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「AZALEA 1st LoveLive! ~In The Dark /*秘密の物語*/~」を終えて~私は物語を浴びた~

2021年8月14、15日の2日間、ゼビオアリーナ仙台にて「AZALEA 1st LoveLive! ~In The Dark /*秘密の物語*/~」が開催されました。

2020年3月7、8日にゼビオアリーナ仙台にて開催予定だった「AZALEA First LOVELIVE! ~ Amazing Travel DNA ~」が世界的な感染症の流行により延期となり、今考えるとあまりにも早すぎた2020年6月3、4日の振り替え公演はできるわけもなく、今度こそはと機会を改めて2021年2月27、28日に武蔵野の森総合スポーツプラザにて開催予定だった「AZALEA First LOVELIVE! ~Amazing Travel DNA~ TRY AGAIN」も中止となり、4度目の正直となります。

新しくアルバムが出て「Guilty Kiss 2nd LoveLive! ~Return To Love ♡ Kiss Kiss Kiss~」「CYaRon!2nd LoveLive! ~大革命☆Wake Up Kingdom~」と並列の関係にあるため、1stライブながら副題は変わってしまいました。

変異株の影響か感染者数が増大の一途を辿る中、再び雲行きが怪しくなってきた中での開催でした。

加えてメンバーのひとりが体調不良で出演見合わせる中での開催でした。いろいろと思うところもあったでしょうが、対策をあれこれ講じながら開催に踏み切ってくれた演者や関係者のみなさんに感謝します。

もちろん最良の展開は2020年3月7、8日にストレートで開催できていたことですが、不遇に見舞われ続けたからこその想いも確かにそこにはあって。私としては「3時間弱のパフォーマンスを観た」だけでは留まらない「1年半の物語を浴びた」と形容したくなるライブでした。

以下、ネタバレを含みますので何の情報も得ずにいつか発売されるだろうBlu-rayで直接この身で体感したいんだ! という方はここで引き返すことをお勧めします。

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こちらはキャストのライブ直前インタビューです。AZALEAにかける想いを、ライブにかける想いを知ることができますのでご都合とご興味があえば是非。と前置きしたところで、MCか幕間が挟まるブロック毎にライブを振り返っていきましょう。

01:We'll get the next dream!!!
02:PHOENIX DANCE
03:INNOCENT BIRD

いきなりドドンと新曲2曲。AZALEAといえば「純心」とか「恋愛」とか淡いピンクのイメージが強かったユニットでした。「Amazing Travel DNA」あたりから少し方向性が変わりつつあり、1stユニットアルバムに新録された楽曲はカッコいい曲が多く、違った一面を見せつつあります。そこから2曲と「INNOCENT BIRD」ということで、このブロックは「カッコいい大人AZALEA」を意識した選曲と言えるのではないでしょうか。

「We'll get the next dream!!!」は今のAZALEAが、今の私たちが置かれている状況を歌ったこの時勢ならではの楽曲。「どんなことが起きてもなんとかしましょう」「信じてください」「また遊びましょう」などの歌詞がいちいち心に刺さりました。

「PHOENIX DANCE」は情熱的。情熱的と言えば同じく黒澤ダイヤ役の小宮有紗さんが歌っていた「真夏は誰のモノ?」が思い出されます。相変わらず首や腰のメリハリのある動きが素晴らしく、妖艶という表現がぴったりでした。美しい。これから何回か出てくると思いますが、このライブのそれなりの時間を「小宮さん美しい……」という感想に費やしています。

「INNOCENT BIRD」は2ndシングルのカップリング曲で、AZALEAに対して初めてSっ気を感じた楽曲。国木田花丸がマイクのコードを鞭のようにあれこれしている振り付けにじわじわと衝撃を受けた2ndライブが懐かしいです。そんなコード付きなんちゃってマイク、このライブで新調されたそうです。

