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何度でもシャッフルしたい「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内シャッフルフェスティバル」だった。

2021年3月20日、21日に開催された「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内シャッフルフェスティバル」が想像以上に楽しかった話です。

ネタバレが含まれますのでまだ発売が公表されていないだろうけれどきっと発売されるBlu-rayを見るまで知りたくないという方は回れ右していただければと思います。一部アニメの内容にも触れますので2021年4月から始まった再放送でこれから楽しむ方もご承知おきください。

シャッフルフェスティバルは「スクスタ1周年を記念した、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のスペシャルイベント」という建付けで行われたライブです。イベントコンセプトは端的に言えば楽曲交換。スクスタのゲームの特徴のひとつに好きなキャラクターを好きな衣装で好きな楽曲で踊らせることができるというものがあり、なるほど、それを存分に活かした設定というわけです。この子は何の曲を歌うのか。この子の曲は誰が歌うのか。事前にファンによる投票が行われており、結果は本番でパフォーマンスと共に明らかとなりました。

1日目のセットリストは以下の通りです。

01:虹色Passions!
02:未来ハーモニー
03:NEO SKY, NEO MAP!
04:夢への一歩/エマ・ヴェルデ
05:ドキピポ☆エモーション/桜坂しずく
06:Evergreen/近江彼方
07:Starlight/三船栞子
08:ダイアモンド/宮下愛
09:眠れる森に行きたいな/天王寺璃奈
10:決意の光/優木せつ菜
11:めっちゃGoing!!/朝香果林
12:あなたの理想のヒロイン/上原歩夢
13:CHASE!/中須かすみ
14:TOKIMEKI Runners(10人ver.)
EN01:Love U my friends(10人ver.)
EN02:Just Believe!!!

2日目はなんと再シャッフル! ということもなくシャッフルパートの曲順がシャッフルされていただけなので興味があれば各自で調べていただければと思います。順を追って私なりの振り返りを。

01:虹色Passions!
02:未来ハーモニー
03:NEO SKY, NEO MAP!

「ウソやろ!?」
これがポップでキュートなキャラクター紹介映像の後にイントロを聴いたときの私の第一声でした。アニメのオープニングはアニメをテーマにしたライブまでお預けだと思っていたからです。せいぜいテレビサイズでしょと思っていたらまさかのフルサイズ。びっくり。衣装は未来ハーモニーだったので本家衣装はお預けとなりました。

というわけでその衣装で歌わないわけがない未来ハーモニー。観客を前にしての披露は初となります。

何回観ても破壊力の高い決めポーズの彼方としずくです。いやそこの破壊力が高すぎただけでみんなそこそこイチャイチャしてますね。

このあと傘を手に持ったところで二度目の「ウソやろ!?」が飛び出します。エンディングテーマまでフルバージョンで披露とは……! ところでこれ、シャッフルフェスティバルですよね?? 10人のライブですよね?? 9人曲をこんなに入れてくるとは思ってもいませんでした。

オープニングとエンディングの細かい感想はこの目で実際に観た後にじっくり語りたいと思います。現地開催されてくれ、3rdライブ……!(切実)

04:夢への一歩/エマ・ヴェルデ

指出毬亜さんの綺麗すぎる歌声に痺れました。初手にしてこのシャッフルフェスティバルでいちばん刺さったような気がします。落ちサビの透き通った高音の伸びが心地よかったです。本家より上手いのでは……というと怒られそうです。一部語弊があります。本家こと大西亜玖璃さん曰く、この曲は頑張っている感を出すために収録で敢えてキーを上げたそうです。その采配は正しくて、2ndライブの感想で触れたように、歩夢というキャラクターが歌う「夢への一歩」は、上手く歌い過ぎないところに応援したくなる魅力があると私も思っています。上手く歌い過ぎても問題ない伸び伸びとした「夢への一歩」はシャッフルフェスティバルだからこそ許されたと言ってもいいのかもしれません。キーを上げた原曲よりさらにキーをひとつ上げて歌いきる指出さん。えぐい。「La Bella Patria」を生で聴いたら死んでしまうことを確信しました。現地開催されてくれ、3rdライブ……!(切実)

