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空白の5年間-1 「ここから始まった」

未だに拭えない恐怖

私には恐れていることがある、それは「好きなことをすること」だ。

十数年前、私は子供の悩みや趣味のことをブログで発信していた。ただの自己満足なブログだったがそれなりに見てくれている人はいたので、当時取った資格を生かすために、そのブログを仕事の一部として本格的に集客の為のブログに変えようとしていた時期だった。

想いを文字にすることが好きだった。自分の頭の中を整理出来るし、ちょっとしたアイデアも公開していた。読者から反応があると嬉しかったのを覚えている。

一番知られたくない人にブログの存在がバレる

YouTubeでも動画を配信しようと準備を進めていた。もともと動画を作るのが好きだったので趣味と実益を生かせることが嬉しかった。好きなことで収益が得られるかは微妙だったが、まずは「自分はこんな人」ということを知ってもらいたかった。色々勉強していくうち、動画からブログへ飛べるような設定が出来ることを知った。

ー それがまずかった ー

動画のプレゼント

核心を突く前に少しだけ話しておきたいことがある。

私はよく動画で気持ちを伝えていた。口で言ってしまうとなんだか薄っぺらく感じてしまうし、手紙だと重たくなる気がしていたからだ。それが動画だと不思議とすんなり入ってくる気がしていた。自分の周りに悩んでいる人や頑張ってほしい人がいる時、私は動画を作って応援してた。
その一人が夫だった。

夫のスランプ

格闘技をしていた夫は、始めた当初は周りからも一目置かれていて、夫に興味を持って話しかけてくれる人も多かった。すごく強い選手と言うわけではなかったが、魅せる試合をしていたと思う。そんな夫が私も誇らしかったがある時スランプに陥った。それは長い長い期間となった。

普段夫に対してはあまり声をかけない私だったが、その時はなぜか夫にも動画を作ろうと思った。正直なところ本当は作りたくなかった。思えばそこからもう夫に対する私の気持ちは終わっていたと思う。それを隠すために作ったのだと思う。
動画を作る時はいつもその人の悩みに合った曲探しから始める。私が言葉を発しなくてもその曲の歌詞が答えを教えてくれるからだ。あとはそこに自分が一番伝えたい言葉を入れて編集する。夫はそれをとても気に入ってくれたようで仲間に見せたと言っていた。

夫が動画を知人に見せたと聞いて、「自分のスマホで直接見せるのはいいけどURLは教えないで」とお願いした。作った動画は一度YouTubeに上げて限定公開にし、URLを知っている人しか見れないようにしていたからだ。しかし夫を甘く見ていた。色んな意味で。

空白の5年間 その2へ続く




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