最初の衣装は1stユニットアルバムの新衣装。黒とキャラカラーがアシンメトリーに配置され、キャストが向かって左を向くと黒一色になります。松浦果南役の諏訪ななかさんのロングコートとショートパンツの組み合わせが天才的で、ロングコートのスリットからダンスに合わせて“たまに”見える脚がポイントだと本人も語っていました。たまにどころの頻度じゃなかったけど。美しい。髪の差し色もカッコよかったです。

04:Jump up HIGH!!
05:SKY JOURNEY
06:メイズセカイ

ここで最初のMCが挟まります。自己紹介は大幅カット。コール&レスポンスもバッサリ。入場に手間取ったらしい1日目は開始時間が30分程度押していたので短縮を図ったのかと思いましたが、入場がスムーズだった2日目も同様だったので、どうせ声が出せずに不完全燃焼で終わるくらいなら、他のところに時間を使いましょうという采配だったと想像します。

衣装はそのままでタオルをスタンバイ。AZALEA楽曲にタオル曲ないよなぁと思ったら「Jump up HIGH!!」でした。ユニットバージョンも収録されている9人曲なのでユニット曲と言えばユニット曲なのか。言われてみればGuilty KISSCYaRonもやっていましたね。タオルの上下を間違えるのはご愛嬌。歌いながら踊りながらタオルの正位置を確認するの難しいよなぁ。

真の意味で9人曲のカバーの1発目は「SKY JOURNEY」でした。私の中ではかなり意外な選曲。どれくらいの人が予想できていたのでしょうか。自称「SKY JOURNEY JUNKIE」である私としてはどんな映像演出で魅せてくれるのかが気になるところでした。注目すべきは落ちサビ前の間奏のレーザー演出。円錐形にキャストを囲むキャラカラーのレーザーが振り付けに合わせて動くのです。手をバっと大きく動かすとレーザーもバっと大きく動きます。レーザーの中で炸裂する小宮さんのキックもカッコよかった。映像とのシンクロがあるわけではなく、想像していたものとは違ったものの、「SKY JOURNEY」の新しい形を見たような気がしました。

「メイズセカイ」はBPM170とAZALEAにしてはテンポの速い楽曲です。AZALEAの魅力のひとつは比較的身長の高い3人による四肢の長さを活かしたダンスだと思っています。アップテンポなサビでときに大きく、ときに小さく使う手の動きがよかったです。キャラカラーの手袋が存分に活きていました。

07:Perfect SEKAI
08:もっとね!

ソロ曲のターン。今のところ9人分揃っているソロ曲はアニメ2期特典曲と誕生日曲の2曲です。これまでのユニットライブではまだ後者がリリースされていなかったので当然ながら前者でしたが、今回は後者でした。この流れがわかった瞬間に「あ、これはCYaRonの次のライブで狂気のコットンキャンディえいえいおー! が聴けるな??」と思ったのは私だけではないはずです。後日CYaRonのCDを積み増したのは私だけではないはずです。

「Perfect SEKAI」はプロモーションビデオのままの和装小宮さんが美人過ぎました。これに尽きます。後のMCによればイラストレーターの慧子さんが黒澤ダイヤと小宮さんの間になるようにデザインされたそうです。それはつまりどういうこと? 2次元だけど2.5次元ということ?? 「幻想と現実の区別くらいついてる 疑ってるのですね」という歌詞に対していやいや区別がつきませんと首を横に振ることしかできませんでした。日本刀を使った殺陣も綺麗でくるっと回るとふわっと広がる袴がお気に入りです。

「もっとね!」は麦わら帽子に白ワンピの諏訪さん可愛過ぎました。これに尽きます。夏の風物詩。ただの美少女かな? ライブ衣装としては珍しくコットン生地を採用し、諏訪さんとしては珍しくキラキラした可愛いアクセサリ類を全拒否したらしいです。シンプルイズベスト。スカートは20 mの生地を使っているとのことで、こちらもくるっと回るとふわっと広がりそうです。個人的には冬のデュオトリオのようにカッコよく決めた諏訪さんが好きなのですが、こういうのを見せられると「可愛いのもいい……」と心が揺らぎます。

09:”MY LIST” to you!
10-1:Landing action Yeah!!
10-2:ホップ・ステップ・ワーイ!

