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詩を感じる | シンプルだけど心に響きわたる吉田拓郎さんの詩

普段の生活において文体という形で「詩」に視覚的に触れる機会は、自らが触れにいかない場合を除いてほとんど無いと思うのであるが、聴くという形で「歌・唄」に乗せた「歌詞」というものは、自然触れる機会が多いのではないかと思う。

以前よくぐるぐる巡りをしていた古本屋さんの私が今まで巡回したことないコーナーで、思いがけない本との出会いをした。

角川文庫から出ている吉田拓郎さんの「吉田拓郎詩集BANKARA」という歌詞集である。

 
吉田拓郎さんといえば自分の世代よりまだ以前なので、某ジャニーズの夜の番組に出演されていた印象しかなく、その楽曲も何となくぐらいしか識らない程度であった。

そんなほとんど識っていることの少なかった吉田拓郎さんの文で見r歌詞は、シンプルなのにとても素晴らしい「詩」である。

素晴らしいとしか表せない自分の表現力のなさが恥ずかしいばかりである。

「今日までそして明日から」もこれまでの自分の生き方を繰り返し肯定してくれているようで、胸が熱くなるものを覚えるが、もう一つとてもシンプルで胸に響く「暮らし」という歌詞がある。

実際の歌は朗らかであっさりしているのであるが、文体で見るこの歌詞はたった数行でこれまでの自分の生き方を振り返らせ、共感させててくれるものがあり、いつ読んでも感慨深くなるものがある。

ボードレールの詩のような煌びやかなビジュアル系の楽曲全盛期で育った私は今、人生についてしみじみと振り返る詩に胸を打たれている。

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