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出来事

朝起きて準備をして家を出る。

財布が見つからずにもたもたして遅刻寸前。

溜まった畳む前の洗濯物の下敷きになっていた。

生活力の欠如。鬱陶しい。

忌々しい1日が始まる。


明日はカフェに行く約束をしている。旬の美味しいであろうケーキを食べるのだ。日々の暮らしにご褒美を。

でも、今晩は夜更けまで飲みたい気分なんだ。

明日は起きられる気がしない。

寝坊したら怒られるから起きないといけない。

アラームは10個。

睡眠薬は1個。


中年おじさんの色恋

今夜の飲み会で、中途採用同僚歳上おじさんの艶話を聞かされた。酒が入らないとしない類の話。

おじさんが若い頃、オキニ風俗嬢に入れ込んで何度も通い、行為はせずにひたすら彼女への愛を語り癒して抱き合いながら夜を明かした。

それで終いには彼女をものにしたらしい。

それが今の嫁さんですとはならない。現実はドラマではないので。ご都合主義にはいかない。

彼女は夜職を辞めたあとスポーツインストラクターに転向して、そこで出会ったムキムキマッチョマンのナイスガイに寝取られる。

それでも彼女が彼女らしく生きられたらそれで僕は満足なんですとヘラヘラ笑うおじさんが羨ましかった。

そういう終わり方の恋愛はしてこなかったから。

これは素敵な恋ではない。土留色をした恥ずかしい記憶だと思う。が、終わり方が美しいと思った。

人生のドラマにハッピーエンドはいらない。

少し寂しいくらいが丁度いい。

満たされていないからこその生きる力。


掘る


飲み会終わりは歩いて帰ることにしている。

歩いて帰れるくらいまでしか酒を飲んではならないという自身への戒めでもあるマイルール。

今晩はひどく蒸している。

首筋に汗が滲んで大変に不快感。

立ち止まって路地裏で煙草を1本だけ吸う。ドブネズミやGとこんにちはしたけど、酔っているから気分がいい。

酔って気分がいい夜は、酔いが覚めるのが怖い。

怖いから薬を飲んで早く寝る。

今日はもうおしまい。

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