05:ドキピポ☆エモーション/桜坂しずく

見せ場のひとつである「璃奈ちゃんボード」ならぬ「しずちゃんボード」はアニメ第8話の中で璃奈がしずくを拘束する際に使ったもので、見せ方が上手いなと思いました。第8話はしずくが他人の評価を気にせず本当の自分を表に出すようになる話でした。意図的に自分を表に出さなかった彼女が、意図しても自分の感情をうまく表に出せない璃奈の曲を楽しそうに歌っている(演じている)という構図になっており、なかなか考察しがいのある組み合わせでした。しずくがドキピポを踊っていると深い一方で、前田佳織里さんが少しふらつきながらドキピポを踊っていると思うとじわじわくるものがあります。これは前田さんがどうのというわけではありません。誰が踊ってもだいたい滑稽になるだろうこの特殊な楽曲を、バランスを崩さずに踊りきる本家の田中ちえ美さんの体幹の強さと璃奈のキャラクターの強さを改めて感じました。

06:Evergreen/近江彼方

彼方にはもっと目が覚めるような楽曲をあててみたかった気もしつつ、これはこれで良いものを観ることができました。歌の上手い鬼頭明里さんによる歌の上手い指出さんのカバー。興味深かったのはキー設定で、原曲からひとつ下げています。鬼頭さんの能力的には原曲のままでも問題なく歌えたのでしょうけれど「彼方らしさ」を追求した結果として下げたのだろうと思います。癒し系ソングを見事に入眠ソングにしてくれました。

07:Starlight/三船栞子

ようやく小泉萌香さんの出番です。開幕一発目は10人曲だとばかり思っていたので、観客を入れたライブではここが彼女の初お披露目になります。初お披露目が他人の楽曲でよかったのかと思わなくもありませんがそれはそれで貴重な経験ということで。持ち歌である「決意の光」と同じカッコいい路線なので良くも悪くも違和感なく聴くことができました。ところで私が小泉さんを認知したのは「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」でした。それだけの理由で「Starlight」になったとかそんなわけ……ないとも言い切れない。

08:ダイアモンド/宮下愛

これ元から愛の曲だっけ?? そう思えるくらい自分のものにしていて感心しました。途中に入る台詞も「なんつって」とか「天才」とかちゃんと愛さんバージョンに変えてくる拘りっぷり。見せ場の「L・O・V・E・愛さん」を声に出せない現地はさぞツラかっただろうと思います。このときだけは自由に声の出せる配信でよかったです。このときだけは。村上奈津美さん曰く、この日のために「自分は世界でいちばん可愛い」と自分に言い聞かせてきたそうです。その行動がもう可愛い。少し息切れ気味で、シャッフルしても運動量の多い楽曲からは逃げられない運命にあるのだと思いました。

09:眠れる森に行きたいな/天王寺璃奈

新しい森の入り口を発見しました。無難な組み合わせだなと油断していたら刺されました。璃奈や田中さんのファンは死んでしまったのではないでしょうか。私の中で二番目に刺さったと思います。田中さんの一朝一夕で真似できない持ち味のひとつは、天然なのにケロケロに加工したかのような歌声が出せることです。璃奈のデジタルな楽曲たちは彼女の特徴的な歌声があってこそだと思っています。では逆に璃奈の特徴的すぎる歌声は他の楽曲に合うのかという話で、ちゃんと合うんだよということを示してくれたのがこの「眠れる森に行きたいな」でした。璃奈を含む4人でユニットを組むQU4RTZのときから薄々感じてはいましたが、ソロでもちゃんと成立するんだな、と。何にでも合う彼女の声はVOCALOID化したら結構面白いんじゃないでしょうか。VOCALOID天王寺璃奈、後に実現可能なエイプリルフールの企画として絶妙なバランスだと思います。

10:決意の光/優木せつ菜

新生徒会長の楽曲を旧生徒会長がカバーしたということで、スクスタのストーリーに納得していない層にとっては、なかなか頭の痛い組み合わせだったように思います。こちらも良くも悪くも違和感のない組み合わせ。楠木ともりさんの振り絞るような高音は若さあふれる一方で喉への負担が心配になる時もあります。今回、原曲からキーをひとつ上げていてびっくりしました。若い。1日目は栞子寄りで、2日目はせつ菜寄りで歌ったそうですが、ちゃんと比較する前にアーカイブ期限が切れてしまったので、円盤発売後のお楽しみのひとつです。

