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初めてお線香を買った話

去年の夏に初めて東北へ旅行に行きました。目的のひとつが「中尊寺金色堂」に行くこと。
日本史が好きな人なら奥州藤原氏の拠点として、また俳句が好きなら松尾芭蕉の「五月雨の降のこしてや光堂」を連想する人もいるでしょうか。

不勉強で行くまで知らなかったのですが、中尊寺は山の上一円にある複数のお堂の集合体みたいになっているんですね。
金色堂は山の奥の方なので、猛暑の中を他のお堂を通り過ぎながら急な坂をゼイゼイと汗だくで登っていくと、道の両脇からお線香のいい香りがしてきました。

ちなみに我が家には仏壇はなく、普段お線香とは無縁の生活です。アロマは好きですが、お線香にそれほど興味はありませんでした。 しかし、中尊寺のお線香の香りにはすごく惹かれます。
なんというか、ザ・お寺の匂いという感じ(語彙力…)。嗅いでいると、とっても落ち着くのです。お土産として売っているな〜と横目でチェック。

山登りの途中からお線香が気になってしまい、気もそぞろに金色堂へたどり着いたのですが(不信心)金色堂はお堂をさらに一回り大きな建物の中に入れて、保護してあるのですね。さすがに金箔だと野ざらしにはできないのかな。ともかく建物内に入ると、うす暗い室内に輝く金色堂、そしてその手前にあのお線香も売っている!

結局、買いました。いつ使うんだ、とか色々おいといて買っちゃいました。だって気になるんだもの。「関山香」というらしい。

東北旅行から帰って、確か家にお香立てがあったはず…とあちこち探して見つけたのがサムネ写真のカエルのお香立てです。いつどうやって我が家に来たものなのか不明。気がついたらそこにあった代物です。そのままだとお線香が長すぎるので、半分に折って火をつけてみました。

良い香り。気持ちが一気に中尊寺にワープしました。

というわけで、我が家では時々関山香の香りが漂っています。疲れたなー、とかゆっくりしたいなという時にカエルを取り出してお香をくゆらせ、中尊寺に思いを馳せています。(お線香もカエルも、若干間違った使い方かもしれませんが。)

それにしても旅行に行くまではお線香を買うつもりはまったくなかったので、思いもかけずいいお土産になりました。旅の思い出と香りは相性がいいみたいです。

というわけで、お線香にまつわる長い雑談でした。それではまた。

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