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オチのない話をしても良いじゃないか。

タイトルの通りだが、オチのない話を話すのは何故だか暗黙の了解でタブーとされている雰囲気を感じる。特にそう言われているわけではないが、オチのない話をした際に、「え、それで?」みたいな顔をされたり直接的に「なんの話だったの?」て聞かれることもある。関西方面ではオチない話をすると怒られるということを「秘密のケンミンショー」でやっていたが、昨今は地方性は全く関係なくそういった事例が起きている。

だけども、それでもオチのない途方もない話を私はしたい。そこに価値がないと評価されようとその体験談や経験を無下にして風化させてしまう方が本当の無価値ではないか。

オチを求める悪い習慣から解放されて、喫茶店の何気なく流れてる音楽のように、またはラーメン屋で流れている競馬のラジオのように、または自然や動物たちが織りなす自然音や都会にこだまする電車の音や掲示板の音声CMのように、普段聞いてるはずなのに受け流されていく音たちと同じように、オチのないストーリー、without punch lineをリリックしようじゃないか。

聴いてください。「中華屋のメニュー」

先日、お客さんのまばらな中華屋さんに初めて訪れた際に、何を食べようかと思って壁に貼り付けされている油で汚れた縦書きのメニューを見ていたら、

ラーメン700円
ワンタンメン750円
チャーシューメン900円
チャーハン600円
餃子400円
半チャーハン300円
ラーメン半チャーハンセット950円
ラーメン餃子セット950円

その日はワンタンメンをなんとなく食べたくなったのでワンタンメンを注文。気立の良さそうなおばさんが注文を大声で厨房に伝えて、背骨が捻れて右肩が上がっている店主さん(旦那さんかな?)が黙々と料理していく。

ワンタンメンができるのをスマホをいじりながら待っていたら、おばさんが「はいこれ」と言って渡してきたものが、お茶碗に入ったチャーハンと餃子が3個であった。

私「僕頼んでないですよ?」
おばさん「ああ、これサービスですよ」
私「サービスなんですか?」
おばさん「そうですよ。みんなにやってるよ」

私はサービスでチャーハンと餃子で料金に含まれているのですごくお得な気持ちになった反面、少し疑問を感じたので、おばさんが暇そうなうちに質問してみた。

私「これって半チャーハンなんですか?」
おばさん「いや違うよ。半チャーハンはもっと小盛りしたものだよ。」
私「ちなみに半チャーハンを頼むとこのサービスはどうなるんですか?」
おばさん「半チャーハンに茶碗のチャーハン分のチャーハンだよ。」
私「チャーハンを大盛りで注文したらどうなるんですか?」
おばさん「チャーハン大盛りに茶碗のチャーハンをつけるかお客さんに聞くよ。」
私「餃子とか餃子セットはどうなるんですか?」
おばさん「お客さんが困らなければ餃子3個サービスだよ」
私「…なんだか注文によっては大変ですね」
おばさん「まぁもうひくに引けなくなっちゃってね」

そんな話をしてたら奥で店主が「おい、ワンタンメン。」とおばさんを呼びつけていた。おばさんは「はいはい、お待ちどうさま」といってワンタンメンを運んでくれた。

ワンタンメンはスープは醤油でワンタンがしっかり染まっていてあっさり味。麺は細麺で喉越しがよくおいしくいただきましたとさ。

ちなみに茶碗チャーハンと餃子も美味しかった。
また食べに行こうかな。



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