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凡人PTはどうやったら相手の心をつかめるか

こんにちは!理学療法士の稲田と申します
(@ tatsuya16499556)
大学を卒業して今年で臨床10年目になり、訪問、急性期、回復期、外来リハまでひと通り経験させていただきました。

10年の間理学療法士として働く中でつらいことや先輩や先生から怒られることも多々ありましたが、治療がうまくいった時患者さんから感謝される喜びなど嬉しかったこともたくさん知る事ができました。

まだまだ治せない症例も多く未熟な私ですが、理学療法士という仕事の奥深さ、やりがいを感じていて、自分にとっては天職だと感じています。直接人と関わり、良くも悪くも心身に影響を与えられることは理学療法士という職の魅力だと思います。

今回の記事は仕事をする上で僕が感じている事を記事にまとめていきます。

セラピストにとって大切なものは

理学療法士に限らず、柔道整復師や鍼灸師などのセラピストにとって大切な能力は何でしょうか⁇
知識、技術、コミュニケーションスキルなどももちろん重要ですが、

僕は共感する能力だと思っています。

では共感するとはどういうことでしょうか⁇

それは相手に興味、関心を持つことから始まると思います。

興味とは心理学で、ある対象を価値あるものとして、主観的に選択しようとする心的傾向。教育学では、学習の動機付けの一つ。とされています。
言い換えると、物事に対して心をひかれる、もっと知りたい、おもしろいと感じることです。

あなたが患者さんとして治療を受けたとして、どんなにすばらしい技術や最新の機器で治ったとしても物のように扱われたらどう感じますか?
治ったならまだ納得できるかもしれませんが、治らなかったらもう一回行こうとは思いませんよね

まだ私が新人のとき、患者さんのフォローを上司の先生に頼んだことがありました。
フォローしていただいた後日上司の先生から、
「〇〇さんの家ってお寺なんだね」
と言われ、私はその方を担当して半年以上たつのにその事を知りませんでした。
上司の先生からは
「ゴッドハンドじゃないんだから、もっと患者と話をしろ。自分の話ばかりするんじゃなく、相手に興味をもってちゃんと話を聞け」
そう言われました。

私はそれまで治療手技や患部、症状のことばかりに頭がいっぱいで、患者さんがどのような人かを見ようとしていませんでした。でも新人の頃って治療のこと以外考える余裕なんてないのですが(^^;

治療中にどんな事を考えていますか??

相手の何を観察していますか??

相手に興味を持っていますか??

明確に答えられない人はきっと患者さんにも見抜かれているかもしれません
自分が思うよりも相手は私たちのことをよく観察しています。治療者と患者という立場ではなおさらです。怠慢な態度はよく目につくもので

「いまこの人手を抜いてるな」「なにか他のこと考えてるな」
「私に対して興味なさそう」「集中していないな」
そう思われた時点で信頼されなくなります。

そして治療のことや自分語りに夢中で相手の話を聞こうとしていない、周りが見えていないケースもあります

あなたの周りでも自分の話ばかりするセラピストはいませんか??

もしくは治療中特に話を振ることもなく、黙っている時間が長いセラピストはいませんか??

もちろんしゃべることに気を取られて手がおろそかになってしまっては本末転倒ですが、治療中も相手への話題づくりを心がけることが必要です。

『この先生はちゃんと話を聞いてくれる』

『この先生には話しやすい』

そう感じてもらえることで治療に対する反応は全く違ってきます。

共感する能力とは、相手の感情を察する力、空気を読む力、相手の境遇に自分をおきかえて考える力、相手との距離感をはかる力などと言い換えることが出来るかと思います。

信頼関係を築くために

共感するためにはまず相手のことを知る必要があります。そのために相手に興味を持つところから始めてみましょう。
・どんな性格か?
・好きな料理、食べ物は?
・家族はいるのか?
・どんな人でどんな人生を送ってきたのか?
・趣味はなにか?
・血液型は?
・仕事は何をしているか?休みの日は何をしている?
どんなことでもいいので色々と想像してみましょう
興味をもって想像すれば相手に聞きたいことは色々と頭に浮かんでくるのではないでしょうか。

患者さんとの会話を進めるときは
・相手のペースで話をさせること
・こちらは話題づくり。話を始めるきっかけづくりに徹し、自分の話ばかりしない
・時々自分の話も織り交ぜることで親近感をもってもらう
などの点を意識しています

特に初回の介入時など相手の性格や情報が少ない時は、質問内容や言葉選びは慎重にした方が良いかと思います。

人によってはプライベートな質問を嫌う方もいらっしゃるので、距離感や相手の反応を見る事も必要だと思います。

礼儀作法やマナー、言葉遣いなどコミュニケーションのためのスキルを身に着けることは前提として、そこに心がこもっていなければ冷たいものに映るでしょうし、うわべだけのスキルはすぐに見抜かれてしまうはずです。
大切なのはどんな相手でも敬意を払い誠実な態度で接することだと思っています。

相手が求めるものは

忘れてはならないのが患者さんがセラピストに求めているものは紛れもなく「結果」だということです
・痛み、しびれが取れる
・スポーツができる
・好きな趣味ができる
結果にはこれらの最優先に叶えたいニーズを満たす事以外に
・セラピストに対する印象
・治療院、病院など場所に対する印象
・待ち時間の有無
・予約時の対応
など付加価値的要素がどうだったかということも含まれます

痛みの治療など最優先のニーズを叶える事が目的ではありますが、ただ治るだけでなく患者さんの期待値を超えることで大きな満足感が得られるのです

知識や技術を磨くことはもちろん必須ですが、相手の期待値を超えるためには付加価値として良い印象を与えることが大切です。

そのために必要なのが共感能力。すなわち相手目線で考えることができる能力だと個人的に感じています。

おわりに

セラピストにとって知識や治療スキルは最低限必要なもので、将来磨いていかなければならないと思っています。しかし優れたスキルを扱う心も同様に大切だと感じています。
私は口下手なので自分の話をするのは苦手ですが話を聞くことの方が得意です。相手が何を求めているかを推し量り、相手の求めている人物像に近づけることが信頼関係を築く上でのポイントだと感じています。そのためにどうすれば信頼してもらえるのかこれからも日々考えていきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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