見出し画像

「ゴールデンカムイ」を読んでチタタプチタタプ。

君はゴールデンカムイを知っているか。

私は名前だけは聞いたことがあったものの、中身についてはよく知りませんでした。しいて言えば、スタンプラリーの無理ゲーっぷりがとんでもないと話題になったことで、北海道全土を股にかける物語であるらしいことを認識していたくらいです。

そんなゴールデンカムイが最終話を迎えるにあたり、全話無料で読めるキャンペーンを実施しており、いい機会だったので読んでみることにしました。これがめちゃくちゃ面白い。最終話を残して公開されている313話まで、寝食を忘れてしまうくらい一気に読み進めてしまいました。最終話もやがて公開されるそうで楽しみにしているところです。ここ最近noteの更新頻度が落ちていたのはだいたいゴールデンカムイのせい。嘘です私の筆が遅いだけです。

ただの血生臭いバトルものかなと思っていたら、ずいぶんと腹の減る話でした。アイヌ文化について丁寧に描かれており、特に料理に関する描写には力が入っています。キャラクターによる食レポも秀逸で、あらゆる料理が美味しそう……! あまり私には馴染みのない食材の料理も、いつか食べてみたいと思わせてくれます。食に関するアイヌの言葉もいくらか覚えました。チタタプチタタプ。感謝の言葉「ヒンナ」を覚えてからというもの、ご飯を食べながら無意識に「ヒンナヒンナ」と心の中で唱えるようになってしまいました。

当たり障りなくストーリーを説明すると「お宝の在りかを示す暗号を手に入れるために一癖も二癖もある連中を倒しながら北海道を駆け巡る物語」になるでしょうか。知力と武力のぶつかり合い。ここだけ抜き取ると「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン」に通ずるものがあります。

この一癖も二癖もある連中については、過去など背景がしっかりと作り込まれており、敵であっても読めば読むほどに愛着が湧いてくるので不思議なものです。どんな人生を歩んできた結果としてその立場にいるのか。登場からしばらく経って忘れた頃に過去が紹介されることもあり、過去を読んだうえで登場時を振り返ると、また違った味わいがあったりするので、ついつい2巡目も読みたくなる作品です。

今回の無料配信期間は2022年4月28日が終わるまでなので……明日いっぱいですね! 2巡目どころか今から読むと1巡目も怪しいところですが、ご都合とご興味があえば、手に取ってみてはいかがでしょうか(追記:なんと5月8日までの延びました!)。

作者さんのメッセージによれば、太っ腹無料配信をした理由のひとつは「一度無料で読んで頂いたとしても単行本を集めて何度でも読み返したくなる作品だという自信があるから」だそうです。その通りだよ! 無料配信期間で読み切れても読み切れなくても、いくらかの人は単行本に手を出すことになるのでしょう。

余談
実写化が発表されて、界隈が少しざわついていました。一癖も二癖もある連中を一体誰が演じるのか。アシ(リ)パさんは橋本環奈さんではと何の根拠もなく囁かれているようですが、なるほど、確かにめちゃくちゃしっくりきます。

この記事が参加している募集

#マンガ感想文

20,159件

頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となる。