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出来事

頭の寝起きは良いが、それとは裏腹に身体は重い。

身体があまりに重過ぎて布団に沈み込んだ。

そのまま布団の水面に潜り込み、沈み込む。

布団の海底まで辿り着いた私は潜水士に生まれ変わって、綺麗な貝殻や過去の遺物なんかを拾い集めて生計を立てる。

そんな空想をしていたら遅刻しそう。

さすがに今日は走った。最悪のはじまり。


2人の私

私は仕事をする上で巻き取ったタスクをひと知れず空き時間にこなすのと言われる前にやることをポリシーにしている。

業務日誌や翌日の事務手続きなどは当日の昼前には殆ど入力してあって、あとは夕方に提出するだけみたいな感じにしている。

こんなに仕事が早くていつやってるんですか?みたいに聞かれることがあったから、その時には「実は私は2人いるんですよ」と笑って誤魔化した。

他人に努力の跡を見せたくないみたい。

ならもう1人いると助かるわなんて言われて困った。


今日は15時過ぎに仕事を早退した。

そして、頭のお医者のところへ行って診察を受けてきた。お医者から事務的な質問といつもの処方箋を貰う。

そろそろフケてやろうかと思っていたけど、やっぱりあの薬が手放せない。中毒性はないらしいけど大丈夫なのかしら。

まあ面倒くさいことは考えない主義。

好きなように生きて好きなときに死のう。

少し悩んで疲れたので、繁華街にあるコメダ珈琲にエスケープした。繁華街のコメダには家族連れがほぼ存在しないから居心地がいい。

寺山の歌集をしばらく眺めて小難しくて飽きたら、星新一のショートショートで脳直しをする。

たっぷりサイズのアイスコーヒーを注文した。シロップとミルクは勿論たっぷり入れてから飲んだ。

普段コーヒーはブラックしか飲まない派だけど、コメダのコーヒーはこうした方が美味しい。むしろこうした方が遥かに良い。

たっぷりサイズはジョッキで出てくるから海賊みたい。おれは不眠症の海賊だ、ヨーホー。夜更かし暮らしだ、ヨーホー。

繁華街のコメダ

夕下がりにゆっくり家路を歩いて、ふと途中にある公園で立ち止まる。まだ動くと額にじんわりと汗が滲むが、たまに吹く風が気持ちいい。

公園には、ブランコに座るおじさんとベンチに座るおじさんの先客がいたから、私は砂場に腰を落とすおじさんになった。

もう子供はいない時間なので煙草に火をつけた。
(本当は吸ったらダメかもしれないけど)

やっぱり風が心地いい。

秋が近づいてきているなと感じて。

今年の夏はここに置いていこう、そう思った。


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