見出し画像

脚本練り不足 「ATOM」映画感想文

「ATOM」ってあるじゃない。
手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』を原作として、香港のアニメ会社IMAGIが制作した2009年の3DCGアニメーション映画。
観たので感想と、脚本の改善案を書きます。
勝手にリライト。
途中まではすごく好きでしたが、後半から乗り切れなくなっていった感じ。

下記作品ネタバレ注意
「ATOM」
あらすじ
ロボットによって全ての世話をしてくれる夢のような空中都市メトロシティ。そこで生活をしているテンマ博士の息子トビーは、ピースキーパーの実験中の事故によって命を落としてしまう。
悲嘆にくれるテンマ博士はトビーの姿と記憶を持ち、究極のエネルギー『ブルーコア』を搭載した人間にそっくりなロボットを作り上げた。しかし、息子として迎え入れたもののどこか本物とは違うことを痛感したテンマ博士は彼を拒絶してしまう。
自分がロボットであることを知りブルーコアを狙うストーン大統領にも追われ地上へ落ちた彼は、コーラたち地上に住む子供達と出会い「アトム」と名乗り、自分の居場所を探すために彼らと暮らすこととなった。(Wikipediaより)

新生アトム

前半、というか三幕構成の第一幕までは「意外にいいじゃん」と思いながら観てました。期待値が低かったのもあるけど。
でもそれ以降がねぇ。脚本が練られてない。

対立構造の中途半端さ

一番の問題は対立構造が中途半端な点です。
人類は汚染された地上を捨て、空中都市メトロシティで暮らしています。メトロシティではロボットをこき使って、高い生活レベルで清潔な暮らしをしています。壊れたロボットは地上に廃棄しています。
一方地上には、実は生き残った人類がいて、メトロシティから廃棄されるゴミで暮らしています
ここまではいいんですよ。でもね、地上の描き方がすっごく雑なんです。
こういった設定の場合さ、「地上ではロボットと人間がお互いを補い、助け合い、貧しいながらも協力して生きていた」ってした方が良いと思う。
「ロボットを奴隷として扱う空中」と「ロボットを仲間として扱う地上」で対立構造がはっきりするじゃない。
でもこの映画はそうじゃなくて、「地上ではロボット同士を戦わせる拳闘を娯楽にしていた」ってゆう設定なの。
なんでやねん!
地上までディストピアにしてどーすんのよ。

映画の中での地上はほんとに雑で、自然豊かな土地や、賑わってる大通りとかもあるんだけど、それに対しての説明が何もない。
空中都市から落ちてきたアトムが、「教えられてきた地上のイメージ」と「実際の地上の様子」のギャップに驚く描写もない。
「実は、捨てられた地でも人とロボットは工夫をこらし、住めるような段階まで回復させていた。バットランドこそが楽園だったのだ」ってゆうサプライズができるじゃないですか。
 なぜそうしないんだ。

画像1

地上を「真の善き世界」として描けばさ、空中都市と、きっちり陰と陽の構図になる。
なんなら空中都市の大統領(今作の悪役)に対して、地上のロボットが対立候補で立候補する、とかもできるじゃない。
それで最後、空中都市が落ちた後の新世界で、初のロボット大統領が当選するというストーリーにしたらさ、アメリカの南北戦争〜オバマ当選までのメタファみたいにできませんかね?

アトム大使

鉄腕アトムは、もともとアトム大使っていう漫画で、対立する2つの集団の間を調停する大使、っていう設定で生まれたんですよ。
今作もさ、「空中」と「地上」をはっきり対比させて描いて、「体はロボ、心は人間」のアトムを両者の大使にすれば良かったんですよ。
もうちょっと頑張って脚本練ろうぜ!
もちろん、制作陣はいろいろ考えたんだとは思いますけどね。
各アイデアやギミック、作劇はいいところがあるのに、惜しい。

ぼくのコンビニバイト時代

ぼく学生時代コンビニでバイトしてたんですよ。
そこで働いてたバイト仲間の女子高生がすごくいい人でさぁ。
トイレ掃除も積極的にやるし、業務連絡日誌に「👉前シフトの方。駐車場が汚れてたので掃除しました。頑張りましょうよー💪」とか書くような、すごく真面目で前向きでげんきな人で。
ぼくはすごく感銘を受けましたよ。脚本も頑張りましょう💪

しーゆー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?