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【毎週ショートショートnote】「生き写し」「バトル」

忙しすぎる。

仕事に遊びに充実し過ぎてカラダひとつではとても人生を回せそうになくなった僕はカラダをふたつにすることにした。

裏ルートで入手した生き写しドールは一見するとただの小さなデッサン人形。しかし赤い鼻を押すとむくむくと肉が盛り上がり、やがて僕が現れた。

「君は僕かい?」
「僕は君かい?」

成功だ。鼻が赤いことを除けば一卵性双生児も驚きの瓜二つ。マスクをしてしまえば誰も人間と人形の区別はつかないだろう。あとは役割分担をすればいい。

「早速だけど僕は遊んでくるから君には仕事を頼むよ」
「いやいや僕が遊んでくるから君が仕事をするんだよ」
「何を人形の分際で」
「何を人間の分際で」

ダメだ。考えることまで同じでまったく埒があかない。こうなったらこちらが強いことを見せつけるしかあるまい。

「「やるか」」
示し合わせたようなタイミングで双方戦闘態勢に入る。

「「いくぞ。最初はグー、じゃんけん」」
こうして終わりなき戦いの幕が切って落とされた。

(410字)


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前回のお題「塩」「人」

以下、今回の本文作成に至るまでのアイディアめも。

アイディアの羅列
生き写し:ソックリ、双子、ドッペルゲンガー、
バトル:戦い、勝敗、格ゲー、敵味方、

アイディアの組み合わせ
コピーとのジャンケンバトルの話:猫の手も借りたいので自身のコピーを作る。役割分担のためにジャンケンを仕掛けるが終わらない。

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