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ボクともぐらと 24_オフィスの花の水やり・掃除は誰の仕事?

ボクともぐらさんは会社の同僚。共通点が3つ。「ぼくモグラキツネ馬」(絵本・寓話)が大好きで毎日眺めている。やさしいひとになり、そうあり続けることが夢(それを公言するのが恥ずかしかったし、これって夢なのかな、と思っていたけど、「ぼくモグラキツネ馬」に出会って、それで良いんだ、と勇気をもらった)。あとは、やさしさは強さで、やさしいリーダーになることを目指している(夢ではないけど)。その2人の学びの物語。

自分のお家は、持ち家でも賃貸でも、ま、ひとによるかもしれないけど、普通は綺麗にしておきたいよね。面倒くさがりや、性格的に整理整頓が苦手のひともいるだろうけど、自分のお家だもの。一般的にはキレイにしておきたいよね。程度はあるけど。

さて、これが会社のオフィスになると、自分のものではないし、掃除業者さんが掃除してくれるはずだし、今やリモートだから自分はあまり行かないし、ま、自分の家じゃないから、掃除を積極的にするひとはいない、かな。だって、掃除するための給料もらっていないもん。自分の役割と設定されていないもん。だから、最低限のことしか、それもしない、よね。

昔、会社をつくって9年ほど経営していた。経営者になると、これが不思議なことに、今までは無い感情が湧き上がったのでして、つまり、「オフィスをキレイにしたく」なった。自分の部屋に近いイメージ。TOPなら全てが自己責任。採用もしないといけない。汚いオフィスで働きたくないよね。お客さんも訪問してくる。汚いと印象悪いし失礼だよね。掃除業者さんにきれいにしてもらえると嬉しいけど、真面目にやるひと少ないし、コストになる。で、自分で、自分たちでやりたくなる。

あ、掃除業者さんの不思議(悪知恵?)は、平米あたりで請求してくるよね。机やソファーや色んなものがあって、実際の掃除平米は全然少ないのに。掃除する人の時給+洗剤や掃除機などの消耗品・機器の費用と、あとは管理費や利益を積上げて欲しいよね。平米ってずるい?!?!

話は戻って。でも、確かに掃除をするために仲間に会社に参加してもらった訳ではないし、雑用(掃除を雑用とすると)なんかしないで、その時間により付加価値の高いことをしてもらい、学んでもらい、挑戦してもらい、成長してもらいたい、と思う。これは本音。

だから、雑用が社長の仕事になる。一方で、社長がしていると、そんなことしなくて、もっと社員の給料があがる、成長する、お客様がどんどん来る、そういうこと(売上・利益があがる)に時間を使ってよ、掃除なんかしないで、というひともいた。だけど、掃除は社員の働く環境を良くするし、採用やお客様にもプラス。

この雑用のシンボリックな活動が、ボクの中では花や草木への水やり。一部の気の利く仲間が「水やりは自分がやりますよー」なんて言うこともあるのだけど、結局、”作業”になって、草木を枯らさないため、みずみずしさを維持するため、植木鉢の汚れもきれいにしよう、みたいな思考はなく、やっつけ作業。で、結局、やらなくなる。社長室があって、社長秘書がいる、なんて大会社になると秘書がちゃんとやるのだろうけど。水やりはリーダーの仕事に!

今は、後輩にバトンタッチしたけど、ちゃんと掃除やお花への水やり、ちゃんとしている、って。ちなみに、完全リモートにはできない種類のお仕事。オフィスがきれい・お花や緑がきれい、という価値が経営するとわかったから、仲間にはより付加価値のある時間の使い方をして欲しい、それが会社にとってはプラスだ、と分かった、から、だって。経営者は雑用し出すのね。あれ、違う?ボクとこの後輩だけかな?

「神は細部に宿る」とも言えるし、「割れ窓理論」とも言えるし、「ディズニーランドにはゴミが無い」的な。たかが水やり、されど水やり。

リーダーとはやさしさを常に持つ。これがリーダーの必須条件、だと思っている。やさしいとは、仲間を信じ、成長を思い、自分の夢に共感し一緒に居てくれることに感謝でき、苦難のときも負けずに仲間のせいにせずに、乗り越える方法を考え、仲間に助けを求める。やさしいリーダーであれば、汚いオフィスはあるべき姿ではないと思い、より良い環境で仲間と一緒にいたいと思うはず。

リーダーたるものオフィスをきれいにしておきたい、と思い、そして、そういうリーダーのもとでは、オフィスは自然に、自発的に、きれいになるもの。違うかなぁ。

リーダーだってひとりの人間。明日がどうなるかわからないビジネスの中で仲間を想い慕う、と共に仲間にも想い慕って欲しいもの。花や草木にさえも愛情をそそぎ、そして美しく咲き、みずみずしい緑で愛情を戻してもらいたい。愛し愛されたい、なんて思うもの。リーダーにとってオフィスは自分のお家、仲間は他人でありながらも家族だもの。

”きみたちといるこのばしょも、うちだとおもっていいかな?” ”ありがとう”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

”あしたのことはわからない”馬がいった。”みんなが愛し愛されていることをわかっていればいい”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

今は、オフィスにひとり。整理整頓されている。ゴミ箱は空だし、床にゴミはない。なぜなら、さっき、もぐらさんがオフィスに居て、掃除し、整理整頓し、「うん、きれい!」って言って帰って行ったから。ボクへの挨拶はなかったけど。見えなかったかな。もぐらさん、すくすく、やさしいリーダーになっています。

”やさしさに勝るものはない”馬がいった。”すべてのうえに、しずかに存在している”」(「ぼくモグラキツネ馬」より)

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