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黒船

実家の父と兄には不登校という話はしていませんでした。
なぜならば、絶対に母親のせいだとか、甘やかされているからとかなんとか
私や娘が傷つくことを言いそうだからです。
実際私もそう思っている部分があったし、その状況では娘を守って戦えない。

しかし、だんだんと不登校の娘について私自身が勉強し、母として子供を守れる自信がついてきたように思います。
なので、まあずっと隠していようとも思っていませんでした。

近隣に嫁いだ妹もおりまして、妹の性格的に躊躇われはしたのですが、同じ年ごろの子供を持つ親として、まあなんとかなるだろ!と思ってしばらく経った時に言いました。

妹はまず最初に「いじめられているの?!」と聞いてきました。
なかなか理解するのは難しいようです。
そりゃそうでしょう。私だって難しいんですから。

案の定、「家にいるほうが楽なのはわかる。でも今頑張らないと・・」などと本人に直接言いはしませんが、私にメッセージを伝えてきました。
心配してくれていて、もどかしく思う気持ちは良くわかります。

しかしね、そうやって発破かけて頑張って学校に行けるなら、不登校になってないから!
むしろ頑張っていた、頑張りすぎていたから今こうなっている。(らしい)
今姪や甥のまわりにもたくさんいるはずです。

「甘やかすから・・」
「親が優しいから・・」
「家の居心地がいいから・・」

そうなのかもしれない。
私にはわからない。

じゃあ、上の子は厳しく育てて、下の子には甘かったの?
上の子は居心地悪かったけど、下の子には居心地のいい家なの?

そうなのかもしれない。
そうなのか?

娘が休み始めた頃、上の子に一度言われました。
「オレが休みたいって言っても休ませてくれないでしょ」って。

そんな簡単に休ませるのかよ、と思っていたのかもしれないですね。
息子だから休ませず、娘だから休ませたのではないです。もちろん。

「毎晩泣きながら、学校に行きたくないって訴えて、学校で休み時間も授業中もずーっと机に突っ伏してるって先生から報告があったりすれば、もちろん休ませる」
と私が言うと、「そうなの??(妹はそんな状況なの?)」とびっくりしていました。
家で息子が見ている姿とは違う面があるとここで初めて認識したようです。

さて、1年生の3学期も中ごろのある日、私の実家の家族に娘が学校に行けていないことがばれてしまいました。(そんなに隠そうとは思っていませんでしたので)
「いじめられているの?!」と兄。
やっぱり兄弟ですねぇ。(あ、妹だった)
そういうわけではないけれど、お友達とのトラブルが小学校時代にあったこと、色々と過敏なこと、考えすぎてしまうこと、思春期なこと、ささいなきっかけ。いろいろと話しましたが、私だって理解できないことばかり。

しかし理解できないながらも、どうしたらいいのか考えてくれているようで、有難いことに色々と助言してくれます。
すぐに「あまやかし」だとか「母親が・・・」とも言われますが、私も打たれ強くなりました。
父親に至っては、すぐに「じいちゃんと遊びに行こう!学校に行くのと、じいちゃんと出かけるのとどっちがいいんだ!?」と冗談めかして言ってきます。
それはそれでまだ娘にはプレッシャーでしょうが、それでも受け入れてくれようとしている姿は伝わっているのだと思います。

何もかもを排除することはできないし、結局のところしても意味がないし、する気がありません。

この先長い娘の人生、いろんな人がいて、いろんなことがあるでしょう。
生き抜いてもらうために、物の見方とか、考え方を少しずつ身につけて貰いたいです。

映画をたくさん見て話をするのも、そういった意味で役にたってくれるといいのだけれど。

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