「部活について」

 ~改めて“部活”について語ってみる~

“部活否定派”

 ぼくが、部活について議論するとなれば、『完全に否定するもの』と思われるかもしれません。いや、そうでしょう。通常、学校で勤務においても、部活指導にはほとんど顔を出すことなく、非協力的と受け取られているでしょうから……もしかしたら『やな奴』と思われているかもしれません。
 しかし、ぼくは、ほんとうは、ある意味、“全く違う評価”をしているんです。

部活の“大切さ”

 ぼくは、現在の中学校や高等学校、中等教育学校において、教育的にたいへん大きなはたらきをしているシステムが部活であると感じています。それは、もちろん、ぼく自身の体験に基づくところからきています。それは、ぼく自身の中学校及び高等学校(中高一貫校です)時代において、部活で身に付いたことが、大きくかつ後々ずっと(今でも)影響を与え、役に立っているということなのです。しかも、この、今、実際に学校で「教員」という役割を担っていることもあって、“生徒との関わり”という面では、ここにおいても“重要なはたらき”をしていると日々感じています。
 部活で学んだことの一つのことは、縦の人間関係でしょうか。それもありますが、その人間関係だけではなく、「仕事の仕方」そのものも学んでいたように思います。ここでは、これ以上の詳しいことは述べませんが、学校で最も多くの時間を占める教科学習や評価の中心となってきたペーパーテストでは身に付けることのほとんどできない大切なことが、“部活において自ずと身に付く”……このことをもっともっと評価する必要があると考えています。

「なぜ積極的に手伝わないの?」

 「部活が非常に大切なそして大きな役割をするものであるとわかっているなら、もっと積極的に部活指導をすればいいのに…」と言われそうですね。ぼくは、部活指導が実質上のボランティア活動扱いになっている今の制度がおかしいのではないかと考えています。勤務扱いにならないにもかかわらず何かあれば責任を問われるというのは、適正な制度なのでしょうか。
 それにもかかわらず、「採用試験の面接」において『部活指導について聞いて言質をとってきた』(※1)ということはいかがなものなのでしょう…

“正規のカリキュラム”に!

 ぼく個人としては、部活を選択制の正規のカリキュラムに入れるべきだと思っています。もちろん、そこでは学校の先生に係ってもらい、教育指導して欲しいと考えています。そして、その上で、必要に応じて専門的な技術指導を担う役割として「指導員」の方に入っていただくのが適当だと思っています。生徒たちからみれば、「自分のやりたいこと、興味関心のあること」だからこそ、深く身に付くものですし、将来役に立つことが含まれている可能性が高いはずです。そこのところを意識して、しっかりと、その分を「業務として認め、その担当者を配置し、ペイを準備する」ことが必要だと考えています。そうなれば、もちろん、ぼくも積極的に参加協力していきたいと考えます。そのためには、もっと教育に対して、お金をかけて充実したものにすることが必要でしょう。
 ぜひぜひ、考慮いただきたいところです。

(※1)実際に数年前まで、各地の教員採用試験を受験すると、面接の段階(多くは二次試験)で部活指導について質問された。関東地方の某県を受験したときには「東京とは違いお金がないので、部活指導は教員がやることになるがあなたは可能か」という内容であった。

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