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悩む選択 v2-53:ホテルの一泊と病院の一泊は違う。常識?vs 説明責任求める?

今日の悩み:
A.相手の常識は自分の常識ではない。自らが、他者に対する質問力を身につけ、質問をぶつけて、理解を高めるべき。面倒だがしょうがない。自己責任で間違い無きように。

B.相手の常識は自分の常識ではない。相手側が説明責任を果たし、丁寧に説明すべき。それが相互理解を深める。他責だが、そうあるべきだ。

家庭、職場で、人生、悩ましい二者択一、二律背反、二項対立ってあります。「ANDの才能」を発揮し、両立できるとよいけど、でも、一方を取らないといけない場面も。ボクともぐらさんは会社の仲間。やさしいひとになり、そうあり続け、やさしいリーダーになり、組織を強くする、という夢を持つ。やさしさを学べる絵本「ぼくモグラキツネ馬」から互いをあだ名付け。この頃は二者択一の場面で、どちら派かをアレコレ考え中。

昨日、親戚(高齢者)が急遽入院。諸般の事情で個室に。1泊27,000円ぐらい。しょうがない。2、3日の入院を指導されたが、病院にいると気が滅入るし、一定の安静状態になったので、翌日に退院。前日の15時ぐらいから翌日の12時ぐらいまで。ちょうどホテルのありがちなチェックイン・チェックアウト時間での1泊2日。

でも、病院の常識とホテルの常識は違います。どちらかと言うとホテルの常識が一般的に思いますが、医療従事者にとっては、病院の常識は一般常識かもしれません。

病院の個室宿泊は0時起算です(確か)。0時より前の分が1日分。0時を過ぎた分が2日分。ですので、23時59分に個室で入院して、24時01分に退院したら、2分の滞在ですが、2日分の宿泊費(差額ベッド代と呼ばれる)が請求されます。ですので、2分入院ですが、1泊27,000円でしたら、×2で、54,000円です。って、もちろんこんな極端な例はありえません。で、いずれにせよ、上記の親戚はホテルでは一泊分ですが、病院なので54,000円ほど取られました。

「一泊27,000円ほどって聞いていますが、間違いではないですか。」
「いえ、間違っていません。54,000円です。」
「でも、一泊しかしていないかと思うのですが。」
「いえ、計算上は2日になるのです。間違いではないです。システムでそうなっています。」
「一泊とかの泊数ではなくて、2日居た、という計算ですか。」
「システムのことなので、わからないのですが、2日分になります。」

こんなやり取りだった、とのこと。うまく噛み合わず。説明責任、果たしていません。一方、質問力もイマイチ発揮されず。どちらもどっちかしら。

当然、ホテルと違い、病院は入院時間をコントロールできないです。診察終わって急ぎ入院となったのに、「チェックインは15時からですー。」なんてことは無い(なくは無いけど、当然、掃除するから)ので、おそらく24時起算という決めなのでしょう。ルールは決め、ですから。

ところで、感染症騒ぎの前。父がまだ63歳で肺ガンで亡くなった時。川崎市の病院。昏睡状態で、もって2、3日です。覚悟してください、と言われ、個室を用意すると言われ、ありがとうございます、と。父は緊急治療室にいたけど個室に戻すと言われたし、ボクらも寝泊まりが必要だった。同じく1泊27,000円ほどの記憶。3日ならしょうがない、なんてことすら議論する心の余裕無し。

で、結局、2週間ぐらい後に亡くなった。で、病院からの差額ベッド代の請求は、27,000円ほど×14日分=378,000円ほど。税金入れたら40万円超え。記憶が定かでないが、50万円を超えていた気も。。。17日ぐらい居たかも。

で、50万円を超える請求書がしれーっと自宅に送られてきて、こちらは「善意」かと思っていたけど、そんなことはない、ビジネスだ。しかし、あの会話で合意したことになって、50万円の請求は、「かなり非常識過ぎる」と思った。けど、病院にとっては常識か。質問力がボクに欠如していただけ、と認識すべきか。

ただ、払わずにすんだ。さすがに払うのはありえないと思って、たまたま相談した生命保険会社の友人が、こういうケースでは差額ベッド代なるものを請求しないように、厚労省から通知が出ているよ、とその通知文をくれた。

病院に指摘したら、「あらそうですか」って言われて、無料になった。偶然だったが、厚労省からお達しが出ている情報を得られた結果、助かった。払わなくていいことが「常識」だったかもしれない。

お医者さんと看護師、准看護師さんで200万人。その他薬剤師さんやPTOTSTさん、OB/OGなどなど入れたらもっと増える。一方、入院患者数は年で130ー150万人。入院経験者数で言えばもっと増えるだろう。一方、個室利用経験者はその2,3割か。でも、全国民の数に比べたら少ない。

いずれにせよ、差額ベッド代の請求ロジックは、「一般常識」、ではない気が。。。ホテル宿泊の請求ロジックの方が一般常識で、こっちに引っ張られますね。

でも、こういうギャップ、そこかしこにあるはずです。だから、自らの質問力をつける必要があります。その領域特有の常識への知識を増やせるとよりよいですが、なかなか難しいので、質問力です! 自分の身は自分で守る、しかないですかしら。

父が亡くなって、ベッド代だけで50万円も支払っていたら、悲しいこと忘れて、ムカついて、心穏やかでない、嫌な日々になっていたような。だから、うざい人と思われようが、自分はA.でいよう、と思ったものでした。自己責任マインドで。

質問力。それはどういう意味だ、と立ち止まり深く考えるチカラ。疑問に思うチカラ。もう少し詳しく説明を求めるチカラ。こういう場合はどうなるの、と違う事例を質する横展思考。極端な例で理解を深めようとする極端思考。重要です。

「2、3日が勝負、とのことですが、仮に1ヶ月個室でしたら、いくらになるのですか?」 「こういう緊急状態では個室が無料になるような特例ルールはないのですか?」 「割引は無いのですか?」 「長くなっても3日分で合意できますか?」 「単価交渉はできますか?」。。。などなど。。。父親が死にそうな時でもこんな交渉、質問力。。。。しょうがない。。。

こんな過去、昨日の親戚の入院で思い出されました。まだ、同じ状況なのですね。

でも、こう記しながら、そんなことは些末な話。急遽の入院で、無事に退院できて、それが嬉しいです。トンネル・ビジョンに陥るのはダメですね。ありがとう、病院、先生、看護師さん、みなさま、ということですね。

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