【アメリカ】 5〜8歳 読書力をのばす英語本の選び方/ レベルに合ったリーダー本選び
偶然にも6人の小学校の先生が在籍していた、地域のママと子どもの会プレイグループに、娘が1歳の頃から5年間所属していました。
6人のうち2人はリーディングスペシャリストという、小学校のリーディングの専門家。最初はピンと来なかったその先生たちの会話も、娘がKindergarten生(一般的には日本の年長さんの年)になり、本格的に教科としてのリーディングを学び始めてようやく、私も実感として理解するようになりました。
ここでは、専門家から得た知識と、日本人親でありながら英語優位の子どもを育てる私の実体験をもとに、子どもの読書力をのばすリーダー本の選び方について書いています。
リーダー本って何?
I Can Read!、READY TO READ、STEP INTO READING、PENGUIN YOUNG READERS、My Readers、NATIONAL GEOGRAPHIC KiDS ーBE A SUPER READER、SCHOLASTIC SCIENCE READERS、SCHOLASTIC READER、I CAN READ IT ALL BY MYSELF Beginner Booksなど、他にも種類がありますが、
このように、ReadやReaders、Readingという文字が表紙に描かれているもの(大抵は薄い本)でレベル分けされているものを、この記事ではリーダー本と呼び、絵本とは区別して書いています。
絵本とリーダー本は分けて考える(5〜7歳頃)
絵本は、子どもが自分で読むことだけを目的として作られていないため、「心を育てるもの」として純粋に内容を楽しんでほしいですよね。
一方で、リーダー本は「読み」を練習することを目的として作られています。
読む力のレベルアップを目的に、各レベルに応じた単語が並べられ、一文の長さや文法なども、読みのレベルに合った文章構成になっています。
リーダー本が絵本代わりになってしまっている子どもがいたり、たまに『おすすめ絵本』としてリーダー本が紹介されていることがありますが、リーダー本は、あくまでも自力読みの練習用。その年齢に必要な心の成長や高い読解力には繋がりにくいため、長い目で見た子どもの成長のためには、リーダー本と絵本は分けて考えることが非常に大切であると思います。感受性が豊かで心がどんどん成長していく大事な年齢。リーダー本で、自力読みの練習をしつつも、同時に、多くの良い絵本に触れさせてあげたいですね。
絵本を使って「読み」の練習をしても良いですね。もし自分で読むのを難しそうにしているときは親が読んであげるか、(親が英語に自信がない場合は)音源を使った読み聞かせをするなどして、『リーディングの練習』と『絵本の時間』はしっかりと区別してあげると、読む力と読解力の両方がバランスよく育っていきます。リーディング練習用に作られている本に比べて、絵本の方が難しく感じることもよくあるし、それは当然のこと。
レベルに合った絵本を与えようと考えすぎて、その本は簡単すぎる、その本は難しすぎるなどと、出会う絵本に限界を作ってしまうことは、避けたいですね。
リーダー本同様、レベルに合った絵本の選び方については、後の方でご紹介しています。
リーディングレベルの種類と見方
リーディングレベルは何種類かの方法で表されるため、コンバージョン表が必要になってきます。以下のチャート例①は、アメリカにおける児童書や教材の販売では最も認知度の高い出版社であるScholastic(スカラスティック)社が出しているもので、アメリカの教育機関で、教育者用ガイダンスとして、もっとも広く一般的に使われているコンバージョン表です。
●リーディングレベル チャート例①
Guided Reading Level ーDrs. Irene Fountas とGay Su Pinnellが定めたもので、Fountas & Pinnellとも表記されます。主に学校などで、担任の先生と生徒が、1対1または少人数で座り、生徒が学年平均レベルの本を読んだあと先生が質問をし、その本への理解度をもとに、先生がガイダンスに沿ってレベルを決めます。
Scholastic Guided Reading Level ーScholastic社が、上の↑Guided Reading Level基準をもとに、自社出版の本に当てはめ定めたもので、AからZのアルファベットで表されます。
DRA Level ー生徒のリーディング力を判断するための教師用のツール。
Lexile® Levels ーLexile®値から、レベルに合った本を選ぶ際には、実際の、子どものLexile® 値よりプラス50L からマイナス 100Lくらいの範囲の本を選ぶのが良いとされています。
【アメリカの学校でScholastic社が多く利用される理由】
Scholastic社のScholastic Book Clubというプログラムが、全米の多くのプリスクールや学校と連携しており、本の注文数に応じた教師(クラス)へのキックバック制度もあるため、Scholastic社のGuided Reading LevelとLexile®値の両使いをスタンダードとして採用している学校/教師は多いようです。
●リーディングレベル チャート例②
こちらは、小学校でリーディング副教材として使われているオンライン型図書システムのRaz-Kids(ラズキッズ)が出している独自のコンバージョン表です。
参照リンク:https://www.raz-kids.com/updates/raz_correlation_chart.pdf
●リーディングレベル チャート例③
こちらのリンクは、教育者用の研修機関の一つが出しているコンバージョン表です。一例として参考にしてみてください。↓↓↓
https://modelteaching.com/wp-content/uploads/2019/04/Lexile-Conversion-Chart-1.pdf
ここでは比較用に3種類をご紹介しましたが、このように、調べた数だけ、少しずつ異なるチャート(コンバージョン表)が出てくるんですよ!!ほんと混乱しますよね笑
リーディングスペシャリストに聞いても、どうやら「これが正解」というのはなく、お子さんのリーディングの様子を見ながら、参考程度にとどめておくというのが良いそうです。
