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記憶

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架空で空想で夢で現みたいなもの
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#現代短歌

記憶

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母方の祖母はそれはそれは優しい人だった。
初孫ということもあり私は大変甘やかされた。

幼少期の記憶を辿れば、怒られた記憶はほとんどなく、どこかに連れて行ってもらったり、何かを買い与えられたり、学校帰りにはおやつを作って待っていてくれたりと良い思い出しか残っていない。

時は流れて、私が大学生の時分に祖母は大病を患った。生活にこそ支障はないが、決して現代の医学では完治できないものだった。

何度か

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