MCを挟んで衣装はそのまま次のブロックへ。黒くて美しい小宮さんと白くて可愛い諏訪さんの対比が面白かったです。

カバー曲の2発目は「”MY LIST” to you!」でした。恋愛曲なので候補のひとつに十分なり得た楽曲です。曲の冒頭から、高海千歌役の伊波杏樹さんが歌うと死人が出るほど破壊力抜群の「甘えてみる」のパートをどちらが歌うのかが気になって仕方ありませんでした。和装小宮さんでした。何人か死んだ。イルカとペンギンのぬいぐるみを持ってのパフォーマンスは可愛かっです。一方で「”MY LIST” to you!」はサビの手の動きがたまらなく好きなので、ぬいぐるみで手を封じられたことにより、それが見られなかったのは少しばかり残念でした。

「Landing action Yeah!!」と「ホップ・ステップ・ワーイ!」は全国を巡った過去のファンミーティングですっかりカラダに染み付いているので、曲が流れると自然とカラダが動いてしまいます。みんなが踊れる楽曲とトロッコの相性は抜群です。

11:GALAXY HidE and SeeK
12:メタモルフィズム
13:待ってて愛のうた

「GALAXY HidE and SeeK」の衣装で「GALAXY HidE and SeeK」を披露。そういえばAZALEAは何故か衣装に袖がないことを思い出しました。これだけ踊れるのだから筋肉がないわけではないはずなのに、決して筋肉質ではなく程よい柔らかさが感じられる腕肩まわりの造形の美しさに見惚れていました。小宮さんには小宮さんの、諏訪さんには諏訪さんの良さがあります。何の話をしているんだ私は。

「メタモルフィズム」は新曲のひとつ。大変申し訳ないですがあまり印象に残っていません。画面に写された虹色の蝶が綺麗だったなぁくらい。

9人曲のカバー3発目は「待ってて愛のうた」でした。こちらも恋愛曲なので候補のひとつに十分なり得た楽曲です。ここにきてやっぱり「SKY JOURNEY」が浮いている気がします。恋愛的な解釈ができる曲なんでしたっけ。出会いと言えば出会いなのかしら。どのような意図で選曲したのか興味があります。

14:ときめき分類学
15:空中恋愛論
16:卒業ですね

MCを挟んで最後のブロックへ。「ときめき分類学」はドラマチックな舞台設定でした。理系のメガネっ子が恋愛に目覚めた感じがして好きなんですよね、この楽曲。カフェでお茶する小宮さんと花束を片手に階段に座り込む諏訪さん。告白でもするんか?? 「気持ちのフタを取ってみたら」でティーポットのフタを取るところが細かくてお気に入りです。むしろそれがやりかくてこの舞台設定にしたんでしょうか。

学んだら論文にまとめましょうということで「空中恋愛論」に繋がります。繋がってるか? 細かいことはさておき、ピンクの衣装と雲の流れる清々しい空の映像の対比が綺麗でした。サビで手を左右に振るところがお気に入り。

論文を提出したら「卒業ですね」ということで。この楽曲をどこに持ってくるかを考えるとアンコールの最後の最後はしんみりしすぎるので、アンコール直前のここしかありません。この曲ありきで手前の2曲を選んだのかなと思いました。今回は1年生の花丸が不在ということで卒業する側の3年生のダイヤと果南だけで歌うことになってしまい、それはそれで妄想が捗った人もいることでしょう。オレンジ背景にピンクのスポット浴びて歌う姿が美しかったです。