大切なことは、
リーダー本と絵本は分けて考える
レベルに合った本を、毎日20分ほど読むようにすれば、それ以外の時間は自分のレベルよりも低いものを読んでも、楽しんでいるなら良い
レベル値は参考程度にし、こだわりすぎない
子どもの読書の限界を作らない、子どもが好む本を与える学年よりもリーディングレベル(Lexile®値)が高い場合は、本の内容がその年齢の精神発達に合っているか十分に考慮する
最後の、本の内容がその年齢の精神発達に合っているかを調べるときに使えるツールは、別の記事でご紹介しています↓
リーダー本の選び方
アメリカの学校に通い、全国スタンダードテストを年に3回受けている子は、スコア表で、Lexile®(レクサイル)値が確認できます。
また、学校によっては、担任の先生がGuided Reading Level(上記のコンバージョン表内にアルファベットで表記されているもの)を採用しているところもあり、GRL値で本選びをすることもあります。
※学校などでレベルがわからない場合のレベルの調べ方は次の項に書いています。
ただ、一人ひとり特性があるため、単純にリーディングレベルという「数字」を全ての子どもにそのまま当てはめることはできないのが実情です。
わが家の娘には、STEP INTO READINGのレベル分けがぴったり合っていました。同じLexile®値で選んでいても、例えばI Can Read!のレベル分けは実際の娘のレベルとは少しギャップがあり、せっかく自信を持ってやっていた自力読みを一時嫌がったことがありました。I Can Read!がダメということではなく、娘とは全く逆のパターンの子もいると思います。
様々な出版社の同ジャンルの同レベルを試してみて、子どもと本にも相性があることに気がつきました。
レベルは合っているはずなのになぜか読めないとしたら、それは子どもの実力がダメなのではなく、ただ子どもとその本の相性が合わないだけと判断する方が現実的。子どもが喜んで読もうとするものに出会うまで、探し続けてあげることが大切だと思います。読書好きの大人でも、相性が合わない本は読まないですよね。
すべての本が誰にとっても正しくレベル分けされているとか、レベル範囲さえ合っていれば大丈夫(読めるはず)とは思い込まず、子どもの様子を見ながら本選びをし、レベルアップさせていくと、最もストレスのない形で進められます。
では、これらのことを踏まえて、以下に、レベルに合った英語本を検索できる有名サイトを4つご紹介します。
本のタイトル、ジャンル、学年、リーディングレベル値などで検索できます。
例えば、3rd Gradeになったばかりの娘が、数カ月前から好んで読んでいるシリーズをタイトルで検索すると、このように↓情報が出てきました(画面右下)。
Guided Reading Level (GRL値/アルファベット表記)を始め、学年ごとやイベント別など様々なカテゴリーで検索できます。
比較的、有名な本や著者が載っているので「見たことある!」というので親側も選びやすい気がします。私はこのサイトが一番、アメリカ実生活で出会う本に近くて気に入っています。
Guided Reading Levelで調べたい場合はこちら↓
学年で調べたい場合はこちら↓
ランゲージアーツ、算数、理科などの教科ごとでも調べられる↓
Lexile®値、学年、ジャンルなどを絞って検索できます。このサイトは、基本的に日本人の私には馴染みがないような本がたくさん出てきます笑、が、よくおすすめ検索サイトの2位くらいに上がってきますので、ここでもご紹介しておきます。
4. Epic
おなじみ、12歳以下の子ども向けの、デジタル読書プラットフォームです。対象年齢やジャンルを設定すると、あらかじめ厳選された該当レベルの本が表示されます。大量のデジタル本に触れ、まずその本が子どものレベルに合っているかを試すことができる点(次の項↓に詳しく書いています)、また読んだことがないジャンルや初めてのシリーズなどにも出会いやすい点が、Epic!の良いところですね。
子どもにとっては、Epic!が、好きな本や読んでみたい本を一番見つけやすいかもしれません。
リーディングレベル値が不明な場合の導き出し方
まず、リーディングレベルのチャートから、学年/年齢の平均Lexile®値を調べます。
次に、上にご紹介したようなBook WizardやLexile®Find a Bookで検索をかけたり、Amazonや本屋さんなどが出している本情報を見るなどして、該当するLexile®値に属する本のタイトルを導き出します。
選んだ本のどこか1ページをランダムに開きます。
そのページで、5つ以上、自分で読めない単語があれば、その本はまだ少し難しいというように考えます。
ランダムに開いた1ページに
ー 5つ以上読めない単語がある→ 難しすぎる
ー 読めない単語が4つ以下→ ちょうど良い
ー 読めない単語がない→ 簡単すぎる
これを何ページかやってみてレベルを判断する、というやり方があります。
これは、Kindergartenと1st Grade(一般的には5〜7歳ごろ・州によって異なる)のクラス担任の先生が使うやり方です。
この他にも、本の内容について質問をし、内容の90%以上を理解していればちょうど良いレベルと見る、という先生もいるようです。
リーダー本の次のステップ(6〜8歳頃)
リーダー本に慣れてくると、少しずつチャプターブック(章がある児童書)へと移行していきます。
娘の場合は、写真内のこれらの本の自力読みを心ゆくまで楽しみつつ、同時に6歳8〜9カ月頃(アメリカ1st Gradeの終わり、日本の小1の夏休み前頃)〜7歳半にかけて少しずつ、チャプターブックへと移行していきました。
※写真は一部の紹介です
5歳半ごろから少しずつ自力読みを始めた娘ですが、8歳の今はLexile®値だけでいうと、2〜3学年上のレベルにいます。
ですが、わが家は、Lexile®値にとらわれすぎず、娘の総合的な成長と発達のために、学年レベルの本をしっかり楽しむこと、心を育てること、読書を愛する気持ちを尊重することなどを念頭に、親子で本選びをしています。
チャプターブック選びについては、また別の記事に書いていきます!
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