見出し画像

出来事未満

何もしたくない日だった。

昨夜は朝陽が昇ってから寝た。無意味に。

今日は日曜日。全てがお休みの日。

私の全てが静止した。


掘る


休息日

私は今日の全てを諦めた。

三連休だからって忙しなく動き回ることはない。

自室の定位置にどっしりと構える。

何もしないを敢行する。
ここで言う何もしないは生産的な行動のこと。

積読を数ページずつ摘み食いし、雑誌の写真だけを流し見て、ドキュメンタリー映画をぼーっと眺める。

消費と浪費、内省と内観、瞑想と黙念。


「場所はいつも旅先だった」

サンフランシスコの24時間ダイナーでカップルが政治の話をしているとき、シギリアの若い僧侶は寺院の床を箒ではいている。マルセイユの漁師がまだ日ものぼらない朝霧の中、相棒と船で沖に出ているとき、メルボルンのカフェでは夜勤明けの警察官がフラットホワイトをすすっている。台北のフィッシュマーケットでは腹ごしらえを済ませ魚を見定める料理人たちが佇んでいる。
わたしたちの知らないところで、だれかの朝がはじまり、だれかの夜が終わっている。そんな早朝と深夜の人間の暮らしを主人公のYataroは旅をしながら見つめてゆく。

場所はいつも旅先だった あらすじ

普段ドキュメンタリーは観ない。何となく堅苦しくて退屈そうだから。でもそれは偏見だと気づいた。

まず、この映画のコンセプトが気に入った。

"撮影は主に早朝と深夜に行った。旅先での数々の出会いとかけがえのない日々を、飾らない言葉でひとつひとつ綴るエッセイ集のような作品"

日々の生活の中で垣間見える赤の他人の生活感。

それを愛おしく思うタイプの人間なので、この映画は最初から最後まで気に入るだろうと確信した。


最近、インプットが少ないと感じる。

明日は散歩に行こう。写真も撮りたい。他人の作った血の通ったご飯が食べたい。

明日は早く起きて行動しよう。

そう心に決めた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?