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インスタントフィクション妄想解説#1「SF世界の食糧危機」

noteで投稿されているインスタントフィクションを勝手に解釈させてもらっています。どうも墓穴掘男です。

今日一回目になるインスタントフィクションは「パジャマで暮らしたい」さんが2020年10月29日に投稿した「耳掃除」。

妄想解説させていただきます。あくまで個人の会見であり、作者の意図を読み取ったものではないことはご了承くださいませ。
※下記から内容のネタバレが入っているのでぜひインスタントフィクションの記事から閲覧ください。


世界は食糧危機に陥っていた。

2XXX年。人類はある細胞の発見によって、医療革命が起きていた。
それは不老不死ともいわれるベニクラゲから発見された幹細胞「bPS細胞」を人間に培養することで、限界があるとされていた人間の細胞分裂は有限率を格段と伸ばし、再生能力が著しく向上。数百年前まで人類の寿命は80年とも言われていたが、bPS細胞を取り込んだ人間の寿命は200年の生命維持を実現できるようになった。

人類は病気にもなりにくくなり、長寿を手にすることができたのだが、bPS細胞にはある一つの欠点があった。それは細胞分裂の数が増えた分のエネルギー消費が年齢とともに著しく高まったのである。その結果人間は生命維持や長命を持続するために食料を多く消費しなければならなくなったのだ。歳を重ねれば重ねるほど食料を求めてしまい、その結果、世界全土に食糧危機を招く結果へと繋がってしまったのだ。

世界ではこの問題を解決に導くため、ある一つの結論に至った。
それは食料の無限化である。
bPS細胞を培養した人類には、極稀に発生する突然変異種の存在があった。それは細胞分裂が著しく伸びた有限率に対しても恐ろしく長い寿命をもったネオヒューマンの存在である。さらにその変異種は長命でありながら食料消費を必要に増やすこともない。人類はそんな変異種の存在に人類存命の道を託した。その結果、生み出されたネオヒューマンが「Foodman(食料人)」である。

Foodmanとは変異種のbPS細胞に記憶情報体を送り込むことで、その記憶をもとに細胞分裂を繰り返し、そしてエネルギーを再構築。元素から作り変えて情報を形にする能力を得た人類。簡単に説明するとFoodmanの体から出た物質や排泄物から食料をつくりだせるということだ。

そんな世界線の人類に生まれ落ちたFoodmanの日常を描いたのが今回の「耳掃除」なのかとおもいました。

Foodmanになることができるのは限られた変異種の人間のみで、人類の生存を託された分、Foodmanの生活は生命が続く限り、国の保証を約束され整った環境を手に入れることができる。そんな数少ないFoodmanたちのささやかな遊びが「耳掃除」。

主人公のFoodmanは冬の寒い時期にこたつでゴロゴロしながら耳搔きを3ヶ月も我慢していた。なぜそんなことをしているかというとFoodmanは自分の記憶から身体から出た物質や排泄物を食べ物に変換できるのだが、あるFoodmanインスタグラムで耳垢は自分が子供のときに食べた懐かしい食べ物が勝手に生成されることに気がついた。なぜそんなことが起きるのかは不明だが、専門家によると耳を支配している神経である中枢神経は脳の大脳皮質と直接繋がっており、記憶の深層心理につながる幼少期の記憶、つまり子供時代に食べた駄菓子や思い出と繋がって無意識に駄菓子を生成したのではないかと見解されている。

そんなFoodmanが3ヶ月我慢してためた耳垢を耳掃除していったい何が出てくるかを楽しみにしていたのだ。

最初に出てきたのはチュパチャップス。しかも好きなコーラ味ときた。まさに自分の記憶に準じた食べ物が出てきた。

その次はきなこ棒。一番好きな駄菓子じゃなかったけど駄菓子屋さんに行くと安上がりでついつい食べてた記憶があるから2番めに出てきたのかな。

そして「今日は豊作だ」っと言っているのがこの耳掃除を前回したときは耳垢が少なくて一回しかできなかったのかもしれない。だから豊作になるように3ヶ月も我慢したのかなと思われる。

そして次は大きなさくら大根。多分普通の「さくら大根」の商品じゃなくて、「でか!さくら大根」だったに違いない。さくら大根って駄菓子の中でも意外とチープなイメージがあるので墓穴掘男の友達も知らない人が多かった。わからない人は後でネットで調べてください。笑

そしてここからそのさくら大根をインスタにアップしたところ1000いいねしか貰えなくておもったより主人公のFoodmanは納得できなかったのかもしれない。だから#耳搔きでどんなのが出ていてバズっているのか調べた。

そして20万いいねももらっている「うまい棒コンポタージュ味」を発見。
実物が50年も見ていないということからうまい棒の会社である「やおきん」は食糧危機によって原料であるトウモロコシが激減し原価が高騰した結果、値段設定を維持することが困難となり50年前に倒産。それを長寿になった人類が懐かしんでいるのではないでしょうか。

食糧危機になった結果。まず真っ先にそのダメージを受けたのは駄菓子業界。そもそも食料が高騰したり、数が減っているのに駄菓子なんてもっとも食料として高尚な食べ物へとなってしまったのではないでしょうか。たぶん
この世界でもまだまだ生き残っている駄菓子やお菓子業界はCalbeeと明治くらいかもしれませんね。

ということでパジャマで暮らしたいさんのインスタントフィクション「耳掃除」を勝手に妄想解説させていただきました。

素敵な物語を作っていただきありがとうございます。

ぜひまた素敵なインスタントフィクション作ってください!!

それでは。さよならまた今度ね。

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