スギ

音楽と本と映画が好きなおばさんです。動物病院をやっています。 苦にならない程度に続けよ…

スギ

音楽と本と映画が好きなおばさんです。動物病院をやっています。 苦にならない程度に続けようと思います。

最近の記事

見て見ぬ振り

大学を卒業して最初に勤めた病院は部活のOBが院長をやっていたところだった。右も左も上も下もわからない新卒獣医。 ほとんど勉強せずに卒業。国家試験に受かったのも 卒業できたのも「奇跡」と周りの人々に言われ 総代挨拶をした同級生には卒業式に「ミラクルを起こした人と 握手をしたい」と言われ握手を求められた・・・ある意味バカにされたのかもしれないけれど、まあ、良い人だったからそうじゃないと願おう。 そんな「なーーんも知らない」私が勤めた動物病院は 今思えばたぶんちょっと変だった。変

    • 響いた「ド」の音

      ピティナコンペティションというピアノコンクールのでっかいやつがあり、 初夏から夏にかけて全国の子供、大人が予選、本選を経て全国大会を目指して、あるいは全国1位を目指して頑張ります。 級にわかれていて、幼児のA2級から始まり高校生ぐらいのF級まで そのあとは特殊なG級などがあり、トップの級は「特級」と言われるもので ちょっと別格に扱われます。 課題曲が古典のソナタ、エチュードなどで組み立てられ 二次予選、三次予選、セミファイナル、ファイナルへとすすみ、ファイナルはオケとコンチェ

      • 「無理」奥田英朗

        一時期やたらと「無理~~」って言葉が飛び交っていた時期が あった。テレビでも家の中でも。 もうほんとにその言葉が嫌いで、いちいちムキっ💢となっていた。 「無理」ってなるまでには 「やってみたけどうまくいかなかった」がスタートで、紆余曲折があって「無理」に至ると思うのだけれど 当時「無理~」って言う人たちは「なーんもやってないのに」いきなり レベルマックスの「無理」に到達する、その「根性」が許せなかった笑 (嗚呼、なんて昭和)。 あと「無理」って言葉を発する時って「無理・・・で

        • 「生きるぼくら」原田マハ

          ひどいいじめにあった人生(じんせい)が長い間ひきこもりになり そんな息子との2人暮らしに疲れてしまったのかある日母が突然いなくなってしまう。何通かの年賀状を置いて。 その年賀状の中に、別れた夫の母、人生にとってのおばあちゃんからの物があった。「私は余命数ヶ月。元気にしている?」と書いてあった。 大好きだったおばあちゃんに会いに、人生は家を出た・・・ というお話。 舞台は長野県蓼科。東山魁夷の絵が表紙になっているのだが それがまた素敵。 頼りない男子、同じような境遇の気の強い

        見て見ぬ振り

          髪徒然

          次男は坊主一筋でずっと3ミリバリカンで夫に切ってもらっているが、先日ついにアタッチメントなしの1ミリぐらいの坊主になっていたので「それはやりすぎだろ」と言った笑 髪の毛は頭を守る役割もあるのに、彼の頭は何からも守られていないことになる。更に、今一時的にサッカーのポジションがセンターバックなのだが (守りの要なのであまり走らない)そのポジションに坊主は必要ないだろう、という私の勝手な偏見によるもの。坊主はやっぱり走ってなんぼだろうと思っている。完全に偏見なのはわかっている。 そ

          この感動

          野良猫、多頭飼育が崩壊した犬猫などの保護活動を行っている方が いらっしゃいます。私はその方たちが保護して来た猫の避妊去勢やちょっとした治療をしているだけなので、その方たちの苦労はほぼわかっていません。 その方たちは百戦錬磨で、野獣と化した猫をオリから洗濯ネット(に入れないと注射等ができないので入れてもらう)に入れるのも上手だし 外でうろうろしている猫を捕獲器に入れるのも上手。 「あそこに多頭いまーす」と言われたら「はーい」と言って 捕まえて病院に連れて来てくれます。 さて、

          この感動

          「京大芸人」菅広文

          お笑い芸人のロザン宇治原さんは京都大学出身で、それを「売り」にして クイズ番組などに出ているが相方の菅さんという方は 正直知らなかった。2人の漫才も見たことはあるかもしれないけれど 印象には残らず、アメトークでよくやる「じゃない方芸人」の回に出ていたかもしれないけれどそれの記憶もなし。 宇治原さんは「京大出身です」と奢ることなく、ただ「それが事実ですから」というテイでテレビに出るような感じがして好感を持っていた。 宇治原さんの相方である菅さんが宇治原さんと芸人をやろうと決め

          「京大芸人」菅広文

          大人のピアノ。決めたこと

          娘のピアノの先生が「大人ピアノ教室」を始めて3か月経ちました。 私は月謝の関係で月に1回のレッスンを選択。 同時に始めた友人は月に2回。彼女は子供の頃同じ先生に習っていて 基礎力ばっちり、今でもバリバリ弾ける人でどんどん曲を与えられすすんでいるようでした。 初心者の方もバーナムなどの基礎本から始めて先生曰く「それはもうすっごく楽しそうに」やっているそうです。 さて、私は。 月に1回のレッスンということもあり、そりゃまあ全くすすまず。 とりあえず自分の弾きたい曲を数曲弾いていっ

