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エビデンスベースで組織課題を解決したい

組織行動論について勉強したいと思ってこちらの本を手にした。

現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学を読んだ。

エビデンスベース。特に副作用を紹介しているのが特徴的。こうするとうまくいくであろうHR関連の著名な情報元がまとまっている。これを元にというより、やはりこういうことだよなの現場の確認に使える内容だった。

例えば、オンライン面接は構造化が有効。ウェルビーイングの話は、仕事の負荷低く能力開発の機会があって、上司からの支援があることとまとめているがエンゲージメントサーベイでよく見る項目だ。

他にもワークライフバランスから、エンリッチメントへと相互作用の提案の話もある。仕事とプライベートを分ける考えではなく、片方の経験の質がよりもう片方にポジティブな側面があるという考え方は新鮮だった。

また、ベースにしている論文だけでなく、世間的なデータの元として参考にしている情報源を得られるのがよい。著者はビジネスリサーチラボの方。目次内は44項目もあるが、その中で知らなかった項目を二つ紹介したい。

JD-Rモデル:仕事の要求度-資源モデル

エンゲージメントといえばJD-Rモデルらしい。

厚生労働省にもこの話があって、JDことJob-Demand(仕事の要求度)によって、アウトカムが変化する話がある。

こちらの論文紹介では、JD-Rモデルとエンゲージメントとの関連が伺える。

「毎日の仕事の要求度と資源の変動が、その日のワーク・エンゲイジメントに影響を与えている」という理論仮説が検証されました。

引用:https://note.com/t1496/n/n7fb1c1e0a6b8

人事の論文の世界では、普段の仕事の要求とコントロール感覚が働きっぷりにどのような影響を与えるのか。そんな研究が存在していることに気がつくことができた。

言葉として覚えたいが、書いていること自体は実感と近い感覚の話なところが興味深い。

組織市民行動(Organizational Citizenship Behavior:OCB)

本書ではこれらの論文に関連するような話も出てくる。組織市民行動なる言葉も知らなかったが、利他的で支援において大事な考えだ。5つの要素からなり、その中に利他主義も含まれている。

誠実性や礼儀も要素にあるが、その行動自体をまとめて論じていることを知らなかったのでこれも参考になった。

本書もビジネスリサーチラボでも、定義と効果を主体に副作用を論じている。話を読むとリテンション(離職率低下)効果や理想的な職場でのふるまいにも見える。

しかし、印象管理に基づく行動やジョブクリープの可能性も指摘している。これは実感ともあう話で、普段の業務で感じた時に参考にできる点では論文が一つの警告になるなと感じた。

AIに論文の要約はお願いしつつキーワードは覚える

このようなエビデンスをもとにした話はすぐに展開できるようになりたいと最近思う。この話はどこどこの論文に書かれていることだよという行動はChatGPTやBingのおかげで幾分かやりやすくなった。

今回も言葉の検索にあたってBingを活用したのだが、知りたいことがひっかかりこうやってまとめるにあたって頭に入ってきたので、キーワードを知識として覚えて検索して引っ張り出せるようになりたい。

それができればエビデンスベースの話が展開できるようになるのかなと感じる本だった。

画像引用:https://dl.ndl.go.jp/api/iiif/12394687/R0000016/880,2160,1496,1512/,766/0/default.jpg

神坂雪佳 著『滑稽図案』,山田芸艸堂,明36.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12394687/1/16 (参照 2023-07-10)


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