11:めっちゃGoing!!/朝香果林

クール&ビューティーな果林先輩がこれを歌って踊るとこんなことになるのか。歌のおねぇさんみたいな感じでした。本家の村上さんがエクササイズのような踊りに苦労していたこの楽曲ですが、久保田未夢さんは余裕の表情で踊っていました。さすがです。i☆Risから培っているアイドルとしてのポテンシャルの高さは伊達ではありません。ちなみにi☆Risではイメージカラーがオレンジだそうです。思わぬ繋がり。方向音痴属性を持つ果林が「迷ったときは大きな声で言ってみよう!」と観客を煽るところは思わず笑ってしまいました。めっちゃ面白かったです。個人の好みにもよりますが「想像つかないけどやってみると意外とハマる」という私が見たかったシャッフルフェスティバルの一例でした。

12:あなたの理想のヒロイン/上原歩夢

「あなたの理想のヒロイン」が「あなた」の「理想のヒロイン」になるので刺さる人には刺さったことでしょう。清純派。がんばっている感じを出すためなのか、実は得意な音域が高いのかはわかりませんが、原曲からキーをひとつ上げていました。

13:CHASE!/中須かすみ

「9曲終わって残っているのは……」
「9人終わってのこっているのは……」
「マジか……!」
曲が始まる前にドキドキしました。これまでの「わからない」ドキドキではなく「わかってしまった」ドキドキ。これまた私が見たかったシャッフルフェスティバルの一例で「想像つかないけどやってみると意外とハマる」素敵なステージでした。かすみんだってカッコいい曲くらい歌いこなせますけど。アニメの第2話を観てからこの組み合わせを聞くと感慨深いものがありました。かすみとせつ菜。スクールアイドルに対する強い思い入れは共通しながらもその方向性の違いから仲たがいした過去を持ちます。なんやかんやあって多様性を受け入れ和解したかすみがせつ菜の「CHACE!」を歌うわけですよ。アツい。歌っていた相良茉優さんも歌詞にかすみとの親和性の高さを感じていたとのこと。原曲からキーをひとつ下げていました。かすみの声を作ったままでこの曲を歌うの大変だっただろうなぁ。お見事。

14:TOKIMEKI Runners(10人ver.)
EN01:Love U my friends(10人ver.)
EN02:Just Believe!!!

10人曲のターン。2ndライブのときもひと通り語っているので詳細はそちらに任せます。「TOKIMEKI Runners」は実家のような安心感でした。初披露されたテレビアニメのオープニングやエンディングと比べると明らかな練度の高さが伺えます。ライブTシャツを着て「Love U my friends」を楽しそうに歌って踊るキャストたちを観ていると、こちらも胸躍っちゃいますね。「Just Believe!!!」は今回がっつり振り付けがついていました。

まとめ

ともすればただのカラオケ大会になってしまうのではという危惧があったこのライブ。蓋を開けてみたらとんでもない。曲のキーを合わせたうえでハモりを新録するなど、しっかりと拘って作られていました。何よりキャストたちが「自分の担当キャラクターだったらこの楽曲をどう歌うか」について向き合ってくれたことで、カバーする側される側の双方の魅力を再発見することができました。この建付けはラブライブ!シリーズの中でも虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会だからこそできるユニークな企画だったと思います。別の組み合わせもいろいろと見てみたいので、第2回、第3回のシャッフルフェスティバルの開催を心待ちにしています。理論的にはうまく組みさえすれば第9回までいけるはずです。スクスタ2周年あたりで発表されたりしないかしら。

余談
ライブのコンセプトを考えると、開幕早々9人でアニメパートをそれなりの時間やったことについては、個人的にあまり納得していません。とはいえ感染症の流行であまり合わせで練習することができないだろうことから、3rdまでに場数を踏ませておきたい気持ちもわかりますし、そもそも3rdが本当に開催できるかどうかも怪しく、タイミングを伺って出し惜しみしている場合ではないこともわかります。現地開催されてくれ、3rdライブ……!(切実)

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