          大人のピアノ。決めたこと

          大人ピアノ教室に求めること

          娘のピアノの先生が「大人のピアノ教室」を開講することになりました。 今時珍しく「大人は教えていないんです」とおっしゃっていたのですが 「楽しいかも?!」と思ったのか、私と友達からの圧に屈したのか? ついに開講されることになりました。 私は前から習っていた先生のところを正式に辞めたわけではないのだけど なんとなく行かなくなって3年も経ってしまったので もうやめたも同然ですが・・・。 大人のピアノに関しては何度か書きましたが「何を目的にどこまでやるのか」ということを考え、しか

          大人ピアノ教室に求めること

          やらせる

          子供たちが通った中学校で去年まで「私の主張」的な宿題があった。夏休み明けにみんなで発表し、クラス代表→学年代表→学校祭で1~3年から各二人が発表して審査されるというものだった。 長男は悩みもせずネットからパクッて提出し「全く同じ内容の人がいた」と言っていた。次男はなかなか面白いことを書いていたが「発表」という行為が苦手で「人前で何かをする」というだけで倒れそうになるほど緊張したそうだ。彼が選んだスポーツが「柔道」みたいな個人競技じゃなくてよかった(サッカー選手です)。長女は「

          やらせる

          私じゃないからね

          私が腹立つ=思い通りにならない。 私が言った通りにならない、もそうだし 「私ならこうするけど」がそうはならないから腹立つのだ、ということが 判明した。 私は私しかいないし、家族も一心同体ではない。子供は私の分身と思っていたけれど「私じゃない」と気づいた。 あと「普通こうするよね」とか「言わなくてもわかるよね」ということも 勝手にそれは私が思っていることだから、私じゃない人にしてみれば 「いや、そうは思わない」ことなのだろう。 うちで働いている人に腹立つことがあって「普通そうや

          私じゃないからね

          仮定の間違い

          娘が朝起きない。 朝起きないというよりいつでも寝ている。中学生だから そういうお年頃なのかもしれないが、昔からひたすら寝る。 そしてそれは「普通」の生活に支障が出るレベルだ。 つまり遅刻しまくり。 長男の朝起こしでバトルとエネルギーの消耗に疲弊してしまった 私は「朝子供を起こす」という仕事を早々に放り出した。 懇願されたら少しは声をかけるけれど、こちらがヒートアップするほどは起こさない。 長男も小中高、遅刻しまくりだった。 高校生になってまで学校から電話がかかってきていたが、

          仮定の間違い

          威圧

          うちの動物病院に遠方から通ってくれる人がいるので その方たちが少しでも楽になるならと思って薬を送ることがある。 ただ、普通郵便で送っていたので時間がかかってしまっていたし、 切手不足で戻ってきたりすることもあった。 私の気持ちとしてはあくまでもサービスの範囲内だった。 薬代は請求するけれど送料はこちらで負担していたし、 希望の電話から少し時間がかかってもご了承の上で承っていた。 ある患者さんが何度も引っ越しして、そのたびに「新住所に送って」と連絡をしてきていたのだが、新住所を

          「廃墟建築士」三崎 亜紀

          先日、娘に読まさせられた教科書の「私」という文章がとても面白かったので早速三崎氏の本を購入。私が廃墟好きなので「廃墟」というタイトルに惹かれてこれを選んだ。 教科書の「私」はあり得ないことが前提として話が進むので途中で「いやいや、んなわけないよね」となるが、その前提はいつまでも覆されないのでそのままあり得ない、いわゆる「非現実的」な話で終わった。 今回の本も「そんなことあるわけない」という話が「ありき」の世界の話であった。というかそういう作風なのかな。 短編集だったのだが、め

          「廃墟建築士」三崎 亜紀

          成田~川崎、チョ・ソンジン~京成成田

          仕事をさぼりまして「チョ・ソンジン」のコンサートに行ってまいりました。以前から聴いていた「チョ・ソンジン」のドビュッシーとヘンデルが素晴らしいこと。「ソンジンチョ」という人がYouTubeで弾いてるショパンが めっちゃ良くて「この人、ショパンうまくね?」と思ったら 「ソンジンチョ」は「チョ・ソンジン」と同一人物で更にショパンコンクールで優勝してた(笑)どうりで上手いわけだわ。という「チョ・ソンジン」のコンサートないかねえ、と調べたら日本でやるじゃないの! そして旭川成田の飛行

          成田~川崎、チョ・ソンジン~京成成田

          「琥珀のまたたき」小川 洋子

          ♪ふ~たりのため~ せ~かいはあるの~ リアルタイムでは聞いてなかったけれど、エレクトーンを習っていた時に 原曲を知らずに弾いていて子供ながら「いい曲だ・・・」と思っていました。 子供を出産したあとの数日間、私の頭の中ではこの曲がずっと流れていました。夫も、面倒をみてくれた自分の母親までも近くに寄ってもらいたくなくて、ずっと私の赤ちゃんとどこかに隠れて二人だけで生きていきたいと 思いました。この赤ちゃんを守るためなら地下でも穴ぐらでもなんでもいいからとにかく外敵の眼に触れな

          「琥珀のまたたき」小川 洋子