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ベンチャー気取るならちゃんとアドベンチャーして欲しい🚢

「給与で会社選びするような人とは一緒に仕事したくありません」
ノースサンド社の公式見解かどうかはわかりませんが、その後における弁解や陳謝があったという話は聞いておりませんので、ほぼ公式見解と捉えられてもおかしくない状態となったでしょう。
まぁ人の噂も七十五日と言いますが、案外もう忘れた人もいるかもしれません。
確か求人に掲載されていた年収は360-500万円と記憶していますが、そんな企業がどこにオフィスを構えているか言うと、銀座でございます。
銀座と言えば東京の一等地。ご存じ、家賃は高額でございます。
ちょうどノースサンド社の入っているフロアの上あたりで募集が掛かっていたので、ノースサンド社の年間家賃を試算してみたのでありますが、結構なものであるとはわかりました。
「年間家賃1億円のビル借りてて従業員に金出せないの?」
と考えてしまったものですが、ともあれノースサンドさんは銀座にオフィスがございます。

取り合えずノースサンド社のような企業に思ったことは上の2記事に書いたとして、今日はそこに付け加えて思うことを書いてみます。

🗼場所のブランド力はアンタのブランド力違うで

ITベンチャー企業によく見られる行動ですが、妙に表参道だとか、青山だとか、六本木だとかにオフィス構えたがりませんか?
渋谷はある程度集積してしまっているから仕方ない面がありますが(それでもシリコンバレーや深圳には到底敵わない)、妙に東京の一等地にオフィス構えたがるんですよね。
要は自社のブランド力を場所のブランド力に乗せよう的な考え方なんでしょうが、ぶっちゃけノースサンドなんて社名、炎上起こされるまで知らない人が大半だったでしょ?
どちらかと言うとノースサンド炎上事件を通して「ノースサンドが銀座にオフィス構えてるのを知った」と言う人が多いんじゃないでしょうか。
確かに銀座という土地にはブランド力がありますが、銀座にブランド力がある=貴方の会社にブランド力があるわけではないということをです。
オリガミなんて六本木ヒルズ入って年間家賃3億円払ってましたけど、ブランド力ありました?
PayPayに叩き潰されましたよね。倒産したわけです。倒産してはじめてオリガミという会社を知った人も少なく無いのではないでしょうか。私はその1人です。

🏢ヒルズに入ったところで恰好良くはない

一昔前の稼げる系情報商材(高額塾)のセミナー開催者って、決まって「場所に縛られずに稼げる」とか言ってたんですよ。でもセミナー開催って決まって東京なんですよね。
「じゃあお前はなんで東京に縛られてんの?」って思うじゃないですか。
で、彼らは都心のタワマンに住んでることを自慢したりもするわけですが、不思議と見ていて羨ましさを感じなかったんですよ。
もう見ていて「なんで東京なの?」という疑問しかなかったですね。
これはそのまんまITベンチャー企業にも言えて、何か表参道やら赤坂にオフィス構えて気取るような雰囲気は好きでは無かったわけです。
有り体に言うとね、私はベンチャー企業自体は働きたい系統だし、保守的な職場って苦手です。
ただ、一等地にオフィス構えて自社の栄光を自慢したいかのような行動は、どちらかというとコンサバティブな考え方に近いんじゃないかと思っています。

🚢本当の「ベンチャー」とは何か

これは完全に主観で言いますが、本来ベンチャー企業の「ベンチャー」という言葉は「アドベンチャー」から来ているわけですよ。アドベンチャー、即ち冒険をすることです。もしかしたら最近はベンチャーという言葉はあまり使われなくなって、スタートアップという言葉が主流なのかもしれません。
ただ、ベンチャーと言うなら、東京なんかより地方に本社構えた方が「アドベンチャーなんじゃないの?」って感じがします。

例えば東京出身の女性が気仙沼で漁師育成のための事業をするって、結構アドベンチャーな感じしません?
きっと手探りだらけだし、わからないことだらけだと思うんですよ。
私なんかも親戚は全員埼玉県なんで、京都へ引っ越す時は遠く離れることを残念がられたわけですが、東京出身の女性ということなら家族もかなり心配したと思います。
そうした中でも使命感や未来へ何かを残したいという想いを持って、地方へ仕事に赴いていく。これこそが「ベンチャー」だと思うわけです。
六本木や銀座に高額オフィス借りて踏ん反り返ってる企業より、気仙沼で魚と汗にまみれて気仙沼発展のために頑張る女性、どっちがベンチャー的でカッコいいかと聞かれれば後者だし、東京は地方に支えられて生きてるんですから、東京で高級オフィス借りて踏ん反り返るなど、カッコ良くも勇ましくも無いわけです。

🌐ITベンチャーはちゃんとアドベンチャーして欲しい

やっぱり今も顧客は東京に多いでしょうから、東京オフィスがあること自体は有用です。ただ、顧客回りする営業チームを置く必要はあっても、必要最小限で良いと思うんですけどね。
まして年間家賃1億円かける価値あります?
東京本社の為に年間固定費1億円以上かけるなら、蕨本社にでもして従業者にお金を払って欲しいと思います。お金の動きを家賃から社員の給料へと変えた方が社員の帰属意識は向上し、売上もアップするでしょう。
とは言え、ITって本来、本社の場所に縛られる必要は無いと思うんですけどね。
上の記事では下田市を引き合いに出しましたけど、実はタイムリーな話題として下田市には市が引き取った廃ホテルがあります。

結構大きいですし、何かの本社ビルとして使えそうですよね。
実際問題としては東京との関わりをゼロにするのは難しいですし、一程度は東京へ行くことは発生すると思います。
それを考慮して、多少東京と近く置くには下田は踊り子1本で東京駅まで行けますし、小田原本社なんてやったとすれば、ロマンスカー1本で新宿まで行けます。
いわき本社とかやっても特急ひたち1本で、鴨川市辺りに房総本社なんてやったとしても特急わかしお1本で東京駅に行くことは可能です。みんな大好き竹中平蔵先生のパソナにしても淡路島へ本社機能を一部移転しますが、これは概ね私は好感を持っています。まぁ淡路島は元々半分パソナ島なんですが・・・。
まぁ最近は本当にベンチャーと言う単語をあまり耳にしなくなってきましたし、スタートアップという言葉の方が目にする機会も多いのですが、本当にベンチャーを名乗る(気取る)のであれば、キチンとアドベンチャーして欲しいと思います。
ベンチャーと言いつつ価値観がコンサバティブな東京企業なんて私は働きたくないですし、リクナビでもGreenでも「勤務地:東京」と書かれたスカウトは一社残らずゴミ箱送りに致しました。ある意味で、私もたくさんの企業を選考から落としたわけです。
結果的にこれまでのスキルを活かせて、かつ面白そうな大阪企業で働くことを選んだ私ですが、ベンチャーを自負する企業には東京なんかに本社を構えてないで、小田原だろうが豊橋だろうが、地方都市に本社を構えながら汗水垂らしてアドベンチャーする方がベンチャーらしいと思います。
東京のオフィスでタンブラー構えてカタカタやるだけが仕事じゃないんですよ。

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