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ビジョナリー・カンパニーZEROに学ぶ戦術の原則

会社でマネジメントオンボーディング研修を受けている。

その課題図書にジム・コリンズの「ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる」が選ばれたので読んでみた。

本書はかの有名なビジョナリーカンパニーシリーズの総まとめのような立ち位置。偉大な企業の継続的な作り方完全版と言える。

結論引用

秘訣があるとすれば、これだろう。偉大な企業は敬意という基礎の上に築かれる。顧客に敬意を払い、自らに敬意を払い、お互いの関係性に敬意を払う。何より重要なのは、社員に敬意を払うことだ。

ジム・コリンズ,ビル・ラジアー. ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる (Japanese Edition) (p.525). Kindle 版.

秘訣を求めたどり着いた先は、人に敬意を払うことだと本書は締めている。人材を求めて採用したからには、その方々の活躍に経緯を持って接したいと改めて思った。結局は人。人と人。

自身が一番感銘を受けたポイント

個人的に一番響いたのは「第9章 卓越した戦術の遂行(TACITICAL EXCELLENCE)」だ。7章のビジョン・戦略・戦術の関連性はわかるが、その実効性にフォーカスした本章は特に興味深く読んだ。

例えば、期日を守るとかマイルストーンを作成する。担当者を決めるアサイン。これらはビジネスの現場で聞こえるが、本書では戦術に入るとしている。期限を決めた上でやり方は自由で結果が求められる。

その環境を作るには、やるべきことが明確であるべきと読み取った(Specific,Methodical,andConsistent)。そのためには担当者は自分の仕事の重要性を理解する必要があり、それを伝えることも重要だ。

仕事の重要性を理解しないと真剣にその問題に向き合うこともできないと本書より伝わる。その伝え方も相手の心に寄り添うことが求められると感じた。これはマネージメントやメンター側の役割だろう。

実際に今後トライに落とし込めそうなポイント

その地盤は文化であり、採用から評価までのプロセスを継続的に改善しながら取り入れる必要がある。その仕組み自体は自分が所属している会社では結構できているようには思う。その上で戦術に責任の考えを取り入れたい。

この章の戦術を活かし生きるには、本書定義のOPUR(オープア:OnePersonUltimatelyResponsible(最終責任を負う者))の考えを取り入れたいと思った。

チーム内では番長制度と呼んでいるが、そのプロジェクトの責任者をアサインする。その人が戦術を担う役割となる。これは部分的に取り入れているが全体的に取り入れる動きが出たの支援したい。

実行者でありつつも、属人性の排除も気に掛ける役割だ。一人で全ての責任を負うのではなく、期限や作業量の責任を持ち、分配や協力を促す役割も求める。それが、OPURと言えるのではないかと思い実行に移している。

リーダーシップ論の引用まとめ

本書は長いので部分的に響いた箇所にコメントしていく。特にリーダーシップ論の話がおもしろかった。

「最初に人を選ぶ」原則だ。あらゆる事業活動のなかで正しい人材をバスに乗せること以上に重要なものはない。

ジム・コリンズ,ビル・ラジアー. ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる (Japanese Edition) (p.36). Kindle 版.

ビジョナリーカンパニーシリーズといえばバス。初めに人を選ぶことを重視している。何をではなく、誰をが先。目的ではなく人を選ぶ。whatよりwho。アイデアより、優秀で一緒に働きたい人の方が大事という考え。

リーダーのもっとも重要な責任とは、会社共通のビジョンを明確にし、実現に向けて揺るぎない決意と熱心な取り組みを促すことだ。

ジム・コリンズ,ビル・ラジアー. ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる (Japanese Edition) (p.81). Kindle 版.

本書はリーダーシップ論(後転的に身につけかつ個人的特性に分類)もまとめている。ここでも明確さを重視。その力を7つに分類し、らしさを解説。中でも人間味の解説は現場視点を疎かにしがちな警告に思う。

すでに述べたとおり、リーダーシップの本質とは、明確なビジョンを示し、集団と共有し、行動を促すことだ。しかしもうひとつ、それに加えるべき要素がある。社員の魂に触れるのだ。

ジム・コリンズ,ビル・ラジアー. ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる (Japanese Edition) (p.165). Kindle 版.

数十ページにわたって解説したのちに、同じ話をもう一度している。そして、信頼を寄せていることを伝えるふれあいを加えている。自己認識の変革を促し、誇りを与えるのがリーダーの責務なのだろう。

本書総論

新たに追加した「本書の新しい視点」がこの手の研究の新発見という感じで補足となる。科学的な知見も高まり、最後は社員の敬意という言葉で締める。この手の本の大作まとめという感じだろうか。

ビジョンがなぜ大事で戦略と戦術にどう落とし込むか。その前には人であり、人次第であるからには文化次第。そのためにリーダーシップと個々の連続性を見事にストーリとして仕立てている。

おまけ:ビジョナリーカンパニーシリーズの感想

ビジョナリーカンパニーシリーズを過去に読んでいたので、その書評を最後添えておく。

名著と聞いて2014年に読んでいた。

ZEROでも登場するが、選択肢はORの考えではなく、ANDの選択肢の考え方気にしたいとこの時に思えた。つまり、妥協ではなく妥当。将来性を見据え、企業理念以外は変化させる姿勢が偉大な企業の継続性と感じた。

続編。これも2014年に読んだ。1より2のほうが現場よりで実践的。

第5水準のリーダーシップの話が参考になった。これもZEROで登場するが、リーダーシップをカリスマに頼るのではなく身につけるものとして5段階の水準に分けて紹介。

人ではなく仕組みを管理する。歴史から学ぶ。できる以上の得意さ以上の圧倒さが個人にも求められる。人の採用がすべてとも捉えることもできる。

と当時は感想をまとめていたので引用する。

結局、人。採用担当をしているとビジョナリーカンパニーの人の考え方にはうなずくばかりだ。

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