名作探訪 その2 日本ボードゲームの嚆矢 『街コロ』
こんにちは、ボードゲームデザイナーの山田空太です。
普段のnoteでは、主にボードゲームの作り方について書いていますが、今日は名作探訪という、皆さまに是非とも遊んでほしいボードゲーム紹介の記事です。
名作探訪シリーズは、以前『とにかくボードゲーム』という自分のブログしたゲーム紹介に、今の気持ちをプラスしてお届けしています。100作を目指して、ちょっとずつUPしますので、夜の読み物にでもしていただけたら幸いです。
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さて、今回紹介するゲームは、『街コロ』。
日本のグランディングさんのダイスゲーム。発売されたのは2012年のゲームマーケット、もう8年前ですね。この頃のゲームマーケットでは、街コロのように、ゲームシステムとアートワークの両方を高水準で兼ねそろえているものはほとんどありませんでした。
その後、ドイツの出版社KOSMOSから販売され、2015年のSDJにもノミネートされました。
街コロ Machikoro
Designer: Masao Suganuma
Publisher: Grounding
(2012)
2-4人
好み:AA
時間:30分
インスト:説明5分
2人でも:楽しい
サイコロを振ってコインを稼ぎ、自分の街に建物を増やすゲームです。最初に4つ全てのランドマークを建てたプレイヤーの勝利です。
手番ではまずサイコロを振ります。もしサイコロの出目(合計値)と一致する建物をもっていたら、収入がもらえます。次に、コインを使ってどの建物を建てるかを決めます。建てなくてもよいです。手番での行動はこれだけなのでとても簡単です。
建物は、サイコロの出目に対応しています。また、色で種類が分かれています。例えば、麦畑を持っていると、誰のターンであれサイコロの1が出ると、銀行から1コインもらえます。カフェを持っていると、他のプレイヤーが3を出したとき、そのプレイヤーからコインを1枚もらえます。
↑セットアップの様子です。
全プレイヤーの初期建物は、麦畑とパン屋。ランドマークの1つである駅を建設すると、サイコロを2個振れるようになります。そうなると、7や8の建物が活躍し始めます。最後までサイコロ1個で頑張るという方法もあるようです。
ゲームの遊び方の詳細は、以下のリンクの記事がオススメです。
街コロのすごいところはその潔さです。サイコロを振るときのドキドキに特化したゲームなのです。
サイコロを振るときの楽しさを追求して、他の要素はできるだけ簡潔に設計されているように思います。このような潔いゲームデザインは難しい。
サイコロゲームには、サイコロを振る前にいのるゲームと、振ってから考えるゲームに大別できます。例えば、すごろくは前者で、バックギャモンは後者です。街コロは、純粋にサイコロを振る前に祈るゲームです。
準備の時点で、ゲームの全容がわかります。つまり、見通しが良い。初心者にも子供にも、優しい作りですね。単純な拡大再生産のため、一度コインが回り出すと逆転がなかなか難しいです。それでも、街コロは楽しいゲームであり、街コロにしかない良さがあると思います。
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