、上記はその方々を入れた1人当たりGDP、とのこと。

そんな数字を言われてもよくわからないのだけど、現地を見たら驚愕。スターウォーズで言うと「タトゥイーン」(荒涼とした砂漠の惑星)が10年で「コンサント」(銀河の中心、首都、空高くそびえる摩天楼)になったみたい。と言ってもよくわからない? 鳥取砂丘が東京になったみたい。

で、本論はこのドーハの話ではなく、経済成長の怖い話。

ボクと約50歳の方は、経済成長を日本で経験したことはない。成長を信じられないし、お財布が成長しなくても生きていけるはずだ。世界中が経済成長に取りつかれているから環境破壊されて、地球が崩壊する。「成長」しなくて幸せの知恵はないのかしら、と問う。

約70歳の方は、「止められないよ、経済成長の信奉は」、とのこと。まるで、パニック映画で崩壊を止められないことを主張する識者のように。

今の後進国や、先進国でも世界中の格差がある中で、金持ちは良いけど低所得者は現状で良い、なんて思わないのでは。世界中でもう成長はしませーん、ってみんなで停滞したら、金持ちは金持ちで、低所得は低所得のまま、あるいは過度な分配になる。誰が許容する?それに誰かが抜け駆けするし、例えば、君たちも米国株に投資しているかもだけど、米国が停滞していいの?

成長を止めると環境破壊は緩和されるが低所得者はお金が増えない。このまま成長を続けると、環境破壊は続き、気候変動の被害は実は低所得者層が受ける。津波とか台風とか洪水とか旱魃とか土砂崩れとか。でも、それは絶対に起きるとは考えないものね。経済停滞の方が受け入れないよね。

みんなより良い生活をしたいんだよ。これでいいや、なんて思わないよね。ほとんど金利のつかない銀行に預金するので十分ですぅ、って思うの?

世界の英知の想像力・技術革新で、科学進歩が地球環境への対応をいずれ解決するかもよ、とのこと。日本人は無理そうだけど、とのこと。経済成長イコール環境破壊は止められないから、科学進歩の解決に頼るしかない。経済成長とはつまり科学進歩も内包するから、それも必ず生まれる。

なるほど。一理ある。。。ということは、経済成長しようと地球上の国がやっきになって、環境破壊は止まらず。でも、経済成長を求めると環境破壊をカバーする科学技術が必ず進歩するから、それも内包するから、それに頼る、しかない。

超省エネ電化製品とか、夏は日本中に膜を張るとか、薬飲んだら涼しく感じるとか、空気をつくる機械とか、二倍の空気を出す植物とか、巨大台風が気にならない住居とか、そして、科学技術と関係ないけど、3年に一回、全世界で半年間のステイホームのシャットダウン、とかとか???付け焼刃的。

でも、どっちが早いのだろうか。取り返しのつかない環境破壊 VS 環境破壊・気候変動を解決する科学進歩。

で、会話に入っていなかった60歳の方。会社の社長さん。経済成長は多少経験しつつも、阪神・淡路大震災、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍などを経験し、成長信奉は無くても良い一方で、入社してからその会社は時価総額はおそらく4~5倍ほどになっている。社長で成長を諦めるなんて不可能ですよね。

この方が、最後に、科学進歩・技術革新で、人間がみんな、成長しなくてもいい、それが幸せだぁー、と思わせられたらいいのにね、って。そんな薬あればね、って。

なるほど、一理ある、と一瞬思ったけど、いやいや、そんなことはない。格差がある方々が納得しないし、強制的に飲ませられないものね。強制したらオーウェルの世界だ。そして、誰かだけが資源を、豊かさを独り占め。。。怖い怖い。

ということで、何も結論はでません。ボクは、成長至上主義、物質主義を一歩一歩減らしていってみようかなと思った。うーん、どうやって?買い物減らす? 電気・ガスはあまり使わない、とか。現実的じゃないなぁ、とすぐに思う自分。結局、自分も成長至上主義、物質主義か。止められない、のですね。とにかく悩ましい問題だ。冒頭で「成長を信じられないし、お財布が成長しなくても生きていけるはずだ」なんて思ったボクは嘘付きだった。

できることから、ま、やるしかない。

今日のベターアイデア:
多数の立場の異なるひとが絡み合う、複雑な問題。自分ですら解決に進まない問題。こういう課題は職場でも家庭でも時にあります。解決策は当然、そんなすぐに出て来る訳はないけれども、この年配の方々との雑談は学びになった。複雑な問題とは、立場の違う主な対立関係を、シンプルな表現で、本質的で、構造的に整理する。そして、難しいなぁーと心から感じる。これが解決に向けて、悩み出すスタートなんだろう、と再確認できた。難しいからこそ、今から考え出さないといけない、と思うから。

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