見出し画像

聞き上手 + 話し上手 = 問い上手(ベターアイデア? v3-37)

話すより聞くが大事、を意味する格言、ことわざ、多々あります。

例えば:
「沈黙は金、雄弁が銀」とか、
「話す前に耳を傾けること」とか、
「口や舌は1つ・耳は2つ。話すことの2倍、ひとの話を聞く」とか、
「おしゃべりだと不審の目を向けられる」とか、
「自分がしゃべる内容は自分がすでに知っていること。学び無し。聞く内容は自分の知らない可能性あり。学び多し。」とか、
「三流はひとの話を聞かない。二流は聞く。一流は聞いて行動する。超一流は聞いて工夫する」とか、
「人の話を聞くことで、人生の80%は成功する」とか。

まだまだありますね、聞くことを進める格言、諺、四字熟語。「話し上手より聞き上手」。「話し上手になるには、聞き上手になるべし」。ま、その通りではありますね。

自分のことをずーっとお話される方います。あるいは、そうしたい時が人にはあります。今日も会議終わりに、「ちょっといいですか?」と仲間からお悩み相談。最近立て続けに起きた仕事の悩みというかイヤな気持ちになったことを相談と言いつつ、とにかくお話したかったのでしょう。ボクは、うんうんと、聞き上手になって、頷き、相づちを打ち。色々話してガス抜きしたいのかな。

ボクは、コメントせずに、うんうん、そうなんだ。そっか。えええ、本当?と聞き上手なひとに徹する。

でも、聞きながら、質問したいことが多々出てくるのです。意見はしない。ただ質問。でも答えられないのです。「ちなみに・・・」と言いながら多少、質問したら、「イヤ、それはわからないです。」「あ、そこまで考えなかったです。」「それはあまり気にしないんです」とのこと。

悩み多い方、心配性の方は、思いますに:
 1.情報不足
 2.思考力不足
 3.他の可能性・選択肢の想像力不足
 4.自分の感情を確認する形容詞の語彙不足、と
 +αで、マイナス思考/自尊心が少ない
があると思うのです。
で、最後のは性格かなと思いつつ、上の4つは改善可能と思うのです。比較的容易に。

例えば、先の仲間は、自分の行動に対して、社長が同僚に対し陰口を言っていたとのことで、「私を馬鹿にしている」と思う・思い込んでいる。ただ、社長の発言の全てについての詳細情報は知らない。それに、同僚はそもそも社長が本音を言う相手か、その話を聞いていたひとが脚色していないか/聞き漏れしていないか、社長は忙しい移動のタイミングで思考不足だったか、など、言葉に影響を与える何かを思考してみる。そもそもその同僚に問い合わせよう、と考える。馬鹿にしているわけではない可能性・選択肢も当然あり、それを想像してみる。それに「馬鹿」にした訳ではなくて、職場でありがちな「拙速」だったと思った、だけ、かもしれない。ひどい形容詞を使う必要はない。

で、この仲間の悩みは、まさに、情報不足、思考力不足、選択思考不足、形容語彙力不足。キュリー夫人に言わせると「人生において恐れるべきことは何もありません。ただ理解すべきことのみです。」ですね。

で、仲間の悩みを聞いていて、ふと思った。聞き上手だけでよいのか?と。例えばキュリー夫人の話や、4つの不足を伝えたくなった。相手のためを自分なりに思って、こう考えてみたらって、伝えたくなった。自分の経験もあるし、本から学んだこともあるし。でも、今回は我慢。「聞き上手」を演じる役だったから。アドリブは無し。本当に、「聞き上手」で良いのかと思いながら。話をしてあげないと仲間のためにならないのでは、と思いながら。

で、思った。もしかして、各種ある「話し上手より聞き上手」を意味する格言やことわざは、言葉を選ばずに言うと、自分より知的に・人格的に優れたひととの会話を前提としているのだろうか。「ひとの言う言葉を聞け、自分より優れた者の話を」(ホメーロス)という格言もある。これが大前提?

でも、一方で、「優れた者」が誰かなんてわからないですね。相対的だし、内容によるし、時によって変わる。だから、ホメーロス以外の古今東西の生き残る格言がこれを前提にしていることは、さすがに違うかな。「人間は善良であればあるほど、他人のよさをみとめる」(トルストイ)だし、「人は賢明になればなれるほど、ますます腰を低くして他人から学ぼうとする」(ベーコン)だし。

で、繋がった。あ、そっか、「聞き上手で、且つ、話し上手」が何か。「問い」だ。「質問力」。「問い」を発しているのは、話しているの範疇に入りますものね。でも、同時に聞いていますね。質問は発言しつつ次の聞くを誘発している。

そういえば、これは私のメンター的な先輩から指導されたベターアイデアで、気をつけていたこと。「話し上手より聞き上手。他人の話を聞くことを優先」しつつ、これにプラスして、「問いかけ」です。

先の仲間の相談の例も、ボクは「聞き上手」に徹していながら、そっか、質問していて「話し上手」にもなっていたんだ、と。んん、ある意味、自画自賛?。

ボクの問いに対して仲間は、「イヤ、それはわからないです。」「あ、そこまで考えなかったです。」「それはあまり気にしないんです」と言っていた。

でも、心では、「あれ、確かになぁ」「むむむ、知らないなぁ。もしそうなら。。。」などと思ったはず(と期待)。答えられなかったことを知りたくなっただろう。あるいは、もう知らなくていいやと思ったかもだけど、自分の思考が不足していて、早とちりで「社長に馬鹿にされた」と思い込んだだけで、他の選択肢もあるな、と思ったはず(と期待)。

「問い」はパワーありますね。「問い」で気づかせる。「問い」で導く。

ところで、サイモン・シネック氏(米国の作家、モチベーションスピーカー)が素敵な話をしていた。ネルソン・マンデラ氏のリーダーシップを紹介しているスピーチで「最後に話す」ことの重要性を紹介していた。

聞いて、聞いて、聞いて、最後に話す。

これらを混ぜて、できあがった今日のベターアイデア。「聞き上手であり話上手になろう。その方法は、聞きて、聞いて、聞いて、最後に問いをかける。答えに本人が気づく素敵な問いを」。

今日のベターアイデア:
「聞き上手」だけでは、役割不足。「話し上手」も必要。だけど、稚拙な話は効果無し。相手を諭さず、相手自身に考えさせる。だから、「問い」が素敵。そして、「問い」を矢継ぎ早にたたみかけるのでは無く、最後まで我慢。「聞き上手で話し上手」のTipsは、「聞きて、聞いて、聞いて、最後に問いをかける。答えに本人が気づく素敵な問いを」。あ、自分自身にも自分で問いかけられるといいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?