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ノスタルジーさえ失ったホールデンのやうな心持ちで

『異世界転生したらnoteの記事になっていた俺について心が叫びたがってるあの花の名前を僕たちはまだ知らないまま電気羊の夢を横から見るか、下から見るかについて語るときに僕の語ることをラプソディな大人はわかってくれないティーンエイジャーフォーエバー』

ここ最近、こうしてスクラップ&ビルド染みたことを繰り返したがっている自分の気配がプンプンしてどうも気に障る。
ひたすらいたずらに積み木で建物を作ったあとで、それを思いっきり崩す。
そのさまを眺めては、また積んで、崩す。

『ヴィレヴァンでよくかかっているPOPSのボサノヴァカバーを歌う女はものすごくうるさくありえないほど近い田舎の婚礼準備に何を思ふ? ――このサンドイッチ、フランクリンバッジ忘れてる――』

「混沌だとかそういったものの中から、新しい言語表現を見出す試み」と言ってしまえば聞こえはいいけれど、実際のところ、ただの模索。
そのうちに、子供になった自分がショッピングモールのおもちゃ売り場をただ荒らし回っているだけのようにさえ思えてくる。

『はるかぜとともにデストラクションと学ぶ、ミックアイヴォリーのアンダーパンツ』

いいぞ、もっとやれ。もっと、やるしかねぇ。
そうやって言葉の無力感、頼りなさとやらを自傷行為よろしく刻んでこう。
ノスタルジーも踏み台にして再構築。
ライ麦畑でつかまえたいとは思わないし、誰かを懐かしく思えても、それに耽ったり酔いしれたりしない。
もはや自分のことで精一杯で、崖から落ちそうな子供たちを救う余裕なんてないかもしれない。
ホームシックはもう劇薬。SNSと肩を並べる中毒性。
暗い未来が私の頭を、過去の方向へグイっと回して言う。
「過去を夢見ろ」
「知るか」と、メトロゴールドウィンメイヤーのライオンみたいな咆哮で応えたい。
これから映画が始まるよって、そんなノリで続けたい今。

『神聖かまってオクトパスガーデンで一筋の金髪を摘まんで拾う、ヤバイTシャツの生乾き臭に頬肉ぷるっと震わせるチューズデイガールこと、オリバー・ツイスト無門・カーンかく語りき』

火星人を敵に回さないと同盟を組めない世界みたいに。
未来が敵になったと感じた途端、反射的に過去を味方にしようとする。
フォニーは敵でイノセンスは味方。
そして自分を敵に回さないと、誰かを味方に出来ない。
そんな自分の捻くれた幼稚さにクソ呆れつつ、それでも粛々と排他的な散文をぶちまけ、シーシュポスの運んだような岩を担がせる始末。

散りばめた言葉は最後、ビニール紐で縛ってまとめて、とりあえず資源ゴミに。
可燃でいっかとぞんざいに捨てた言葉って、だいたい思った以上に燃えて青鳥焼死ってことになるから笑止(は?)。ただ、居酒屋で出される青鳥の串焼きは結構美味しいらしい。

……知らんけど。



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