17:トリコリコPLEASE!!
18:LONELY TUNING
19:Amazing Travel DNA

トリコリコキャンディを実際に作ってみる体験映像を挟んでアンコール。特筆すべきはキャストたちが着ていたライブTシャツ。先にも述べたように本公演は4度目の正直であるため、ライブTシャツが3種類存在します。しかしキャストの体はひとつしかないのでどうしたのかといえば、3枚のTシャツをアレンジして合体させていたのです。アンコールでライブTシャツを着る意味のひとつはファンとの一体感醸成だと思っています。いろいろなTシャツの選択肢があるファンと効率よく一体感を得るための方法がこの魔改造でした。ナイスアイディアだと思います。

「トリコリコPLEASE!!」は何度となく聴いていますが何度聴いてもいいですね。赤黄緑のレーザーの一斉掃射が舞台を一層盛り上げてくれました。このド派手な照明演出を最後の最後まで温存していたのが憎いですね。クラップ楽しい。

このあとの1日目の小宮さんのMCが印象的。「二人でパフォーマンスをやるか今回はステイするか。ここで止まってしまったら、より先がわからなくなっちゃう。だったら進み続けていつでも合流できるようにするのもあり。走り続けていればいつでも参加できるから」という旨のことを話されていました。これは本当にその通りで、このキセキの仙台公演は「キセキヒカル」の歌詞にある「動いてないと探せない 休んでも止まらないで」を貫いた結果だと思いました。

「LONELY TUNING」でワイパーとトロッコを楽しんだ後に、最後を飾ったのは「Amazing Travel DNA」でした。2日目にはお知らせもあって「ラブライブ!サンシャイン!! AZALEA 2nd LoveLive! ~Amazing Travel DNA Reboot~」の開催が発表されました。時間や場所や困難を乗り越えてやってきたこのライブはまだ旅の途中。何なら遅れを取り戻したに過ぎません。
「旅はここから!」
「旅は続きます!」
まさにまさに。AZALEAの楽曲の中でこれほど最後の曲に相応しい曲があるでしょうか。2日目にはキャラクターカラーの3機の飛行機が仙台から横浜に向かう特別映像もあり、これ以上にない最高のフィナーレでした。

まとめ

公演お疲れさまでした。Aqoursメンバーがワンマンで有観客かつ声出し禁止のステージに立ったのはこれが初になるんじゃないでしょうか。AZALEAは他のユニットに比べると声を出す必然性が低く、クラップやワイパーで楽しめる曲が多いため、声の出せない環境下でも本領を発揮しやすいユニットだと思っています。実際、特に物足りなさを感じることなく存分に楽しむことができました。しいて物足りなさを挙げるとすればメンバーが揃わなかったことでしょう。AZALEAの中で歌唱を引っ張るのもトークを引っ張るのも高槻さんだったため、彼女不在の公演がどうなってしまうのか心配していた部分もありました。高槻さんのパートをCD音源だけでごまかさず、ちゃんと2人でカバーするなどの頑張りもあり、メンバーが揃っていないことを感じさせない素晴らしい公演だったように思います。ダンスの振り付けや立ち位置も一部変更したんじゃないでしょうか。念のために断っておきますが、これは2人でも十分にパフォーマンスで魅せられると言いたいわけではなく、2人でもこれだけ素晴らしいものを作り出せたのだから、3人揃ったら一体どれほどAmazingな世界が待っているのだろうとより期待が高まったという話です。体調優先なので次の公演で3人揃うとは限りませんし過度な期待を背負わせるのもよろしくない気がしますが、いつの日かまた3人のAZALEAのパフォーマンスが見られる日を楽しみにしています。

余談
1日目が終わった後のオンライン打ち上げで「いつまでも公演回数周回遅れでいるのも面倒なのでAZALEA追加公演あるかもね」みたいな話をされたんですが、10月末からだいたい週末Liella! のライブでやる暇ないじゃんと一蹴したんですよね。まさか平日開催でくるとは思っていませんでした。11月15日(月)と11月16日(火)とはねー……って11月15日(月)はLiella! の北海道公演と被ってるじゃん!

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