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出来事

朝が来た。

夜は終わった。

クーラーで冷えた身体を熱いシャワーで解凍した。

風呂場から出て微妙に時間が余ったから、スティックだけどそこそこ良いやつのコーヒーを淹れた。

ひと口飲んだあたりで家を出る時間になる。

時空が歪んでいる気がする。

朝、少しの間ボーっと呆けていると一瞬で十数分経っていたりすることがある。早朝のパラドックス。

朝に嫌われている。




やっと週末。明日は金曜日。

明日は仕事終わりに飲みに行く。職場の人達と。

好みの店ではないけれど、私の部署異動の歓迎会という名目で誘われたので断り辛かった。

仲良くなりたいと思っていた人も来るから、まあトントンか。でも、まだ僅差で行きたくないが勝つくらいには内向的不穏分子。

実際のところは、ひとりで好きなお店でご飯を食べて、バーで高くて美味しいお酒を飲みたい。

周囲には価値観を共に出来る人がほぼいない。

夜の街はひとりで楽しみたい。

あゝクソ飲み会よりシーシャ吸いたい。

本音がこぼれる。


不貞寝

今日も帰ってきてすぐに飯も食わず風呂にも入らず不貞寝をしていた。北海道に行く夢を見た。

北海道にはジェット機じゃなくて、そこそこ小さいプロペラ機で向かう。離着陸の際にガタガタいうので大変に怖い。固唾を飲む。

空港からは、大学時代に所有していたクーラーが効かないボロボロの軽自動車に乗っていく。

道中で行きつけのラーメン屋さんに寄った。お馴染みのセットメニューを頼んで食べた。学生証を見せると大盛り無料。店主に偽の学生証を見せた。

店を出てそのまま坂道を下っていく。道なりにしばらく進む。数十分くらいすると海岸線が見えてくる。

そこからまたしばらく行くといつものビーチに出る。

朝まで友達と駄弁ったり、しこたまお酒を飲んだり、でかい花火をしたり、好きだった先輩と肩を並べたりした。

夜のそこは真っ暗闇に包まれている。

私は水の中にどんどん入っていく。全身が水面に浸かると浮かび上がった。そして空を眺める。雲の隙間からは小さい満月が見える。

そのまま夢の海の中で眠った。


さっき起きた。

訳が分からない時間だった。

今日はもうおしまい。

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