本とはここにいたいのです。

旅のはじまりは、いつもしらないところで動き出しています。なにもしていなくても、なにかをしていても、こころと脳がいきいきと働いてくれています。本を読むと必要な言葉をさがしだしてくれるから不思議です。

ほんとうはここにとどまりたいのです。安らかな時間をこわしたくないのです。それでも人は旅に出てしまいます。もうすこしいいところはないだろうかと、探し出すのです。ないとおもえばとどまることを心と脳がきめてくれます。とどまるという動きをしているからだと、何かの本で読んだことがあります。自己啓発の本には「行動せよ」と書いています。ここにいてもよいのですよ。そう、こころとからだと脳がそういっているのですから。

夏になるとたくさんの虫が動き出します。いきいそぐかのようにせっせと働いています。恋もたくさんして、つぎの夏にじぶんのこどもたちが生きやすいようにかんがえながら、いろんなところへ卵を産みます。命の連鎖は、永遠につづくかに見えますが、個々の命は断絶することもあります。

本をよむことは、生きる知恵のおこめつぶのようなものかもしれませんね。ひとつぶひとつぶは食べ応えはありませんが、たくさん集まれば、世界一おいしいおにぎりになります。たくさん本をよんで、おいしいおにぎりが食べたいがために、じっと本を読む時間があってもよいのではないでしょうか。

食いしん坊のぼくは、おいしいものに目がありません。
あ、また書こうとしていたことと違うことを書いてしまいました。
本とのことですが、ここが好きです。