ティール組織に学ぶ未来の組織のあり方について想像する
ティール組織について書かれた本を読んだ。
人間がコミュニティの中で構築された組織は長い歴史の中で今急激に変化している。その進化型の組織モデルとしてティールなる組織を紹介。実際に当てはまる企業のエッセンスを展開している。
なお、イラストで図解された関連本を先に読了。イメージを膨らませた方が読みやすい量だと判断したのだが正解だった。要点がまとまっているので、色で区別する組織の違いが特に把握しやすかった。
ティール組織の咀嚼は下記サイトにおまかせをする。話自体はとてもシンプル。いろんな組織のパターンを並べて進化と捉えて、新しい組織としてのティールが定義されている。進化論と発達心理学がベース。
私自身はここで語られているオレンジ(達成型)組織やグリーン(多元型)組織を経験していると感じた。今所属する組織も部分的にティール組織の要素があるなと感じている。
プロジェクトマネージャがいない世界
ただ、本書を読むと従来の考え方と大きな差があることも確かだ。
セルフマネジメントができるということは、マネージメントする立場が必要ないということである。プロジェクトの優先順位にガントチャートを使うことなく、簡素化された状態で始める。これがうまくいくという。チームのパフォーマンスに注目しているからだろうか。
また、基本給についても他の社員とのバランスを考えながら自分で定めるとある。投資予算も同僚間レベルで決めたり、助言のプロセスがあれば使えることが前提となっている。
本書はそのように、一見本当だろうか?と思うような事例が記載され、また推奨されていた。これらは要素に過ぎないがこれを可能にするのが、私は内省プログラムにあると感じた。
組織的に瞑想やコーチングを取り入れる
例えば、瞑想。しかも集団での瞑想。大集団でのふりかえり。数人ではなくて、イベントレベルの大規模なふりかえりをする中で、自己開示をしていく。ここまでくると、少し怖いなと客観的に感じてしまうところもある。
これらは、ちょっと興味があるので取り入れたいなと感じるところでもある。1on1などの個別ミーティングはコーチングの要素を含むし、内省の促しにもなっている。それをより具体化する仕組みといったところだろうか。
果たして人類が目指す先の組織とはティールなのだろうか
ここに書かれたティール組織の項目一つ一つを拾っていくと、その先の未来には少し疑問を感じのたが正直な感想だ。これが次の組織変化なのだろうかと。
特に疑問なのが、人は内省を促して自己開示をして、セルフマネジメントができる物なのだろうかという疑問だ。
それでも取り入れたいと要素によって感じるのは、昨今の心理学の発展に伴うバイアス排除を筆頭に人は理解を得て進化したい気持ちがある。そこに希望を求めているところがある。
ただ、全てをさらけ出す関係は同化に近い。
常に客観視できる仕組みが大事に思うので、外の世界の常識と照らし合わせながら、私の組織はこうだなという視点が大事に思う。常に今あるものがベストではないという視点が欲しい。
そうなるとアバター論とか複数アカウント論が自然に思える。
例えば、学校の私。塾の私。家族の私。という切り替えは子供だってやっている。全てを同じように過ごす人もいるだろうが、いろんな自分があるはずだ。そんないろんな自分がいることを分かり合える交友関係も存在する。
組織においても同様だ。自分自身をさらけ出す場は組織という単位でできることがティールらしさかもしれないが、それが永遠ではないかもしれないという視点があってもいいのではないか。
自分自身をさらけ出す場の種類はいくつかの選択肢を持ってしかるべきだろう。ハンドルネームでブロガーやポエムを書く人や趣味活動に生きるカメラにしろ食事にしろという、居場所づくりの分だけセルフマネジメントを増やす場所があればいいだけに思う。
まるで投資のポートフォリオのように常に存在するリスクとリターンを照らし合わせて、それぞれを全力で楽しめばいいと思う。分散投資型自己開示といったところだろうか。
もちろん、組織の一つに自分自身が情熱を注ぎたい場があるというのは幸せなことだし、ティール組織のような状態が実現するための場かもしれない。
そうかもしれないが、人々は内省を経てそこまで進化できるのか、まだ理解が及ばないなと本書を読んで感じた。
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