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ボクともぐらと 38_短絡的なくだらない”やさしさ”が好き。長いレジ待ちの近くで倒れた高齢者、助ける?

ボクはボク、いつもの小さな美容院でふと目に止まった「ボクモグラキツネ馬」(絵本・寓話)を読んでから。この絵本、涙がとまらず感動。ボクの昔からのやさしいひとになるって、心の中で密かに思っていた夢を後押ししてくれた。そして、やさしさは強さである、と自信が持てた。一つの本の出会いで今までも人生に対する考えが変わってきた。ありがとう、作者さん!本をつくって届けてくれる皆さま。同僚のもぐらさんも同じ夢を持ち、同じ絵本に感動していた。うれしい偶然・出会い。なので、2人で職場にやさしさを吹き込み、やさしいリーダーになろう、と誓った。その一歩一歩の徒然草。

今日はもぐらさんが、ある高齢者のお手伝いに行った。内緒で。。。仕事で出会った高齢者さん。脚が調子悪くて、お医者さんから1人では出歩くなと言われたのだけど、出歩きたい理由があって。区役所の往復。家族はいなくてお独り住まい。頼れるひとがいない。以前、会ったときに、ふとこの高齢者さんがエレベーターでこぼした独り言に、もぐらさんが、”私、その日空いてます!暇だから一緒に行きます!”。で、今日のお手伝いとなった。

正直、今日のこれはビジネスには関係ない。1円にもならない。別に断ることもできたし、ふとこぼした独り言を無視することもできた。けど、”やさしさ”が勝った。もし今日が本業で多忙だったら?その時間に別の会議があったら?会社から給料を働く時間でもらっているのに、別のことに使っていいの?「おまえ、何してるんだ?」という上司は普通にいそう。

”やさしさ”って難しい。トレードオフになることもある。先日のnote(以下)で、レジの話をした。これ、イオンさんの昔々のブランドブックに書いてあったことを思い出したんだけど、「自分がレジ担当で、長いレジ待ちがあって、近くで高齢者が倒れたときに、レジを打ち続けるのか、高齢者を助けるのか?」。どっちもやさしさだ。倒れたのが高齢者じゃなくても、小さい子どもだったら?妊婦さんだったら?・・・

”やさしさ”って難しい。仕事時間に関係ないひとに発揮したらダメ? JRの田町駅から浅草線の田町駅を通って三田線の三田駅までの地下通路(すいません、東京近傍で使ったことある方だとわかるかしら)。エレベーター・エスカレーターがないの。赤ちゃんをベビーカーにのせている女性が2、3段の段差で困っていた。ので、手伝ってベビーカーをあげた。この段差は簡単ね。「ありがとうございます。」「どういたしまして」。なんか嬉しかった。そのままボクらは先を急ぎ、ただ、その先には、全然長い下りの階段があった。階段しかない。「やば」。なので、そこで待っていて、赤ちゃんは抱えてもらって、ベビーカーとお荷物を運んで下までおろした。結構重たいのね。

一緒にいた同僚が、手伝わずに、なにやっているの?電車乗り遅れたぞ。重要な会議だったらどうするんだ?お前がやるべきことか?ころんでベビーカー壊したらどうするんだ?腰痛めたらどうするんだ?会社の仕事だって社会貢献なんだぞ。喜んで買ってくれるひとがいて、税金払って、給料はらって。ベビーカー運んでこれらの価値を犠牲にするのか? 短絡的だよ。くだらないやさしさだよ。やさしさは弱いんだよ

これって悩ましいですよね。で、答えは無いですね。自分がどうしたいか。自分がリーダーの会社ならみんなにどうして欲しいか。ケースバイケースですね。ベビーカーではなくて、荷物だけならありですか?5kgまでならありですか? 5.1kgはダメ?

上記の事例のときに、ボクがリーダーの会社なら、もぐらさんのようにして欲しいし、レジ近くでころんだ高齢者を助けて欲しいし、ベビーカーを運んで欲しい。一方、助けたく無い気持ちになる仲間がいてもいい。でも、助けてもいいよ、その時のデメリット・リスクは無視していいよ、とリーダーとして言いたい。会議に遅れても、腰を痛めても責めたりしない(あ、腰痛は本人が嫌ですね)。結果、売上、収益が落ちても責めたりしない。もしかしたらそのベビーカーの女性が資産家かもよ。あ、ウソです。こんなヨコシマな考えではありません(反省)。

みな、個々人で判断して欲しい。でも、しないより”やさしさ”に近いほうの何かをして欲しい。自分の好きな”やさしさ”に近いほうをして欲しい。それによる悪影響がでたら、それの解決にまた皆で努めたらいい。迷惑かけあって、助け合って、支え合って。

これはビジネスするには甘い考えですか? 本末転倒ですか? こんな考えが成長を阻害し、回り回って仲間の給料を減らすことになりますか? お客様に迷惑かけますか? 株主から批判され、去って行かれることになりますか? 他人のカネ使って何しているんだ、ってなりますか。。。

採用面接の時などに、この「どっち派ですか?」、を聞くことがあります。フェルミ推定・ケーススタディもいいけど、こういう心を聞きたい。ま、だからといってその方の性格が全て分かるわけじゃないけど、なんとなくね。

で、ボクはボク。目の前の困ったひとを無視せず、短絡的に助けるくだらないやさしさが、ビジネスには適していないかもしれないこの短絡的なくだらないやさしさが、好きです。ボクはビジネスであってもこのやさしさをやり遂げる方が好きみたいです。

「”なにかがおきたときにどうふるまうか。それこそが、オイラたちにあたえられているさいこうのじゆうってもんさ”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

「”きみがこのたびでみつけたことってなに? ”モグラにきかれたのでぼくはこたえた。”ぼくは、ぼくのままでいいってこと”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

「”おおきくなったら、なにになりたい?” モグラにきかれたので、ぼくはこたえた。”やさしくなりたい”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

「”やさしさに勝るものはない”馬がいった。”すべてのうえに、しずかに存在している”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

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