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スクスタはマイネット送りで起死回生するのか死んでしまうのか。

あー終わるかなーこれは。

これが私の率直な感想です。その情報はちょっぴり早いクリスマスプレゼントの如く、しれっとお知らせされました。しれっと。

内容を引用すると以下の通りです。

株式会社ブシロード(本社:東京都中野区、代表取締役社長:橋本義賢)は、KLab株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森田英克)および株式会社サンライズ(本社:東京都杉並区、代表取締役社⻑:浅沼誠)と共同開発しているスマートフォン向けアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」(以下、スクスタ)が、2022年1月6日(予定)より日本語版の配信元(パブリッシャー)をKLab株式会社より株式会社ブシロードへ変更し、Global版の配信元(パブリッシャー)をKLab株式会社よりBushiroad International Pte. Ltd.へ変更を行うとともに、開発・運営を株式会社マイネットゲームスへ移管することをお知らせします。

スクスタ公式ページより

これはつまり簡単にいうと、ゲーム起動時に「くらぶげーむす、さんらいず、ぶしも」と喋るキャラクターボイスが来年早々に「ぶしも、まいねっとげーむす」に変更になるということです。発表から切り替えまでの間に「まいねっとげーむす」の収録30人分するのかな……。

KLab株式会社は2021年1Qの決算でスクスタに関する減損損失を計上しており、収益があがらなければもはやただの負債という危機的状況ではあったのですが、どうやらどうにも支えきれなくなったということでしょう。プレイしている体感としても特に購買意欲をそそる大きなリニューアルはなく、売上も減少傾向にあったので、内部のコスト削減で盛り返せていない限り収益改善ができていなかっただろうことは想像に難くありません。

時を同じくして減損損失を計上していた「テイルズ オブ クレストリア」はといえば、2022年2月7日にサービス終了することが、2週間前の2021年12月8日に発表されています。状況が全く同じというわけではないので比較することに意味はありませんが、株式会社マイネットゲームスが買い取ってくれただけ、まだマシなのかもしれません。

株式会社マイネットのスクスタ譲渡に関するお知らせを見てみると、1年間の売り上げについて2020年の売上高の10%以上を見込んでいることがわかります。2020年の売上高は決算資料によると115億円なので、月々1億円程度の計算となり、最近のスクスタの売上実績に比べると少し低めながら妥当な見込みという印象です。逆にいえば、現状維持で目標到達できるので、大改修コストをかけて大幅リニューアルして失った顧客を取り戻そう! という気概はあまり感じません。というかそもそもそういう方針の会社ではありません。どちらかといえば、コスト削減に努めつつ今の顧客から搾り取……顧客を失わない方向で頑張るんじゃないかなと思います。マイネットゲームスの柱にでも据えない限り、運営が変わったところでゲーム全般の触り心地がよりよくなったり、新曲に合わせてタイムリーに3Dモデルが出てくるようになったりは期待できませんし、むしろ新規衣装3Dモデルの登場頻度や新規MV楽曲の更新頻度が減ったりするんじゃないでしょうか。言葉を選ばずにいえば延命措置のようなものです。

かつて「ぷちぐる」が1年待たずにあっさりサービス終了宣言したように、「スクスタ」も3年待たずにあっさりサービス終了宣言してもよかったのかもしれませんが、事情が少し異なります。「ぷちぐる」がなくてもμ'sとAqoursは全く困らなかった一方で、「スクスタ」がなくなるとそこから生まれた虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会がいくらか困ってしまうのです。追加キャラクターたちのユニットファンミに4thライブにアニメ2期。これらが控えている今、スクスタの歩みを止めずに済む方法があるなら延命にすぎなくても止めないほうがいいことは理解できます。

じゃあいつまで生き延びれば許されるのか。

ひとつの節目はアニメ2期の終了かなと私は思っています。アニメ2期には追加キャラクターである三船栞子、鐘嵐珠、ミア・テイラーが登場することが決まっています。だいたいスクスタのストーリー構成の悪評の影響で万人に好かれているとは言い難い彼女たち。アニメ1期の構成がよくできていただけに、彼女たちをどのように調理して、より多くの人から愛されるキャラクターに仕上げてくれるのかは楽しみのひとつです。アニメ2期がうまくいって彼女たちを救済することができれば、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の軸足をスクスタからアニメに移す道筋が見えます。これらは似て非なる時空なので、それがスクスタにとって良いことなのか悪いことなのかは難しいところですが、「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の12人を世に羽ばたかせる一定の役割を果たすことができた」という幕引きの大義名分は作ることができます。スクスタが死んでも、アニメはいるもの。

延命している間に、アニメ2期と並んでスクスタのメインストーリーもキリよくまとめておきたいところです。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にスポットが当たっていた1stおよび2ndシーズンとは打って変わって、3rdシーズンではμ's、Aqoursと順にスポットが当たっています。ここにきてようやくALL STARS感が出てきました。3rdシーズンの予告を見たときの私の第一印象は「いよいよ盛り上がってきたな」というよりも「おやおや畳む準備をしてきたか」に近いものでした。ここから3校合同のデカい花火を打ち上げようとしたら、ちょうど3周年くらいに着地するんじゃないでしょうか。そのあたりで譲渡後1年を振り返る進退判断が内部であってもいいような気がします。

これらはあくまで私のイヤな予感でしかありません。いちファンとしては大いにハズれて起死回生してほしいところではありますが、それなりの覚悟はしておいたほうがいいんだろうなぁ。売上1億がひとつの大きなボーダーかなぁ。

余談
スクスタを切り離したことで、KLab株式会社の株価はどう動いたのでしょう。

スクスタ云々以前に11月下旬に何かがあったようです。決算発表があった11月上旬はむしろ上がっていますし、プレスリリースを見る限りは下がる材料が見当たりません。一体何があったのでしょう。1ヶ月で25%以上減はなかなかインパクトが大きいのでは。スクフェスがまだKLab株式会社に残っていることもあって、スクスタの今後と合わせて気になります。

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半年前から危機感はあった話。

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